掛川は県下でも有数の「ため池」を保有している地域です。私の子どもの頃は学校にプールなどなかったので、自宅の近所にあるため池に泳ぎに行ったものです。自宅の周囲だけでも数か所ありました。 (奥山沢そして登り口には牛田モウさんが大勢います)すり鉢状で危険なため池がありましたが、他に気を付けないといけなかったのが「水草」です。 (椀貸池は現在ハスと野鳥のサンクチャリーになっています)遊泳中に水草が足に絡んでもがいているうちに力尽きてしまったという事故もありました。「ジュンサイ」は最も絡まり易かったので要注意でしたが、菱は割と安全でした。(長澤池はブラックバスが放流されることが多いせいか干されていました)その「菱の実」なんですが、塩ゆでするとおいしかったので夏休みには良く採りに行ったものです。 懐かしい“菱の実”を探しにあちこちのため池を回ってきました。そしたら隣り村のため池に菱が群生しているのを発見、大喜びで菱の実を探しました。ところがまだ早すぎて実は生っていませんでしたが、忍者用の「撒き菱」はたくさん浮んでいました。この黒い菱は「できそこないの実」なので軽くて沈まないため、もう芽を出しません。正常な菱の実は晩秋には沼底に沈み、春になって芽を出します。(このように正常な菱の実からは茎が伸びています)忍者たちは実った硬い菱の実を晩秋に収穫し、「忍具」として使うようになりました。忍者の殆どは情報収集が任務だったので長時間身を潜めている時はこれを噛んで中の実を食べます。見つかって追いかけられそうになったらとげに毒を塗った菱を撒いて逃げます。 ちなみにこの水草の葉、或いは実の形が“このような形状=ひし形”をしているから「菱型」の語源となったとも言われています。今日は忍具としての収穫は十分ありました。今後の任務に役立てていきます。英語では菱の実を「water chestnut」=水生の栗と命名されています。また「撒き菱」は英語で“caltrop”と言い第二次大戦中、米軍が敵の軍事車両をパンクさせるために「忍具」をパクって鉄製の大型の撒き菱を作成したとか・・・・?*「いいじゃん掛川市民記者コーナー」にも同じ文面で投稿してあります。