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第二章 気づかせること 若手にいかに声をかけるか そして北京五輪の本選に臨んだものの、準決勝、三位決定戦で敗れ、屈辱的な四位に終わった。予選期間中はコミュニケーションがとれていた若手選手と、溝ができてしまったのが原因だった。 若い選手との接し方は難しい。「監督や先輩が白といったら、黒いものも白く見える」と言われたのは、私たちの世代までだった。最近の若い選手たちは、トップダウンの形式だけではうまくいかない。 メンバーには岩瀬仁紀(中日)、上原浩治(当時巨人)、和田毅(当時ソフトバンク)と2004年のアテネ五輪を経験した選手が … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 緊張していることで注意力が上がる 北京五輪のアジア予選前、アマ近畿選抜との練習試合で、登板予定のない主力選手がベンチで他の選手と、試合とは関係ない雑談をしていた。 私は、「自分の登板がない練習試合でも、代表の試合やろ、それでええんか」と言葉を発していた。野球は、四番バッター、エースばかり集まっても勝てるものではない。チームとしてお互いが結束してひとつになることが大切だ。ひとつになることは、簡単なことではない。キューバのようなチームであれば、代表というだけでまとまることができるかもしれない。日の丸を背 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 緊張感を与える名手、星野監督 アテネ五輪後、長嶋監督は体調を回復させて「今度こそ金メダルを」とメッセージを発せられていた。しかし、体調が完全に戻られるまでには時間が必要なようだった。 メジャーリーグの選手も参加する初めての世界大会となったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には、王監督が就任し、見事世界一の栄冠を手中に収めた。当然、次の北京五輪も王監督にとの声は根強かったが、「球界もいつまでも自分やミスターばかりというのはどうだろう」と、自身は代表監督をその大会限りで退くことを明言した。 そして … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 長嶋監督、王監督の気遣い 2004年のアテネ五輪では長嶋監督、06年のWBCでは王監督、そして08年の北京五輪では星野監督の下で代表に選ばれた。長嶋監督、王監督はそこにいてもらえるだけで選手の身が引き締まる存在だった。 長嶋監督は、福岡での代表合宿の時、最初の全体ミーティングで五輪の歴史、その発祥の地であるアテネがいかに特別の場所か。そして「世界が注目するスポーツの祭典のなかで野球は大変重要な役割が与えられている。だからこそ、このアジア予選には絶対勝ち抜かなければならない」と話された。2,30分続き、長 … [続きを読む] |
第二章 気づかせること チームのなかでの役割 WBCではイチローがリーダー的な役割を果たしてくれたのは大きかった。ショートには、川崎宗則(当時ソフトバンク)や西岡剛(当時ロッテ、2006年WBCでは主にセカンドを守った)が選出されていた。私は、アテネ五輪の時のように選手としてチームを引っ張るのではなく、裏方としてチームをサポートしていこうと思っていた。 一次リーグが始まっても、もうひとつ緊張感がチーム内から伝わってこなかった。代表チームでは、言いたいことを言える環境が大切だ。お互いに話し合い、各チームでは主力の選手たちが代表にために身を … [続きを読む] |
第二章 気づかせること イチローのリーダーシップ リーダーシップの発揮の仕方は、ひとつではない。そう感じさせてくれたのは、2006年の第一回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で見せた、イチローの姿だった。 初めてのWBCという大会で、日本代表にあのイチローが加わる。王貞治監督はキャプテンを置かない方針だったが、選手全員がイチローの存在を意識していた。大会前には、大リーグで活躍する一人のスーパースターが加わることで、チームのバランスが崩れてしまう可能性さえあった。 最後に補充選手として選ばれた私は、WBCでは完全に裏方に回るつ … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 言葉以上に雄弁なものがある 今でも忘れられない光景がある。アテネ五輪の予選中、ベンチで長嶋茂雄監督が声を嗄らして叫んでいた。三試合ともベンチに座ることなく、大声でワンプレーごとに励ましを送っていた。それも私たちが仲間同士で使う「よし、行こう」といったかけ声を出し続け、最後には声がつぶれてしまっていた。あれだけの人でも、それだけのプレッシャーを感じる。日の丸を着けて戦うということは、それだけ重圧がかかるということだ。 私は、アテネ五輪の予選わずか三試合で、体重が4、5キロも減ってしまっていた。嫁さんに … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 伝えるのはひとつのこと 超マイナス思考人間の私でも、実際に戦う場に投げ込まれれば、覚悟を決めなくてはならない。 リーダーの仕事とは何かを考えていくと、「決めること」と「伝えること」だといえる。どんなチームにも、転機となる瞬間がある。その時に、正しい方向性を伝えることができるかどうかが、チームの分岐点になる。 「アテネ五輪に向けても、ターニングポイントとなった一日があった。アジア野球選手権を前にした日本代表は予選前、前述した最後の壮行試合で若手中心のプロ野球選抜チームに敗れた。勝って気持ち良く予選に臨むはず … [続きを読む] |
第二章 気づかせること 超マイナス思考人間 私が初めてキャプテンに指名されたのは、同志社大学4年の時だった。それまでPL学園でもキャプテンを務めたことなかったし、そいう立場とは無縁な性格だと自分でも思っていた。 当時の野口真一監督から部屋に呼ばれ「きょうからお前がキャプテンだ」と指名された日のことは今でも覚えている。 私は、超マイナス思考の人間である。日常生活でも、プレー中も、まずは最悪の事態を想定してから考え始める。そんな性格の人間が、チームスポーツのキャプテンを務めることができるとは思えなかった。PL学園では、立浪さんや片 … [続きを読む] |
バケツ稲二年目 左側のバケツは冬室内に置いたもの、冬の間、緑色で越冬したヒコバエだったが脇に新しい芽が生まれてくると自分は成長を止め枯れ葉に変身してきたような感じがします。 右側のバケツは、そとで完全に枯れてしまったと思ったものだが、4月の初め枯株の中に青いものを見つけ生命力の強さにびっくりしたものです。細く小さな3本は一月前に種籾を蒔いて芽が出たものです。 一月前、枯れ株のわきから、新しい芽の誕生を見たときは舞い上がった気分になってしまいましたがその後、熱がいっぺんに覚めてしまいましたバケツ稲作2年目はダメです。飽いてしまいまし … [続きを読む] |
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