NPOプレゼント講座2014の「【第3回レポート①】減災をめざしたまちづくりに向けて(磐田)」
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【第3回レポート①】減災をめざしたまちづくりに向けて(磐田)
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中東遠地域づくりシンポジウムin磐田
減災をめざしたまちづくりに向けて

平成26年度第3回目のNPOプレゼント講座は、磐田市での開催。防災、減災への意識が高まる中、市内外から多くの方にご参加いただきました。
減災をめざしたまちづくり・地域づくりへのキーワードとなる言葉がたくさん出ました。講座の様子をレポートします!
【レポート①】※ レポート②はこちら

【1】話題提供
テーマ「子どもたちを守りながら災害を乗り越えるために」

平成26年度磐田市協働のまちづくり提案事業受託
「いわた防災ママプロジェクト」
子どもの健康と環境を考える会代表 鈴木弥栄子氏

今日は、子どもや家族を守るために、防災力と自助意識を高め、地域防災にも役立てるよう、活動を始めたことについて報告させていただきます。

きっかけは、子育て中のママが気楽に参加できる防災講座があったらいいよね、ということでした。仲間とともに意見を出し合った結果、「子どもを守りながら災害を乗り越える力をつける」ことを目的に、事業を実施することになりました。
そのために、今年度の磐田市協働のまちづくり提案事業に、「いわた防災ママプロジェクト」を提案しました。



[プロジェクトの中で行ったこと]
①講座
・報道では届かなかった被災者の声を集めた「ママたちが語る大震災」の朗読
・危機管理課によるミニ講座「被災しても住める家作り」
・現役ママ講師による「ママの目線で考えた家族防災講座」
・磐田市女性防災クラブ連合会会長木村さんによる「ベテランママから学ぶ!子どもを守るテクニック」
・特別講座「災害時にも役立つ日本の食を学ぼう」
②講演会
・環境省認定環境カウンセラーであり、静岡放射能汚染測定室代表で、28年前のチェルノブイリ原発事故の時から放射能と向き合ってきた馬場利子さんを講師に迎え、原子力災害と放射能リスクを減らす暮らし方について学びました。
③仲間づくりを兼ねた「おしゃべり会」

[参加者の声]
・危機感が薄れていたところにカツを入れてもらった感じで、とても勉強になった。
・漠然と不安に感じていたものに対して、どう備えるのか心づもりができて良かった。
・近所付き合いの大切さを実感した。
・他人事ではない。皆がもっと当事者意識を持つことが必要だと思った。
・準備、見直しと防災意識を常に持つことが大事だと改めて感じた。
・女性、母親の視点から必要なもの、方法を学ぶことができ、とても良かった。
・自治会長さんや自主防災会の役員さんと地域のママたちが集まって、一緒に勉強会をしたい。

今後も、ママや女性が地域の防災活動に参加しやすい環境作りを目指して、活動していこうと考えています。今まで、地域防災を一手に担ってくださっていた、自治会や自主防災会の役員の皆様にも、これから、いろいろなことを教えていただき、私たち母親が子どもを守りながら、地域の防災に役立てるようになりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

私たちは、いくら知識を身につけてもママ一人きりでは、子どもを守ることに限界があるということや、お隣さんや地域の人たちとつながり、支え合わなければ、大きな災害を乗り越えることは難しい、ということを学びました。
一口にママと言っても、障がいを抱えた子どもを育てているママや外国人ママなど様々です。いろいろな立場の人と一緒に考え、皆で意見を出し合い、誰もが大切にされる思いやり防災を皆様とともに、磐田市で実現していきたいと思っています。




【2】パネルディスカッション
テーマ「減災をめざしたまちづくりに向けて」

コーディネーター:
静岡大学人文社会科学部教授 日詰一幸氏

パネリスト:
磐田市自治会連合会会長 杉田友司氏
磐田市社会福祉協議会 大杉昌弘氏
ボーイスカウト豊田第2団団員長 兼子孝宏氏


■減災をめざしたまちづくりに向け、どのような活動をしているか
日詰
本日は「減災をめざしたまちづくりに向けて」というテーマで、3名の方にそれぞれのお立場でお話を伺います。
まずは、「今、どんな活動をされているか」「その課題」「課題を解決するため、どのような取り組みや連携をしているか」をお話いただきたいと思います。



杉田
磐田市自治会連合会では、「防災対策アクションプログラム」を実施しています。東日本大震災の後、平成24年6月に、岩手県宮古市、山田町、大槌町を視察し、「“自分の命は自分で守るのだ”と意識することがいかに大事か」を実感し、自助を基点とした計画の必要性を感じたことがはじまりです。
問題点を整理し、20の課題を出し、当初は5つの柱を作りました。現在は、柱を6つにし、自治区だけでなく、市、教育委員会、学校、消防などと連携しながら進めています。



[アクションプログラム 6つの柱]
①「家庭防災の日」の推進により家庭防災力をさらに強化する
②学校カリキュラムによるさらなる防災教育の推進を市へ要請する
③自治会連合会として情報を自ら取りに行く意識を醸成する
④自主防災組織の強化
⑤地域の特性に合った訓練の実施による地域防災力の強化
⑥行政への防災対策要望

また、3月11日を「家庭防災の日」と定め、チェックリスト等を配布しています。

日詰
自治会レベルで「アクションプログラム」を持っているのは、静岡県で唯一、県外でも珍しい取り組みです。

大杉
私たち社会福祉協議会は、地域福祉を推進する民間団体です。役割の一つとして、災害時にボランティアセンターを立ち上げることがあります。被災地では、災害救援ボランティアによる支援活動が大きな力となりますが、そのボランティアの受け入れ、ニーズに合ったマッチングが大きな仕事です。支援を受ける力“受援力”を高めることが、減災に向けたポイントだと考えています。



社会福祉協議会では、平常時からも地域福祉事業を展開して、ボランティア、市民活動の推進を使命としています。住民の活動を支援する中で、地元の関係機関、全国のネットワークを活用して、災害時には支援を受ける窓口になっていくことが大切だと考えます。
実際、東日本大震災のときには、84か所の災害ボランティアセンターが開設され、、117万人を超えるボランティアの支援がありました。
磐田市社会福祉協議会でも、地震や風水害の災害が発生したとき、ボランティアの受け入れ、派遣、被災された方のニーズの把握、コーディネートが大切な仕事になると考えます。
私も山田町に派遣されましたが、被災された方は途方に暮れた状態で相談窓口に見えるわけで、その声をどれだけ受け止め、どこまで寄り添えるかが大切だと思いました。



災害ボランティアセンターの機能として、①受付、②ニーズ、マッチング、③配車、④資機材準備、⑤実際の活動、があります。⑤の「実際の活動」としては、「瓦礫の撤去」「炊き出し」「物資センターの仕分け」「写真戦場」「イベント手伝い」「引っ越し手伝い」などがありました。

災害時に「災害ボランティアセンター」を運営するには、地域の皆さんの支えが必要です。平常時から、地域の中で支え合いを広げ、連携の仕組みを作っていくことが大切だと考えます。そして、いざ災害が起きたとき、市内外や全国からの支援をいかに結集させていくかが、社会福祉協議会の大事な使命なのかなと思います。

日詰
社会福祉協議会は、地味な活動もしていますが、着実に地域福祉を支えています。さらには、災害が起きたときには災害ボランティア支援本部が立ち上がり、いろいろな支援の手がのべられていく拠点であるわけです。

兼子
私たちボーイスカウト静岡県連盟磐田地区の「わんぱくサバイバル」は、1996年から行っています。
スカウト運動には「日々の善行」というスローガンがあり、奉仕の精神の徹底をしています。自然災害が増え、奉仕活動が要求される中、一人でも多くの子どもたちが「奉仕の精神」を持てるよう活動していくのが、我々の役目だと思っています。



ボーイスカウトでは課外でキャンプをしますので、テーマである「72時間を生き延びる」ヒントがたくさんあるわけです。
「ガスや電気がないとき、どうしたらご飯が食べられるか」
「昨日飲んだジュースの空き缶でごはんを炊けないか」
そうしたことを実践で体験させています。
今の子はマッチをすって火をつけることもできない子が多いのが実情です。「わんぱくサバイバル」では、「ロープ結び」「濾過機づくり」「野外料理」など、体験を中心にしたサバイバル実習を行っています。

当初のテーマは「72時間生き延びる」でしたが、平成10年からは「避難所生活」とし、段ボールを使って区割りするなどの実習も行っています。人の手を借りずに生き延びる力を持つことを目標としています。
ただ、自然に対する考え方として、子どもたちは「自然」とか「環境」の言葉は知っていても、本当に理解しているかというと疑問に感じるときもあります。災害は避けては通れないものだとしたら、自然の中でそのときどうするかを教えていかないといけないと感じます。
山に入って雨に降られれば濡れるし、夜になれば暗くなります。そうした当たり前のことを体験させ、実感として受け入れ、ではそのとき自分はどうするかを考えて、できるようにすることが大事です。自然の中で“実際にそういう目に合ってみる”ことが重要だと考えています。

レポート②につづく

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