一冬を生き抜いた
3匹のネコちゃんの生命力の強さに
感動しました。
他の動物たちも飼い主の元に
戻られる事を
祈っています(祈)
岩手日日新聞 2009年6月14日付 朝刊 【1年ぶりわが家に戻る 岩手・宮城内陸地震】 「無事で良かった」“家族”との再会に涙 佐藤さん夫妻の愛猫3匹 2008年6月の岩手・宮城内陸地震で被災した一関市字市野々原の佐藤武明さん(72)方に、震災直後から行方不明になっていた飼い猫3匹が戻った。無事を願っていた佐藤さん夫妻は「よく生きていた」と、大切な“家族”との無事の再会を喜んでいる。 佐藤さんは妻美子さん(75)と二人暮らし。猫はいずれも雄の兄弟で、推定2~2歳6カ月の「チャー」と「チャー坊」、それに「トラ」。3匹は家族同様に仲良く暮らしていたが、震災後行方不明になった。 佐藤さん夫妻は孤立した住宅からヘリコプターで救出され、市立本寺小学校での避難所生活を経て市営住宅に入居。09年5月下旬に、ようやくわが家に戻った。 帰宅までの間、夫妻は一時帰宅のたびに付近を捜し、3匹がいつ帰ってきてもいいように自宅の窓辺に餌や水を置いたほか、冷蔵庫の中の物を全部出して食べられるようにしておいた。それでも3匹は戻らず、一冬を越した。自宅付近は豪雪地帯で、良子さんは「もう駄目かもしれない」とあきらめかけたという。 4月末、一時帰宅した夫妻は裏山で猫の鳴き声を聞いた。名前を呼ぶと、足を引きずり、傷だらけになったチャーが姿を現した。その3週間後にはトラが、 さらにわが家に戻った先月末にはチャー坊が相次いで戻った。 3匹とも最初はうなり声を上げて寄り付かず、抱き上げてもかみ付いたが日ごとに落ち着きを取り戻し、今では餌をねだったり、室内で眠ったりするほど穏やかになったという。 夫の武明さんは「毎日『帰ってこい』と念じていた、無事で良かった」、良子さんは「よく一冬を生き抜いた。うれしくて、涙がポロポロ出た」と共に感激した様子で振り返る。地震直後は被災者が飼っていた猫の多くが行方不明になっているだけに、喜びもひとしおのようだ。 いまだに餌を争うように食べ、時折おびえる3匹の姿に「警戒心がすごい。必死に生き抜いてきた様子が分かる」と佐藤さん夫妻。「地震で動物もすごく傷ついた。わが家に戻ったのだから、今後は自由奔放にしてあげたい」と愛猫に目を細めている。 ○〈読者投稿〉 震度6強、死者12名を出した岩手・宮城内陸地震。我が家は、同じ一関市内でもほとんど被害を受けなかったが、新聞で毎日被害状況を知るにつけ、避難生活を送る地域住民の苦労はいかばかりか・・・と心を痛めていた。また、震災被害者宅のペットの多くが行方不明になったと聞いて、悲しい気持ちでいっぱいだった。復興までに、丸1年。改めて被害の大きさを再確認していたころ、ある新聞記事に目がとまった。なんと、1年ぶりに3匹の飼い猫が家に戻って来たという。驚き、感動、記事を読んで涙が止まらなかった。我家でも10年以上も猫を飼い続けているが、行方不明の猫を心配する佐藤さん夫妻の気持ちが痛いほどわかったし、あきらめていた猫たちが家に戻って来た時の感激も一緒に体感できた。“家族”との再会に涙…愛猫を抱く佐藤さん夫妻の笑顔が、見る人の胸をホッコリとあったかくしてくれるような記事だった。 伊東裕子さん 51歳 岩手県 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |