このシリーズは見た覚えがあります。
でも内容は覚えていません。
おかげさまで少しづつわかってきました。
寂しさなんてのはな、歩いているうちに風が吹き飛ばしてくれらぁ。 第44作『男はつらい 寅次郎の告白』から 1991(平成3)年12月に公開された『寅次郎の告白』は、寅さんのおい・満男(吉岡秀隆)とガールフレンド・及川泉(後藤久美子)の恋を描く「満男シリーズ」の三本目です。 両親が離婚し、水商売をしている母・礼子(夏木マリ)と名古屋に住んでいる泉も高校三年生。就職の面接のために上京。たまたま柴又に帰ってきた寅さんは、さくらたちとともに、寂しい思いをしている泉を本当の家族のように迎えます。 ところが、高卒という理由で、泉の就職はうまく行きません。名古屋に戻った泉は、母の再婚話にも賛同できず、そのまま家出をしてしまいます。 その泉と、鳥取でバッタリ再会するのが、頼もしい「寅おじちゃま」です。二人は、倉吉市の白壁土蔵群にある駄菓子屋のおばあちゃん(杉山とく子)の善意で、一夜の宿を得ます。その夜、泉は、母の再婚への複雑な気持ちを打ち明けます。「祝福してあげなければいかないって、頭では思うんだけどね、心はそうじゃないの」。これは第6作『純情篇』で、寅さんがさくらに話した、頭で分かっているけど、気持ちがついて来てくれない、自己矛盾と同じです。 寅さんは泉の話にじっくり耳を傾けます。寅さんに話すことで、泉の心は少しずつ落ち着いてきます。 母を一人の女性として見ることができないのは「私の心に何かいやらしいものがあるからなのよ」と告白する泉。「偉いなぁ」としみじみうなずく寅さん。こういうとき、寅さんは素晴らしいカウンセラーです。若い満男には、話すことができない葛藤も、おじちゃまなら聞いてくれるのです。 鳥取砂丘まで泉を探しに来た満男と再会し、三人で楽しい旅を続けます。その別れ際、寅さんが泉に母親と仲直りするように言います。「女だから、ときどき寂しくなることもあるんだよ」。 そこで満男が「おじさんは寂しくなることないの?」と聞いたときの答えが、本編のことばです。孤独を知っている寅さんは、自分との付き合い方を心得ています。それをことばで伝えてくれる。やはり頼もしいおじさんです。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |