私には、秋になると楽しみな恒例行事があります。

　来年成人式を迎える娘が、中学校のソフトボール部時代の父母会の気のあった夫婦７組を中心に、我が家で催す「山芋会」です。今年で７回目になります。

メンバーには「山芋堀名人」が居て、開催日までに芋を掘って、当日下ごしらえをして、持ってきてくれます。ちなみに今年は１１月２９日でした。

　忘年会や新年会も我が家でやるんですが、「山芋会」のときは、集合時間を少し早めて集合し、女性は台所で鍋、漬け物、薬味、だし汁の準備、男は会場となる座敷でいも汁を完成させます。

　いも汁の完成は、必ず指揮官が居て、兵隊を支持します。

指揮官「俺がすり鉢を押さえているから、しっかり力を入れて擂れぃ」

兵隊Ａ「このぐらいでどうでしょうか？」
指揮官「どれどれ、まだ粘りが足らん。もっと擂れぃ」

指揮官「よーし。そろそろ醤油と卵と味の素を用意しろぉ」
兵隊Ｂ　…　醤油と卵と味の素を適量入れる　…

指揮官「よく混ざるように擂れぃ」
兵隊Ａ　…　再び力を入れてリズミカルに擂る　…

兵隊Ｃ「だし汁の準備ができましたぁ」
指揮官「そろそろいいな。」

指揮官「だし汁をしゃもじにすくい、すり鉢の内壁をつたらせて１杯入
　　　　れろぉ」
兵隊Ｃ　…　だし汁を鉢の内壁をつたらせて１杯入れる　…

指揮官「分離したら一大事だ。擂れぃ」
兵隊Ａ　…　脇目も振らず擂る　…

指揮官「だし汁２杯目壁をつたらせてゆっくり入れろぉ」
兵隊Ｃ　…　２杯目慎重に入れる　…
兵隊Ａ　…　再び擂る　…　　
（以下この繰り返し）

この時すでに仕事がない兵隊Ｄ、Ｅ、Ｆはビールを飲みながらこのやりとりを見守っています。

　私にとって、この「いも汁」を完成させていくひとときが一年のうちで一番楽しい時間といっても過言ではありません。普段の生活での苦しいこと、悲しいことも忘れるくらいです。

　みなさんの中にも、いも汁づくりの「指揮官」いませんか？
　いも汁のおいしい食べ方、ご存じの方は書き込みしてください。