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【第3回レポート②】減災をめざしたまちづくりに向けて(磐田)
中東遠地域づくりシンポジウムin磐田
減災をめざしたまちづくりに向けて

平成26年度第3回目のNPOプレゼント講座は、磐田市での開催。防災、減災への意識が高まる中、市内外から多くの方にご参加いただきました。
減殺をめざしたまちづくり・地域づくりへのキーワードとなる言葉がたくさん出ました。講座の様子をレポートします!
【レポート②】 ※ レポート①はこちら

■課題について
日詰
皆さんから、現在行っている取り組みをお話いただきました。では、その取り組みの中にどんな課題があるのか、伺っていきたいと思います。



杉田
①場づくりの必要性
今回のような講座を聞いた人が、実際に自分の自治会に戻って、広めたり、深めたりする場が必要だと感じます。
地震が起きたら「指定避難所に行けばいい」のではなく、個人がそれぞれに役割意識を持つことが大事なので、そうした意識の醸成を図れるような場づくりが必要だと感じます。

②女性の参加をどう高めるか
防災組織の役割の中で、女性に入ってもらうための仕組みづくりが必要です。避難所運営では、女性が力を発揮します。これは、実際に被災地の視察に行ったときにも実感したことです。まだまだ封建的な男性社会のところもありますが、そうしたものを壊して、女性が参加できるようにしていかなくてはいけないと思います。

③後継者問題
高齢化が進む中、後継者が見つからないのは、どんな組織でもいえることです。会社員が多いところでは、日中、家にいるのはシルバーの人だけということもあります。実際に災害が起きたとき、動ける人がどれだけいるか。そう考えると、頼りになるのは中学生だと思います。中学生に技術や知識を身に着けてもらい、顔の見える関係性を作っていかなくてはなりません。

大杉
①後継者問題
地区社協でも、後継者の課題があります。「リーダー養成講座」なども開催していますが、地域の活動を運営していくためのリーダーとしてのスキルアップが必要です。

②連携の必要性
一人ひとりの努力が実るためには、一人ひとりの一本の糸が、縦、横、斜めにつながっていき、ネットになっていくことが大切です。
それは、社協の中でもいえることで、それぞれ「防災」や「まちづくり」といったテーマごとに担当が決まっていますが、縦横斜めの連携が必要です。それぞれに生活の場は同じなので、地域の人と顔の見える関係の中でネットを作っていくことが大切だと考えています。

兼子
①参加者を増やす
ボーイスカウト日本連盟は、一般財団法人から公益財団法人に変わりました。ボーイスカウトに参加していない一般の子どもたちもオープンで参加できるようになりましたが、年々参加者が減っているのが実情です。子どもの考え、保護者の考え、それぞれあるので、学校など教育現場との連携がさらに重要になってくるのだと思います。

②資金面の問題
参加者の自助負担によって成り立っているボランティア団体なので、参加者が減ると資金面での苦労があります。援助してくれるところがあるといいと思っています。

■課題の解決方法、連携など
日詰
それぞれ共通しているのは、女性参加についてですね。保護者の巻き込み方なども含め、女性の巻き込み方でいいアイデアや実践していることなどあればお話いただきたいと思います。

大杉
女性、男性が地域の中でどう活動しているかを考えると、女性はコミュニケーション能力が高く、ご近所づきあいが上手だと感じます。地域活動へのかかわり方のきっかけも、「誰かのためになりたい」という気持ちプラス、ご自身も楽しんでいるのを感じます。そうすると、支援される側も楽しくなります。
活動が入りやすくて楽しい、それが結果として地域のためになっている、そうしたことが、女性に参加してもらうために大事なことではないでしょうか。

兼子
先ほど杉田さんのお話の中で、地域の中で中学生の力が必要というお話がありましたが、奉仕の精神は小学生のうちから様々な活動に参加することで培われていきます。最近では、親御さんの考え方も様々ですので、なかなか難しいと感じています。

杉田
女性の役割として、防災訓練などでは「炊き出し」「応急処置」などが多いですが、実際の現場になれば、様々なことをしなければならないわけで、男性と女性の役割を一度ひっくり返して実施してみることができないか考えています。

また、よく女性向けのワークショップや講座がありますが、そうしたところに男性も参加してもらうことで、共有していくことも大事です。

そして、地区の自主防災の組織の中に、女性に入ってもらうために、たとえば一本釣りだけでなく、行政の委員をされている方などの中から推薦してもらうなどの方式が取れないかと考えています。

実際の災害となれば、一つの避難所には男性リーダー、女性リーダー一名ずつ必要です。女性でなければ聞けないこと、言えないことが必ずあります。そして、それは男性でも同じです。



日詰
後継者の問題については?

大杉
社協で実施している講座など、小学生向けの講座を行うと、必ず保護者の方がついて来たり、送り迎えで会ったりしますので、そういうときには、講座の案内など情報提供をさせてもらっています。
地域活動でも同じことがいえると思うので、10年後の地域の中心になっていく世代に、少しずつ種をまいていくような取り組みが必要だと思います。

兼子
自治会の立場で発言させていただくと、豊田地域(旧豊田地域)では、自治会活動の中で中学生に具体的な役割を持たせることをしています。そして単位自治会に戻ったとき、さらに別の中学生たちを指導してもらっています。あとは学校側との連携ですね。

杉田
防災に関わる研修を受けた方や災害ボランティアコーディネーターなどの研修を受けた人の情報が、自治会には回ってきません。本人の了解を得たうえで、自治会長さんあてに紹介するなど、地域の中で組織として動けるような場づくりも必要です。
研修したことを地域で役立てられる場を作ることが必要です。現状では、誰が研修を受けたのか知らない状態です。
今、われわれは人材台帳を作ろうとしています。もと看護婦さんとか。もちろん、本人の了解を得たうえでの話です。

■まとめとして

日詰
会場から、「公民館活動に参加している女性たちを巻き込む」というご意見も出ましたが、解決策のレパートリーが一つ増えたかなと思いました。

11月22日の長野県北部震度6の地震では、死者が出なかったのは奇跡だと思いました。地域コミュニティがきちんと残っていて、どこにどういう人がいるか、地区の住民がお互いを知っていたことが大きかったですね。改めて、顔の見える関係性が減災にとって重要だと感じました。



まとめに入りますが、一人の人として、お互いを助け合うことを常日頃からトレーニングをし、その中で見つけた課題をどう解決していくか話し合っておくことが重要です。それが、大きなリスクを防ぐことにつながることになっていきます。
「備えを常に」が大事です。明日の防災訓練も同じです。また、最近では災害が送ったときの回復力、復元力、レジリエンス(resilience)が注目されています。そのとき女性の力が大きいと思います。復興の過程の中で女性が果たす役割も大きいはずです。
インドネシアのスマトラ島の地震でも、津波で壊滅的被害を受けた村がどうなったのか調査しているが、復興を遂げていく力になったのが女性たちですし、漁業で生計をたてていた夫を支え、少額金融で小さなお花屋さんをひらくとか、夫の漁業の仕事が復興するまで、妻の仕事に支えられていました。

最後になりますが、男女が一緒になって地域の復興に関わることが大事です。そのベースに地域の自治組織があるわけで、災害が起きたときのためにも、そのとき役に立つ“力”を日頃から養っておく必要があります。
そういう意味でも、磐田市にはいい仕組みがあると実感しました。
本日はありがとうございました。

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【第3回レポート②】減災をめざしたまちづくりに向けて(磐田) - 14/12/29 10:58 (中東遠地域づくりシンポジウム実行委員会)