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2017年06月04日(日) 
5月29日(日)
 今日は旅行3日目、この日の夕方には「鱒や」のTさんとユスリカの釣りをすることになっていた。彼は、
〈阿寒湖では5月末~6月初旬の暖かい日の夕方にはユスリカのスーパーハッチが発生して、それに当たると夢のようないい釣りができるんですよ。私も毎年狙っていますが、なかなかいい日に当たらないんですよ。今年は5月29日が良さそうですから、一緒に釣りましょう〉
と言ってくれていた。
 この日の午前中はホテルの部屋でのんびり過ごした。前日までは寒いくらいだったが、この日は朝から晴れて暖かく、風もなく、昼頃には窓ガラスにやや大型のユスリカがたくさん付いていて、期待がふくらんだ。
 午後には阿寒川C&Rに行ったが、駐車場の近くの林でエゾシカを見たくらいで、釣り人が多く、釣れなかった。
 Tさんとは午後4時に待ち合わせて再会を喜び合い、二人でボッケに向かった。ウェーダーを着て数分も歩く暑くなり、汗びっしょりになった。ボッケにはすでに5-6人の釣り人が立ち込んでライズ待ちをしていた。水面には16~18番サイズのユスリカがたくさん浮いていたが、ライズはなかった。
 ボッケのポイントは遠浅であり、西に面しているので、沈む夕日に向かって釣りをする。阿寒湖の水はまだ冷たく、薄暗くなってくると先に来ていた釣り人は〈寒い、寒い〉と言いながら皆帰って行った。Tさんは、
「これからなんですよ。今帰るなんてもったいない」
と言っていた。そして、この日、6時ごろからだったろうか、美しい夕焼けが出た。それは滅多に見られないほど美しい夕焼けであり、鏡のような湖面に夕焼けが映えて、もの凄い迫力であった。そして、ライズが始まり、沖から始まったライズはどんどん近くになっていった。僕は写真を撮るのと釣りをするのに忙しくなった。それ以外のことはどうでもいいことだった。Tさんに聞いて、ティペットは6Xにした。
 つぎつぎにライズを狙ったが、なかなかフライには出ない。はじめはウィング付きのドライフライを使ったが、ちゃんとくわえないので、フローティング・ピューパに変えた。そして、12ヤードほど先のライズの中心にうまくフライが落ちた。だが、出ない。そして次の瞬間その魚は40センチメートルほど手前でまたライズした。僕は竿先をスーッと持ち上げてフライを手前に引いて、ライズの中心まで移動させた。フライはラインに引かれて水面で引き波を立てて、よく見えていた。そして、
「ズバン!」
と水面が割れてフライは水中に消えた!僕の右手は上がり、竿先にはゴンゴンと確かな生命の躍動が伝わっていた。僕は心の底から幸せだった。Tさんが寄ってきて写真をたくさん撮った。僕はジョークを思いついた。
「ウグイじゃなきゃいいけどねえ」
と。Tさんは、なんと言っていいかわからず、目をシロクロさせていたようだ。ネットに入ったのは40センチメートルに少したりないくらいのアメマスだった。メデタシ、メデタシ!
 聞くと、Tさんは2匹掛けたが、ラインブレークで逃げられたそうだ。魚が釣れた後、急に寒さが襲ってきた僕は岸に戻って、一息ついた。しばらくしてTさんも釣りを止め、二人で帰路についた。振り返るとドギツイ色の湖面にはいくつかのライズリングがひろがっていた。
 二人で、おしゃべりしながら、夕焼けの美しさを繰り返して愛でながら帰った。Tさんが、
「今日が今年の阿寒湖のユスリカの釣りの1日目です。当たりましたねえ!岸の木々の上でワーンという羽音が聞こえていましたね」
と言い、僕は
「Tさんの予測が当たったんですよ。運にもめぐまれたし。この釣りに連れてきてくれ、ほんとうにありがとう!」
と感謝した。
 この日の夕焼けは心に深くきざまれ、生涯忘れることはないだろう!!!

閲覧数585 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2017/06/04 23:54
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