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第二章 気づかせること 嫌われ役になる理由 チームリーダーとして、若い選手を注意することが多かったが、進んで嫌われ役になりたかった分けではない。 2009年からはコーチ兼任としてプレーしていたが、選手としては同じ立場である。厳しいことを言って嫌われたくないという思いは、もちろん私にもあった。 では、なぜ厳しいことを言い続けてきたか。それはやはり、チームとして勝ちたいからだった。ヤクルトは他球団に比べて、戦力に恵まれているわけではない。そういう状況のなかでは、選手全員が戦力にならないと長いシーズン勝ち進むことはできない。だか … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 上原の図太さと小川の謙虚さ 活躍する選手には、活躍するだけの理由がある。2013年のメジャーリーグはボストン・レッドソックスが優勝した。そのレッドソックスでクローザーを務めたのが上原浩治である。ワールドシリーズの息詰まる熱戦は、大人のみならず子供たちをも夢中にさせたのではないだろうか。 上原とはアテネ五輪でチームメイトになってからの、旧知の仲だ。技術的にも本当に素晴らしいピッチャーなのだが、上原の図太さに舌を巻いたことがあった。彼が巨人時代のある時、スクイズのサインが出たのだが、バットを出すとのを少 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 身だしなみを整える 若い選手には身だしなみについて注意することも多かった。 髪形や服装に厳しかった野村監督の影響もあると思うが、私自身もプリンスホテルでビジネスパーソンとして働いた経験がある。個人的な基準ではあるが、「社会人として通用するか」というのを判断基準にしていた。 ホテルマンを思い出してもらいたいのだが、髪型がオールバックでバチッと決めている方が多いと思う。もちろん、ひげを生やしているホテルマンはいない。服装もそうだが、接客業のプロとして訪れた人に不快な思いをさせないという配慮からだろう。 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 褒めるのは結果ではなくプロセス 実際には若い選手を叱ることが多かった私ではあるが、ときには褒めることも大切にしていた。 最近の若い選手は、以前と比べて自己主張が強い。少しばかり注意しても、反省よりも先に「自分はこう考えていた」「自分はこうしたい」という自分の意見ばかりが先に出てくる。 だが、野球はチームスポーツだ。社会に出てもそうだと思うが、結局は自分の主張を貫き通せるほど甘い世界ではない。 だからこそ、こちらが言ったことができた時には、褒めるようにしていた。叱るばかりでなく、ときには褒めてこそ、 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 直接的、間接的な叱り方 リーダーとして怒らなくてはいけない時には、怒る場所や方法にも工夫が必要だ チームのなかで年齢が上のほうであったり、実績のある選手には、周囲から見えないところで話すよう気をつけていた。その選手のプライドを傷つけないためだ。 2013年は石川雅規がそうだった。前年が8勝11敗、2013年は6勝9敗と負け越した。30歳を越えて、年齢とともに成績が下がったくることは、選手としては避けられないことなのだが、石川はその現実から逃げているように感じていた。 打たれた後、ベンチに戻ってくると … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 若い選手をいかに叱るか 若い選手と接するときには、工夫をしなければいけない。若い世代とどうコミュニケーションしていくか、というのが難しいのは、野球の世界でも同じなのである。 北京五輪での失敗を教訓として生かしたわけではないが、ヤクルトではこちらから積極的にコミュニケーションするように心がけていた。 後輩に自分の方から近寄っていくと、「舐められるのではないか?」「威厳がなくなるのではないか?」という考え方もあると思う。その気持ちはよく分かるが、距離をつくってしまうと、大事な時にコミュニケーションがと … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 若手にいかに声をかけるか そして北京五輪の本選に臨んだものの、準決勝、三位決定戦で敗れ、屈辱的な四位に終わった。予選期間中はコミュニケーションがとれていた若手選手と、溝ができてしまったのが原因だった。 若い選手との接し方は難しい。「監督や先輩が白といったら、黒いものも白く見える」と言われたのは、私たちの世代までだった。最近の若い選手たちは、トップダウンの形式だけではうまくいかない。 メンバーには岩瀬仁紀(中日)、上原浩治(当時巨人)、和田毅(当時ソフトバンク)と2004年のアテネ五輪を経験した選手が … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 緊張していることで注意力が上がる 北京五輪のアジア予選前、アマ近畿選抜との練習試合で、登板予定のない主力選手がベンチで他の選手と、試合とは関係ない雑談をしていた。 私は、「自分の登板がない練習試合でも、代表の試合やろ、それでええんか」と言葉を発していた。野球は、四番バッター、エースばかり集まっても勝てるものではない。チームとしてお互いが結束してひとつになることが大切だ。ひとつになることは、簡単なことではない。キューバのようなチームであれば、代表というだけでまとまることができるかもしれない。日の丸を背 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 緊張感を与える名手、星野監督 アテネ五輪後、長嶋監督は体調を回復させて「今度こそ金メダルを」とメッセージを発せられていた。しかし、体調が完全に戻られるまでには時間が必要なようだった。 メジャーリーグの選手も参加する初めての世界大会となったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には、王監督が就任し、見事世界一の栄冠を手中に収めた。当然、次の北京五輪も王監督にとの声は根強かったが、「球界もいつまでも自分やミスターばかりというのはどうだろう」と、自身は代表監督をその大会限りで退くことを明言した。 そして … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 長嶋監督、王監督の気遣い 2004年のアテネ五輪では長嶋監督、06年のWBCでは王監督、そして08年の北京五輪では星野監督の下で代表に選ばれた。長嶋監督、王監督はそこにいてもらえるだけで選手の身が引き締まる存在だった。 長嶋監督は、福岡での代表合宿の時、最初の全体ミーティングで五輪の歴史、その発祥の地であるアテネがいかに特別の場所か。そして「世界が注目するスポーツの祭典のなかで野球は大変重要な役割が与えられている。だからこそ、このアジア予選には絶対勝ち抜かなければならない」と話された。2,30分続き、長 … [続きを読む] |
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