今日の午後1時ごろだったろうか、急に雨が降りだした。しだいに土砂降りになっていき、雨音に混じって何か堅い物が屋根に当たる音がした。クリニックの居間の天井(屋根)には明かり取りの天窓があってそこはガラス張りである。そこに雨が当たるとかなり大きな音がするが、今回は雨音に混じってピシッという感じの音があって、雷も鳴っていた。これはおかしい、尋常じゃないと思い、外を見て驚いた。 外はうす暗く、嵐が吹き荒れていた。風が吹き、雹が降っていた。雹の大きい物は1センチメートルほどもあった。風速は15メートル以上で、瞬間的には20メートルくらいあったかもしれない。雨は、例によって、バケツをひっくり返したように降って、クリニック前の道路は川のように雨水が流れていた。 この状態は15~20分ほど続いて、次第におさまっていった。そしてさらに10分もたつと雨風はやんで青空が見えた。興味をおぼえた僕は車に乗って走らせて外気温を見たら23℃になっていた。この日の午前中は晴れて暑かったから34℃ほどはあったろう。この嵐で気温は一気に11℃下がったことになる。 日本国内で、真夏に、平地で雹が降るのを僕は初めて体験した。驚きであった。アメリカならイェローストーンやシルバークリークで何度も嵐雲に出会った。嵐雲が来ると本当に嵐のような状態になり、暗くなって雨や雹が降って、凍えるほど寒いが、20-30分後に嵐雲が通り過ぎると嘘のように元通りの晴れにもどるものだ。今日の嵐は、アメリカで体験した嵐雲の状態とまったく同じだった。 午後3時から午後の診療が始まるのでナースに聞いてみた。すると2-3キロメートル離れた所に住んでいる2人は、この嵐には遭わなかったそうだ。 この数年、限局性の異常気象がよく起きているらしい。今回はその極端な事象が起きたようだ。こんな時に山で釣りをしていたら悲劇である。予測ができないんだから始末が悪い。 |