NPOプレゼント講座2012の「【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策」
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【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
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第1回のテーマは「防災」
講師の皆さんの印象的な言葉をレポートします!

(1)ミニレクチャー
「個人と地域の役割を考える」
 御前崎災害支援ネットワーク会長 落合美恵子氏



中越地震でボランティアに行ったとき、「行政の職員も同じ被災者。自分のことは自分で守るという意識がまず必要」ということを実感。それがスタートだった。

まず、個人として考えることは「生きること」「生きる必要性」。
・生きているから逃げられる
・生きているから人を助けられる。家族や知人の心を支えられる(共助)
・生きているから地域全体で知恵を出し合える、避難所でみんなで働くことができる(協働)
そのためにも、日頃から地域のコミュニティに参加することが大切

津波より地震動の対策を
・津波対策(津波タワーや命山等)は生きていてこそ役に立つもの。
・まずは生きるための自助努力を(耐震、ガラスの飛散防止、家具の固定等)。

阪神淡路大震災の映像を見て
・揺れの時間は20秒にも満たない、それであの被害。東海地震、東南海地震では2~3分揺れが続くといわれている。まず自分が寝ている部屋だけでも対策を。

身ひとつで避難する
・枕元に厚底の靴、毛布、ヘルメット、ヘッドライトを用意する
・避難所に行く前に、まず家の周囲の空き地に避難(避難所までに危険もある)

家族との約束を決めておく

避難所の運営は行政がすると思っていませんか?
・指定避難所には行政の職員が1~2名配置されるが、それは職員が全員生きていてケガがないという状態の場合。東日本大震災のとき、大槌町では職員の半分が亡くなった。
・地区の避難所では、町内会長や自主防災会長が中心になる。大きな避難所ほど「誰かがやってくれる」と思っている。そうしたところほど復興が遅れる。

(2)事例報告
事例報告①「山間地における身近な減災活動」
 倉真地区まちづくり委員会(掛川市) 委員長 染葉祐一郎氏



津波対策がクローズアップされているが、山間地でも大きな被害が出ている。
・ため池決壊、土砂くずれ、土石流、道路不通、孤立した集落
・倉真も同じような危険がある

協働で考える「防災検討会」を編成
・地区住民、市民団体、行政。参加者は40名からスタートし、現在60名

南海トラフ巨大地震の想定
・掛川は震度7。発災後6時間をどう乗り越えるか(阪神淡路大震災では、発災後6時間で86%の方が死亡。救助にあたったのは消防でも自衛隊でもなく、家族や近所の人だった)

自助、共助のために家族や隣組で話し合うこと
・話し合うための良いテキストがない→自分たちで「わが家の減災手帳」を作成中
・「わが家の減災手帳」には、自分の身を守る基礎的な知識と対策、家族や隣組の助け合いや約束事などを記録

「減災見える化マップ」
・地区のハザードマップを手書きだけでなく、ホームページ上に掲載し、写真も入れ、情報共有
・どんどん追加できるように作成中
・「減災見える化マップ」は こちらをご覧下さい。
【検索方法】「eコミ 倉真」で検索 →「掛川市お試し-eコミお試しサイト」→倉真防災マップ「マップを開く」

今後のスケジュール
・減災手帳と減災マップを10月中に印刷、地区に配布し、隣組の話し合いに活用していく

事例報告②
「岩手県の災害ボランティア活動から考える」
 御前崎災害支援ネットワーク理事 澤島久美子氏



私の仕事は老人ホームの施設長なので、大槌町のボランティアに行くにあたり、名簿で見つけた老人ホームを訪問。亀まんじゅう200個と新茶のティーパックを持って行った。

実際に行ってみて、同じ介護をする人から現場の話が聞けてよかった。

私の職場は、緊急の場合の福祉避難所になっているが、福祉避難所とは普通の生活がしにくい人を受け入れる避難所。しかし、実際に大槌町に行ってみて、そんなことは言ってられないだろうと思った。ちょうど昨年の台風で停電になったとき、非常用電源がつき、うちの職場だけが夜も明るかった。そういうところには、たぶんたくさんの人が来るだろう。その人たちを追い返すことはできない。地域の人も大事。
なので、今のうちから非常用備蓄の充実を図っている。

遠く離れてできることは、「相手を思っている」ということを発信し続けること。「忘れていないよ」を発信するために、大槌町に今年もまた何かを贈ろうと思っている。

(3)グループワーク
「避難経路と避難所運営について考えよう」
 御前崎災害支援ネットワーク会長 落合美恵子氏

①すぐに非難ができると思っていませんか?
【課題】
自宅から避難所までの経路に、どんな障害物があるか考えてみよう
【出た意見】
倒木、倒壊した家屋、倒れた電柱、電線、液状化、川、橋、ガラスの破片、山崩れ、駐車した車、ブロック塀、道が狭い、火災、津波浸水域



【落合さんからのアドバイス】
・近所のブロック塀が危ないとしても個人では言いにくい。地域で言うために、みんなで課題を出し合うことが大切。

②地図を使って確認してみよう
【課題】
この大須賀市民交流センターから、この地区の避難所である横須賀高校までの避難経路について考えてみよう
【方法】
色分けして地図に記してみる
・道路 [茶]
・川、海 [青]
・山、空き地 [緑]
・避難所 [オレンジ]
・障害物 [赤]
・避難経路 [紫]



【落合さんからのアドバイス】
・自分だけでなく、お年寄りや小さな子どもが避難することも考えてみよう。
・課題を見つることで、個人や地域で改善策を話し合うことができる。行政に声を出して訴えることもできる。
・地域でこうした考える機会を持つことで、「命の道」を地域みんなで考えることができる。

③避難所に行ったら何をする?
【課題】
避難所の運営について、それぞれの担当が何をするのか考えてみよう。
・避難所運営本部は?
・避難者受付班は?
・情報班は?
・食糧、配給班は?
・物資班は?
・衛生班は?
・防犯、防火班は?
・ボランティア受付班は?



【落合さんからのアドバイス】
・うちの公民館は誰が運営するのか考えてみよう。
・一人や二人、担当を決めておくのではなく、地域のみんなが何かの担当になっておくことが大切。
・そして、みんなが手伝えるように訓練をしておくこと。例えば、次回の防災訓練のとき、誰が来たのか実際に名簿を作ってみる。まきと炭で火をおこして炊き出ししてみる。ペットの担当を作ってみるなど。
・今日は、この三つの事例でグループワークしてみたが、これを地域に帰ってぜひ地域の皆さんとやってほしい。みんなを巻き込むことが大切。

書き込み数は4件です。
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Re: 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
【返信元】 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
2012年10月05日 14:17
ふむふむ。と読ませていただきました。

「生きる」
どうしたら、生きていられるか。
もう一度自分の寝ている部屋の対策から見直し、家族とも話し合ってみなければと思いました。

倉真地区の活動も、実際お話を聞かせていただいたことがありますが、「自分たちの手で」自分たちの住む場所のハザードマップを作ることはとても勉強になり、実際自分の役に立つので、大切だと感じました。
他の地域でもこのような地図が「自分たちの手で」作成されていくといいのではないかとも思います。

わが家の減災手帳。私もほしいです。
自分の身を守る基礎的な知識と対策、家族や隣組の助け合いや約束事などを記録してあるとのこと。実際、自分はどれだけ知識があるかと考えた時、ほとんどないことに気づきます。とても気になる手帳です。

自分はどう動けるのか。
実際、地震が起こったときは、気が動転して考えられず、動くこともできなくなるかましれません。
少しでも冷静になれるように、その時のために、普段から、折にふれて、「生き残る」ためにはどうするかを考えておかなければいけないですね。

このレポートは、再度考えるきっかけになりました。
そう思わせてくださるレポートを書いてくださり、ありがとうございました。
Re: 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
【返信元】 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
2012年10月04日 05:41
当講座を運営している者です。
会場準備段階で、落合さんに挨拶をした後、講師の姿が見えなくなってしまった時間がありました。
グループワークになり、その意味が分かりました。
会場周辺の地域の環境を事前チェックしていた時間なのです。
素晴らしい講師です!!!
落合さんの市民目線に感動しました。

さまざまな立場のみなさん!
落合さんのような話し方をしてくださる方も少ないのではないかと思います。
機会がありましたらお願いしてみてはいかがでしょうか。
Re: 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
【返信元】 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
2012年10月02日 21:55
第1回に参加した者です。
第1回レポートを見て、改めて当日の講座の内容を整理することができました。
k住さんのコメントにあった「まず、生きること」、この言葉ほど今回の講座の内容を凝縮したものはありませんでした。
この言葉を胸に地域で出来ることからやっていきたいと思っています。
第2回の「地域資源の活用による元気づくり」では、どんな言葉に凝縮されるのか楽しみです。
Re: 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
【返信元】 【第1回レポート】一人ひとりが考える地域の防災対策
2012年10月02日 10:16
第一回目の講座に参加させていただきました。

「まず、生きること」が大切という落合さんの言葉が印象的でした。
・生きているから逃げられる
・生きているから人を助けられる。家族や知人の心を支えられる
・生きているから地域全体で知恵を出し合える、避難所でみんなで働くことができる

まったくその通りだと思いました。
そのためにできることを、まずやってみます!