掛川イベント情報 ~お知らせのある人、集まれ!~ - トピック返信
Re: 景観シンポジウム
【返信元】 景観シンポジウム
2009年10月26日 14:28
平成21年10月16日(金)、美感ホールにて景観シンポジウムが開催されました。
参加者は107名。「私たちが造り出そう、価値あるまちの景観」をテーマに、景観を「暮らす人」「訪れる人」「営む人」の3つの視点で、掛川とゆかりのある専門家とともに考えました。
開会の挨拶で松井市長は、今問題になっている掛川駅の木造駅舎について取り上げ、「長い歴史を築いた駅舎だ。掛川の一つの象徴・一つの風景を残したい。一度取り壊せば復元できないので、重要な課題。皆さんの賛同が欲しい」とお話をされました。

第1部では、建築家・東京学芸大学准教授 鉄矢悦朗氏による「地域の大切な財産“景観”をどう意識し、保全するか」の講演が行われ、今回で6回目となる景観講座の総括のお話をされたました。
今までの景観講座から見えてきた、掛川の景観を考える2つの柱とは「景観をつくっている要素は、私たちと自分自身の暮らし」「景観は地域の歴史的財産であり、一人では作れないもの」とのお話がありました。
景観は一瞬では出来ない、先人の積み重ねです。
そして、景観を意識するためには[ゆれるまなざし]が必要となり「固定したまなざしを持っていてはいけない。もう1歩でるとゆれが大きくなり、ゆれは終わらない」と鉄矢氏はおっしゃいました。

[掛川でみつけた6つのゆれ幅とは]
1.結果・成果⇔プロセス
プロセスを知っていると見方が変わる
2.止まってみる⇔動いてみる
写真でも、美しいと言われるとそう見えてしまう、なかなか本当の景色を見ることができない
3.見える景観⇔見えない景観
実は身近にあるのに見えていない、外の人が来ると見える
4.知っている⇔語れる
好きな所をどうやって言語化するのか
5.空間の奥行⇔時間の奥行
新しい物の中に古い物を置くと時間の歪みができる
6.決める・ジャッチする⇔割り切らない
たくさんの情報も無いのに決めるのはよくない、割り切れないのは好奇心がある

そして景観の保全にむけて[残すもの+直すもの+取り除くもの+取り替えるもの+新しくつくるも=いまのわたしたちの暮らしの姿]が必要となります。
そうすることによって、喧嘩することもありますが、後世に残す景観となるのです。
これからのキーワードとして「まちづくり」「まちづかい」「まつづきあい」が大切ということなのです。

第2部では、パネラーの鉄矢悦朗氏・小松正明氏(独立行政法人都市再生機構 部長)・川口功氏(社会福祉法人 大東福祉会 理事長)・名倉光子氏(NPO法人とうもんの会 理事長)と共に、佐藤雄一氏(NPO法人スローライフ掛川)の進行で生活と景観を考えるパネルディスカッションが行われました。
北海道出身の小松氏は、旧掛川市の元助役として3年間、掛川に暮らし、中の視点と外の視点の両方を併せ持っています。そんな小松氏から見る「掛川の価値ある景観」とは、粟ヶ岳の『茶』の文字です。
風景は毎日見ていると、飽きてしまうし麻痺してしまうけれど、その中で、誰かがその価値を明らかにすることが大切だと、小松氏は語りました。

そして今問題になっている駅舎については、様々な意見が出されました。

鉄矢氏「駅舎は残す・壊すの二者選択ではなく、残す部分と壊す部分など、部分的に考えて、使える部分だけ使っていけばいい。一つの街が建物なので、それを創る意識でいてほしい」

名倉氏「自分が高校生の時に、掛川駅に毎日通っていて意識したことがなかったが、古いものを使うのは大事。掛川の何を売るのかを考えてみた。掛川には掛川城や大日本報徳社、竹の丸があるので北口は歴史ある木のイメージ、南口は新しいアートのイメージ。そのように、古いものと新しいものの対比ができたらインパクトがあり面白い」

川口氏「市の財政を考えると、どうしてもその上での対処が必要となってくる」

小松氏「駅舎をどうするかの、答えは早急に出そうとしないこと。背景の物語が大事なので、残すならそれなりのプロセスが必要になる。残さないなら、昔の駅のプレートを置くなり、残したいなら募金を集めて、無理だったらそれまで。それがエピソードとなり、物語となる」

では、私たちはどう価値のある景観を創り出せるのか?

小松氏「正直今は、景観を創るのは難しい。昔は、木や石でしか物を創れなかった為、物理的に限界があった。今では、技術が発達したので、昔と今の統一が難しい。
どちらかを高めていい物に見せるか。新しい物を創るのを恐れないでほしい。保存でなく保全をしよう」

名倉氏「とうもんの里の田園風景は、景観を創る為にやっているのではなく、米・茶を作っていたから景観ができた。農家もシャッター通りになってきているので、作る人がいなくなったら、いい景観ではなくなってしまう。なので決して生易しいことではない。大須賀は茶・米を小学校で作っている。そのように協力をして景観を守りたい」

鉄矢氏「時代が変わった。昔はつくったらノーメンテナンスがよかったが、今は年月を経てだんだん変化するものに価値を見出している。メンテナンスをすることによって、雇用を生むこともできる。雇用と景観は一緒に動くものである」

小松氏「行政は、メンテナンスがかかるものをつくりたくない。民間が経済行為の中で、景観が地域のブランドとして価値を高めていけるようになるといい。健全・住みやすい、そこまで考えるべきだ」

(左から:佐藤氏・川口氏・小松氏・名倉氏・鉄矢氏)

パネラーからの感想

川口氏「掛川に住む人、営む人、事業をおこす人の考え方をしっかりするべき。その中で、一定のルール化をする市役所は、話をリードする工夫をする。そうすれば市民もついて来るはずだ」

小松氏「見える物の風景・営みの風景、変えないことだけがいいことじゃない。変えることも勇気。もてなす景観を創っても意味が無い。今ある景観でどうもてなすかが大事。細かいエピソードがあれば、それだけで景観になる」

名倉氏 「自分が語れるようになったのは、外の人たちが地域を褒めてくれたから。そうすると誇れる、だから伝えられる。
伝えることは重要。どんな人がどうやって作ったか…、今、私たちはそうした話を小学生たちにしている。今、結論がでなくても、何をすべきか考えることが大切」

鉄矢氏「まちづかい・まちづきあいが大事。普通の勉強も大事だが、まちについても教育がもっとできたらいい」

最後に進行の佐藤氏が、
「市民は自分たちの暮らす景観について、もっと行政にこうしたいと提案すべきだし、行政はそうした市民の言葉を形にする努力をすべきだ」
としめました。

【取材・レポート:杉山(おすぎちゃん)】

書き込みツリー表示
景観シンポジウム - 09/10/15 09:25 (いいじゃん掛川編集局)