まち本!の「カヌーで千葉国体に出場」
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カヌーで千葉国体に出場
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2010年07月16日 11:05
夢は、スポーツでみんなを元気にすること
カヌーで千葉国体に出場  野中直美さん(北門)

■負けず嫌いの子どもだった

野中直美さん(27歳)は、4人兄姉の末っ子。子どもの頃から身体を動かすのが大好きで、負けず嫌い。「兄や姉に負けたくない」の一心で、どんなことでも真似して同じようにやろうとした。また、犬の散歩に行けば近所のグランドで一人サッカーのボール蹴り。
「まるで男の子のようで、両親は心配したようです(笑)」



中学の時、市の体験教室で初めてカヌーに乗った。当時、野中さんの住んでいた岡崎市はカヌーの盛んなところだった。他の子がレーシング艇を乗りこなせるのを見て、自分は乗れないことがひどく悔しかった。そのまま岡崎市にいれば、高校でカヌー部に入るつもりだったが、高校入学と同時に地元掛川に戻ることになった。

高校では柔道部に入った。入部の理由は「女子ばかりの部活はいやだな」と「武道の一つもやってみようかな」の二つ。そんなノリのスタートだった。
同学年の女子部員は自分だけ。「男子とは力の差を感じたけれど、だからこそこの相手を引きずりまわしたいと思いました(笑)」
手を抜かれるのは頭にくると野中さん。部活動だけで追いつけない分、竹の丸の柔道場にも通った。「本気を出させてやる~」「なめんなよ~」という気持ちだった、と朗らかに笑う。

どんなことを始めるにしろ、「自分の思う道を進みたい」という気持ちが根本にある。どこまで自分を信じられるか、ただそれだけだと野中さんは語る。

■大学でカヌーと再会

大学は鹿児島の鹿屋体育大学に入学。「スポーツをする人を支える職業につきたい」という想いからだった。
大学に入ってからカヌー部のあることを知った。中学時代、自分がレーシングカヌーに乗れなかった思い出がよみがえる。
「カヌー部があることを知らなくて入学したけれど、目の前にカヌーがあるならやってみようと思いました」
中学時代に感じた悔しさが、カヌーと本気で向き合うきっけかになったと野中さんは振り返る。

野中さんが入部した当初、10人の部員全員が男子だった。ナショナルチームの先輩もいた。顧問の先生からは「みんな日本代表を目指しているのだから、足を引っ張るようなまねはするな。中途半端な気持ちでは困る」と言われた。それでも入りたいと思った。一流の選手の中に身を置くことで、スポーツ選手を身近に感じ、支えることを学びたい、また男子についていくことで自分自身も上達したい、という気持ちがあった。

カヌーの練習では、一人置いていかれることが何度もあった。でも必死でついて行った。男子選手と練習し続けることで、女子選手と対戦するとき自分が速くなっていることに驚いたりもした。「……とはいえ、たったひとりの女子ということで、男子部員にかなり気をつかってもらっていたと思います(笑)」



■スポーツをする人を支える職業につきたい

大学では「体育人」としての基礎として、アスリート論、コーチ学、トレーナー学、栄養学などを学んだ。学校の先生になる道ではなく、スポーツをする人を支える職業につきたいと考えた。
「私自身、スポーツのこと、体育のことをもっと知りたかったし、どこにいても好きなスポーツができる環境を整えたい、という気持ちがあったのだと思います」



好きな学問は「スポーツアナリスト論」だったという。
「科学的に分析するというと、とても難しいことのように感じますが、何でもない数字の積み重ねが、実は自分の身体を実感することにつながります。
例えば、体重を毎日同じ時間、同じ条件で測り続けることで様々なことがわかります。冬に太って、夏痩せるとか、飲んだ翌日は太るとか(笑)。
遅番の翌日には痩せるんですよ。これはどういうことかというと、夕方5時に夕ご飯を食べて、そのあと10時まで働いて、仕事が終わってもそのあと食べない。そうすると、痩せるんです(笑)。
体重に体脂肪や日常生活の条件を乗せていくことで、さらに分析ができます。数値化することで、自分の身体の変化を実感できるんです。そうすると『今日、だるいのはこのせいだな』とわかるようになります。自分の身体のことを実感する感性は、非常に大事だと思います」



■カヌーの魅力とは

現在、野中さんはNPO法人掛川市体育協会、掛川総合スポーツクラブのスタッフとして、またB&G海洋センターの専門インストラクターとして働くかたわら、9月25日から始まる千葉国体で「カヌーワイルドウォーター競技」に出場する。
カヌーワイルドウォーターは、流れの激しい川を一気に漕ぎ下る競技で、一回(または二回)の所要タイムで順位を決める。
「めちゃめちゃコワいけど、激しい流れの中で水を感じるとき、それからゴールしたときの達成感と解放感がたまりません(笑)」



大学時代は、流れのないフラットな水面でスピードを競う「カヌースプリント競技」に出場していた。それぞれの競技にそれぞれの魅力があると野中さんは笑う。

国体に関しては、2007年の秋田以来4年連続の出場だ。
2008年の大分国体では、ワイルドウォーターで13位。
2009年の新潟国体では、ワイルドウォーターで11位。
今年の千葉では、8位以内の入賞を目指す。

「カヌーに乗ると、陸から見るのとは違った風景に出会えます。水から見る景色の美しさ、カヌーに乗ったときの気持ちよさを、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。まだまだマイナーなスポーツだけど、掛川にはカヌーに乗ることのできる環境があります。カヌーが好きな一人として、その環境整備、そして水辺の楽しさや安全教育を伝えていくことが、今の私の役目かなと思うんです(笑)」



野中さんの出場する千葉国体は、2010年9月25日から10月5日の予定で開催される。
http://kokutai-2010chiba.jp/kokutai/


[取材レポート:いいじゃん掛川編集局/河住雅子]

書き込み数は8件です。
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Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2013年01月24日 16:40
野中さん
コメントありがとうございます!
取材させていただいた河住です。

こうして久しぶりに読み返していただいて、「気持ちが少し楽になった」と書いてくださったこと、本当に嬉しかったです。私の方が勇気づけられ、初心に戻ったようでした。

野中さんの負けん気の強そうなまっすぐなまなざし、とっても印象的で今もよく覚えています。(#^.^#)
応援していますよ。
がんばれ~~!
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2013年01月22日 20:36
↑あ、ログインせずにゲストでコメントしてしまいました。
野中本人です。すみません。。。
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2013年01月22日 20:34
2年半近く前の自分の記事を見て、初心を思い出しました。
少しへこたれている今日この頃、少し気持ちが楽になりました。
記事にしてくださったこと、改めて感謝です。

2012年、オリンピックイヤーは、ちゃっかりロンドンまでオリンピックのカヌーレースを見に行ってきました。
生で見るトップレベルのレースは、心を熱くしてくれました。

スポーツの力は偉大です!


今年もマリンスポーツの企画、たくさんしていきます!
多くのみなさんと出会えることを楽しみにしています!
早く夏になれ!!
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2012年06月25日 13:55
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

【初めて読まれる方、改めて読まれる方にご紹介(・▽・)v】

2010年7月ですので、今からそろそろ2年前に書かれたものです。
掛川にこんな素敵な女性がいらっしゃいます♪
今年はオリンピックイヤーというこうことで、オリンピック競技にもある、「カヌー」をがんばっていらっしゃる女性の記事をご紹介します。

今一度読まれてみてはいかがでしょう?

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2011年12月02日 10:19
野中さん、おめでとうございます!!!!!
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2011年12月01日 10:40
10月に開催されたカヌー国際大会で、野中さんがアジア3位になりました!
野中さん、おめでとう!
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2010年11月27日 15:30
鹿屋の後輩のカヌー部です。
直美ちゃんがいたとき、女子は一人でしたが、今では増えて五人になりました。
来年度は一人卒業し、二人入ってきます。
私たち後輩も直美ちゃんに負けないぐらいがんばります。
応援してます。
Re: カヌーで千葉国体に出場
【返信元】 カヌーで千葉国体に出場
2010年10月05日 12:16
千葉国体カヌー競技の結果をお伝えします。

10月01日
成年女子カヌーワイルドウォーター・カヤックシングル(1250m)決勝
静岡県代表の野中直美さんは5分53秒89のタイムを出し、順位は9位。
1位の選手は5分5秒07のタイム。脱艇、棄権する選手もいた。

【カヌー】→【成年女子カヌーワイルドウォーター・カヤックシングル(1250m)】
http://www.kirokukensaku.com/chiba2010/kokutai_index.html

10月04日
成年女子カヌーワイルドウォーター・カヤックシングル(スプリント)決勝
野中さんは17分42秒43で17位。
1位の先週は1分56秒14。

【カヌー】→【成年女子カヌーワイルドウォーター・カヤックシングル(スプリント)】
http://www.kirokukensaku.com/chiba2010/kokutai_index.html

野中さんが水に向き合ったこの時間。
数字でしか表れない結果、でも、この5分、そして17分間の中に込められた想い、葛藤、ドラマはどんなだったろう。
いつか、きちんとお伝えできればと思う。

野中さん、心からお疲れ様でした!


いいじゃん掛川編集局/河住雅子