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チャ茶 新聞記事 07,4,5
【閲覧数】420
2007年06月06日 19:31
510
静岡新聞掲載記事
店じまいに客足絶えず 「O―CHA処チャ茶」 2007/04/05
昨年5月、掛川市中心商店街の空き店舗にオープンしたお茶の情報発信拠点「O―CHA処チャ茶」が3月末に予定した閉店日を越えて営業を続けている。店じまいを知って訪れる遠来の客、なじみの顔が後を絶たず“店主”の小泊重洋さん(67)=元県茶業試験場場長=が若干の延期を決めた。「お茶には人を和ませ、引き付ける力がある」―。専門家の小泊さんにあらためて確信させた11カ月。「チャ茶」で生まれたさまざまな出会いを振り返りつつ、小泊さんは幕引きの日に思いをめぐらせる。
「チャ茶」は小泊さんが代表を務める「掛川お茶なんでも塾」が中町商店街の空き店舗に開いた。国内外のリーフ茶108種を取りそろえ、100円単位の小袋を試飲し、気に入れば大袋で購入―というシステムが基本。小泊さんや常連客が入れるお薦め茶を味わい、小泊さんの妻節子さん(62)の作るお菓子に手を伸ばしながらの団らんが、小泊さんのもたらす多彩なお茶情報とともに熱心なファンを生んだ。
市内成滝の杉山安喜子さん(34)もその1人。初めて訪ねた日からお気に入りの場所となり、ほぼ毎日のように通う時期もあった。「1番大変な時を支えてくれた」。顔なじみがそろうテーブルで、しみじみと感謝を口にした。
昨年10月、和菓子屋を営む父祐一郎さん(69)があんこを練っている最中に倒れた。意識は回復したが、寝たきりの状態が続く。廃業せざるを得なくなり、店を手伝っていた安喜子さんも“失業”した。就職活動とアルバイトの帰りに立ち寄る「チャ茶」でのひとときに、救われた。最後に残った父のお菓子を持ち込み、商品として扱ってもらったこともある。「おとうさんの最後のお菓子。どうしても味わってもらいたかったから」
「一生の宝」という「チャ茶」が閉まる春、自分の人生も違う方向に動き出す。写真館への就職が決まった―と、晴れやかな顔で父のカメラを周囲に向けた。
「チャ茶」の問い合わせは小泊さん[電0537(24)4864]へ。
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