カケレコ編集部の「「地元掛川生まれのLED!」生産現場へGO! ~三菱電機照明株式会社静岡工場へ~」
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「地元掛川生まれのLED!」生産現場へGO! ~三菱電機照明株式会社静岡工場へ~
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2012年09月25日 09:46
■取材のきっかけは「地元掛川生まれのLED!」

節電への関心が高まる中、従来の蛍光灯に比べ省エネ性能の高い「LED照明」に注目が集まっています。そのような折り、三菱電機製のLED照明は、すべて掛川市にある三菱電機照明株式会社で生産されていることを知りました。

そこで、カケレコ編集部では、実際にLED照明を作られている方々の生の声を聞こうと、掛川市のご協力を得て、三菱電機照明株式会社静岡工場を訪問しました。工場長さん、副工場長さんをはじめ、総勢8名の皆さんが取材に協力してくださいました。

【そもそもLEDってなに?(事前勉強編)】【インタビュー記事編】【取材の様子動画編】の3本立てでご紹介します。



■そもそもLEDってなに?【事前勉強編】

一般消費者の私たちにとって、「長寿命」「低消費電力」でもまだまだ「高価格」というイメージのLED照明。
照明の歴史をさかのぼると、これまでおよそ60年に一度のサイクルで新しい照明技術が誕生しています。1810年代にガス灯、1879年に白熱灯、1938年に蛍光灯。そして次にくるといわれていたのがLED(発光ダイオード)照明でした。

LEDは、電流を流すと発光する半導体素子の一種で、(赤・緑)の種類がありました。(青)だけが発明されていなかったため「光の三原色」が出揃わず、広い用途で使うことができませんでした。
それが、1993年、青色ダイオードが発明されたことで、ようやく白色を含むフルカラーの光を作ることができるようになり、照明への実用化が進められたのです。

震災以降、注目が集まったLED照明ですが、それまで照明事業に参入していなかったメーカーも参入している状況です。しかし三菱電機照明株式会社は、すでに1990年代から研究開発がスタートし、誘導灯や局所照明から、今ではオフィス、店舗、住宅、屋外など幅広い用途のLED照明を開発・生産・販売しています。
そして、それらがすべてが、私たちの暮らす「掛川市」で作られているのです。

■三菱電機照明株式会社 静岡工場の皆さんにインタビュー【インタビュー記事編】

では実際に、消費者の目線で、素朴な疑問をぶつけてみました。
取材にご協力いただいたのは、8名の皆さんです。
生産本部静岡工場工場長 長谷川惠一さん
生産本部静岡工場副工場長 稲垣政志さん
製造管理部製造企画課 舘山佳令さん
工作課資材管理係 鎌田富士子さん
インバータ工作課 溝口和典さん
工作課組立1班 花枝智幸さん
器具技術部器具技術2課 前田哲志さん
工作課板金3班 赤堀匡秀さん



Q.はじめに、三菱電機照明株式会社さんの概要を教えて下さい。

長谷川 もともとは、1973年に設立された菊川照明株式会社(三菱電機の関係会社)が母体となっていて、1989年に三菱電機照明株式会社になりました。従業員は510名、この静岡工場には約300名が働いています。そのうち半数が掛川市在住で、そのほか菊川市や御前崎市や袋井市など、全体の9割が近隣の市町村に住んでいます。
今日、ここにいるメンバーも、ほとんどは掛川市民ですね(笑)。

日々の仕事については、三菱電機照明がこれまで推進してきた「省エネ照明の三菱」「システム照明の三菱」に加え、空間の主人公である「人」をコンセプトの中心に捉えて、「光と空間」「環境」「技術」の調和により、より快適な照明環境を提案しています。



Q.掛川との関わりというと、どんなことがあるのでしょう。

稲垣 「かけがわSTOP温暖化 省エネ推進パートナーシップ協定」を結んだこと、「掛川駅木造駅舎の保存」に伴う寄付をしたことなどがあります。掛川城のライトアップは三菱製のLEDを使っていただいています。今年3月の点灯披露でもご協力させていただきました。

Q.三菱は業界でもいち早くLED照明の事業に着手したと伺いました。ズバリ、三菱製LEDの特徴は?

長谷川 三菱製のLED照明は、国内生産にこだわり、開発・生産を行なっています。全体をトータルコーディネーションしていくことで、品質の高さと安定供給を保っています。
そして、製品としての一番大きな特徴は「LED色度層別実装システム」によって色バラつきのない高品質な光をご提供しているということです。

Q.「LED色度層別実装システム」??? それは何なのでしょう(笑)。

稲垣 LED照明は、非常にたくさんのLED素子を使うのですが、一つ一つの素子の色は微妙に異なっています。一つの照明器具の基準となる色、一様な色と明るさをどうやって作り出していくのかということが、実はものすごく難しいんです。「LED色度層別実装システム」は、こうしたLEDの色や明るさのばらつきを統一するための仕組みです。
三菱製のLED照明は、この「色度層別実装システム」によって、色ばらつきのない高品質なLED照明器具の開発・生産を行っているんです。

Q.ということは、このシステムを導入している三菱製は、光の質が安定しているということなんですね。

長谷川 はい。それが三菱製の特徴であり、自慢でもあります。LEDパッケージは個々の色度のばらつきが大きいので、同じものを仕入れても色合いにばらつきがあります。しかし、この「色度層別実装システム」によって、光の質を安定させ、高品質な製品化を実現できるのです。2012年度は、1,000機種をラインアップする計画です。

Q.そんなにたくさんの機種があると、材料や部品の在庫管理が大変そうですね(笑)。そのあたりは、鎌田さんのお仕事ですね。

鎌田 はい。計画と在庫を照らし合わせて、必要なときに必要な部品がきちんとあるように、徹底的に在庫管理をしています。「在庫は少なく」「回転はスムーズに」ですね。でも中には海外で作っている部品もあり、船で納品するとなると、納期までに数ヶ月かかるものもあるので大変です(笑)。各部署間のミーティングや、情報の共有は欠かせませんね。

Q.三菱LEDの特徴の中に「6万時間の長寿命」とあります。約4万時間が一般的なLED照明の寿命といわれる中で、どうして三菱は1.5倍もの長寿命を実現できたのでしょうか?

前田 LEDは電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、白熱灯に比べると光に含まれる熱の発生が少ないのですが、とはいえ、部品自体は発熱しています。どう熱を逃がすのか、どう放熱するかを考えることが、設計時の大事なポイントです。三菱製品はLEDから発する熱を効率良く放出する放熱設計と回路設計によって、長寿命化を実現しているのです。



Q.素朴な疑問なんですが(笑)、実際、6万時間というのはどうやって測ったんですか?

前田 いえいえ、実際に6万時間計り続けたわけではなくて(笑)、試験結果からの推定値です。ちなみに6万時間というのは、1日10時間使用するとして、10時間×25日×12ヵ月、1年間で3,000時間を指標として試算しました。

Q. 20年間というのは、すごい長持ちですね(笑)。
さて、LEDが「長寿命」「省エネ」の照明だというのはわかったのですが、でもまだまだ「高価格」です。これからもっと、一般消費者にも受け入れてもらうために、どのような企業努力をされているのですか? コスト管理については、館山さんの部署でしょうか(笑)。

舘山 はい、私たち製造管理部製造企画課がコスト計算をする中で、組立費を決めています。実際には、現場が「加工費をいかに安くできるか」など、頑張ってくれています。

花枝 はい、コストに合うよう、日々努力しています(笑)。私の部署は器具の組立を行なっているのですが、例えば手の届く範囲で作業ができるよう工夫するとか、作業効率を高める治具を導入するなど、ロスをなくし、効率を高めるための工夫を常にしています。

溝口 私の部署は電子基板の製造を行なっています。品質を気にかけながら、一台でも多く安くできるように取り組んでいます。先ほどお話しましたように、LEDは色合いにばらつきがあるので、同じLEDパッケージでも見た目が全然違うんです。「色度層別実装システム」を導入したことで、多種ある色を層別に分けることが可能になり、安定した光の質を提供できるようになりましたが、そのかわり、色の種類は数え切れないほど細分化されました。同じ部品でも部品点数がものすごく多いんです。その管理を、日夜、頑張っています。

Q.舘山さんにお尻をたたかれながら、皆さんが日々頑張ってらっしゃる姿が見えるようですね(笑)。さて、設計段階のご苦労などはいかがですか?

前田 光源寿命を伸ばすための放熱設計や、効率のよい電源設計など機能面での設計はもちろんですが、照明というのはあくまで裏方であり、空間にいる「人」が主人公だと私たちは思っています。ですから、その空間にいる「人」が快適に作業できたり、心地良く生活できる照明である、ということを大切に、日々仕事に取り組んでいます。

Q.赤堀さんは地元の高校を卒業されて、今年4月に入社されたばかりですね。先輩たちの言葉を聞いて、いかがですか?

赤堀 私は今、照明器具のもととなる部品の形を作っています。職場の仕事を一つ一つ覚えていきながら、一人でも機械を動かせるようになるよう頑張ります。(先輩たちから「がんばれ~」の声)

Q.ありがとうございました。では最後に、今年10月、照明事業体制を再編されるということですので、そのあたりをご紹介下さい。

長谷川 三菱電機照明株式会社では、照明器具・ランプの製造・開発・販売を一社に統合することになりました。2012年10月1日に、三菱電機照明株式会社、三菱電機オスラム株式会社、オスラム・メルコ株式会社の三社が統合します。これまでの「静岡工場」の名称はなくなり、ここ静岡工場が「掛川南工場」に、エコポリス内のオスラム・メルコ株式会社掛川工場が「掛川北工場」になります。ランプから照明器具まで一環して扱うことで、市場ニーズの対応力を強化し、提案型営業を展開し、これまで以上の連携で開発力を強化していきます。

Q.「掛川北工場」と「掛川南工場」ですか! 「掛川」という名前があちこちで見られるようになるんですね。

長谷川 はい、まさに「掛川」の工場になるんですね(笑)。

Q.では最後に、工場長さんからのメッセージをお願い致します。


【YouTube】工場長さんからのメッセージ


【YouTube】ショールーム見学と取材の風景

■取材を終えて
インタビューにご協力いただきました三菱電機照明株式会社の皆さん、本当にありがとうございました!

取材OKのお返事が来たとき、「世界の三菱」が作るLED照明部門を担う静岡工場の工場長さんほか、総勢8名の皆さんが取材に対応して下さると聞き、スタッフ一同、実はとても緊張していました。でも、皆さん、とてもあたたかな雰囲気で対応して下さり、インタビューの時間はあっという間に過ぎていきました。きっと、普段の職場の雰囲気が、そのまま取材時の雰囲気になったのかもしれません。明るく、和やかで、あたたかな中にも、ものづくりへの真摯なまなざしが感じられた取材となりました。

今回の取材を通じて、LEDの生産現場では、開発部門も製造部門も管理部門も一致団結して、省エネ社会の実現に向け、そして私たち一般生活者がもっと手に取りやすくなるよう、取り組まれていることを知りました。より良い製品を、少しでも安く、提供しようとする皆さんの誠実な姿勢は、日本のものづくりの原点を実感させてくれるものでもありました。
私たちができる節電への努力に加え、こうした皆さんの努力によって、次世代に向けての環境整備が行われているのですね。
それが、私たちの暮らす「掛川」で進んでいることを、私たちはもっと自慢に思ってもいいのかもしれません。
三菱電機照明株式会社静岡工場の皆さん、ありがとうございました!


三菱電機照明株式会社静岡工場にて(掛川市岩滑2346)

取材:河住雅子、北城有紀、藤田哲義
撮影:森茂香里、小川博彦
レポート編集:河住雅子

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