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Re: 【第1回のご案内】一人ひとりが考える地域の減災対策
【返信元】 【第1回のご案内】一人ひとりが考える地域の減災対策
2013年04月14日 19:42
前略
お世話になります。
危機管理アドバイザー(防災士・精神対話士)の尾下と申します。
現在、「減災学」の講師を務めています。
「減災対策が尊厳ある生を守る」
  大災害が起きると個々の防災意識が一時は高まるが、世の中の関心が薄れつつある現在、被災者の「心のケア活動」を行っています。
 日本は有史以来大災害を経験しているにも関わらず、東日本大震災のトリプル災害(地震・津波・原発)の「負のスパイラル」には太刀打ち出来ませんでした。それは、国民一人ひとりの正常化バイアス(自分は危険な状態ではないと思い込む心理)が被害を拡大したとしても決して過言ではありません。
災害リスクが質的に変わり、首都直下型地震や南海トラフを震源域とする巨大地震は「低頻度高被害型」で、「リスク」ではなく、必ず起こる「必然」です。内閣府の試算では、全国の死者は最大32万人超で、圧倒的な自然の力を前にして、私たち国民は何にどう備えればよいのでしょうか。
これからの防災・減災対策(Disaster Reduction、Disaster Mitigation)は、ハード面だけでなくソフト面のレジリエンス(resilience=復元力、回復力)が重要となります。従来型の「三助の法則:自助・共助・公助」は、「公助」の言訳、「共助」の自己満足、「自助」の無策。私は、必ず起きる大災害に備えるには、「三減の法則」を提言しています。つまり、「自助」と「共助」の隣保協働体制が定着することで、緊急時の危機管理において最大の効果を発揮します。そして、「公助」が地域の危機管理体制を補完(住民の安全)できてこそ、真の減災対策と言えるのではないでしょうか。
減災対策は、①災害を知る②災害に備える③速行動(避難)できる。個人・家庭・地域・学校・企業・自治体・政府・国がそれぞれのポディションを確実に確保して、継続向上(PDCAサイクル:計画・実施・見直・継続)を図ることです。つまり、「靴を測って足を削る」の愚行から、「悲観的に準備(想定外を想定できる能力=危機回避能力)」し、楽観的に実施(普段の対応能力=自らの判断力と行動力)する」こと。その重要ポイントが次の三本柱です。
〇平時から計画的・持続的に真摯に取り組むこと。
〇目標の定量化と、実現方策を具体化して実行管理(危機管理)すること。
〇減災ビジョンは、「尊厳の生を守る」を体系的・総合的に実施すること。
これは、机上の議論に終始せず、国民の目線に軸足を置き、東日本大震災の教訓と最新の知見等を踏まえて、防災リテラシー(災害から生命・財産を護る対策)を具体的に実行することで、減災社会の構築(build a society mitigation)の礎となるのです。「不意の地震に不断の用意」という関東大震災の標語は、地震から90年経つ今も色あせていないことを肝に銘じなければなりません。
私は、三現主義(現状:現地:現人)+PDCAサイクルを重視し、「尊厳ある生を守る」を理念として、地域の安全と安心を守ることに止まらず、防災教育(共育)つまり、「互教互学」の精神で、後世にしっかりと受け継いで行くことを使命として日々研鑽を重ねより一層鋭意努めて参る所存でございます。
ご指導ご鞭撻および指名賜りますようお願い申し上げます。尾下拝
HP「危機管理アドバイザー尾下」参照

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【第1回のご案内】一人ひとりが考える地域の減災対策 - 12/09/06 14:48 (中東遠地域づくりシンポジウム実行委員会)