連休で天気もいいのに釣りに行かなかった。めずらしいことだ。土曜日には丸一日頑張ったのでやや疲れたというのも理由のひとつだった。
　土曜の午前中は通常通りに診療をやり、１２時に終わって大急ぎで昼食をとって、タクシーで小田急線の駅に行き、新宿に出て、慶応大学病院に行った。「東京脳腫瘍研究会」という会に出席するためだ。この会は１９８１年に東大のある先生と僕とで始め、その先生が１９８５年頃に北大に移ってからは僕が中心になってやってきたものだ。２年ほど前から会の運営を後進に譲って僕は名誉XXにされて、言ってみればご意見番みたいになってしまった。今回が第９６回になるそうだが、僕だけが皆勤である。
　この会に行くと居眠りができない。必ず意見を聞かれるからだ。会ではしっかり発言して、懇親会でもおしゃべりして飲んだ。帰りは会のスポンサーがタクシーチケットをくれたので相模原まで楽に帰れたが、帰ってきたらクタクタに疲れていた。実を言うと、この８年ほどは文献も読んでいないし、勉強をまったくしていない。それでも第一線の連中と互角または優勢の討論ができたのは嬉しかった。
　その影響で日曜はゆっくりと起きた。が、あまりに天気がいいのでドライブを兼ねて相模川を見て回ることにした。
　連休を安近短の相模川で憩う人が多い。川沿いの止水はヘラブナ釣り場になっていて、行ってみると、本流のほうでライズがあったのでついつい釣りをしてしまった。小さなオイカワが２匹釣れたが、それ以上は不思議にも釣れなかった。川をぼんやり見ていたらカワセミが対岸の茂みに消えていった。おそらくそこに巣があるのだろう。釣り終わって後片付けをしていたらユスリカがたくさん飛んでいて、蚊柱を形成していた。
　ハハハ、結局釣りをしてしまったわけだが。久しぶりにのんびりした連休だった。