■［シリーズ］掛川がんばる人の輪

自分たちの手で広場をつくる
中山伊太郎さん（大田和）

「がんばる人」が「がんばっていると思う人」を紹介し、その紹介された人が、さらに「がんばっていると思う人」を紹介し……、というように次々に掛川のがんばる人の輪をつなげていくシリーズ「掛川がんばる人の輪」。
第一番目の松井三郎市長から紹介されたのは……。
自らの手で、地域の広場「いいとこ広場」を作った大和田の中山伊太郎さんです！
11月8日（日）、原野谷川の河川敷にあるいいとこ広場で開催された「秋の味覚を楽しむ会」でお話を伺ってきました。

本当に気持ちのよい広場ですね。お一人で広場づくりを始められたと聞きましたが、最初はどんな様子だったんですか？

そりゃあ、ただの草ぼうぼうだよ。放ったからしの荒れ放題の状態でね、本当にぼちぼちと始めていったんだ。草を刈り、草を燃やし、地面を平らにし、2トンダンプで1日2回土を運び入れたんだ。
そのうち一緒にやってくれる仲間もできて、ようやくここまできたよ。



松井市長さんがおっしゃっていたのは、「行政に頼らないで自分たちの手でやり遂げたところがすごいんだ」ということでした。

まあ、補助金がありゃああったで助かるけど、それを待ってちゃ、ちっとも仕事は進まんし、自分でとっとと動いた方が早いでね。ずっと会社員だったけど、退職して時間ができたし、何か地域のために恩返しがしたいと思ったんだ。カミさんの具合が悪いとき、地域のみんなに世話にもなったしなあ。
まあ、自分が動きゃあいいら、と思っただけさ（笑）。平成17年からだから、3年かかってぼちぼち形になってきたな。今年も草を5回刈ったよ。

私は周囲を見渡した。まさかここが、草ぼうぼうで放ったらかしの雑木林だったなんて想像できないほど、河川敷の広場は本当に「広場」になっている。広場は当たり前に平らだけど、平らにするのがどれくらい大変なのか、自分の小さな畑さえ手入れが行き届かない私には、途方もないほど「すごいことだ！」と思えた。
川には丸太の橋が渡してあって、子どもたちがバランスを取りながら行ったり来たりしている。楽しそうな顔。そして、インタビューする中山さんの顔も、笑顔がこぼれていた。

ここで見るホタルがきれいなのだと、市長さんはおっしゃっていましたよ。見上げるほど、たくさんのホタルが舞っていると。

そりゃあ、きれいさ。増やすための努力もいっぱいしたしなあ。原泉には、いいところがほんとにたくさんあるよ。



おととしは「ホタルを楽しむ会」が行われたと聞きましたが。

ああ、250人くらい来てくれたなあ。ほかにも、バーベキューや川開き、鯉のぼりの飾りつけやクリスマス会なんかもやったよ。
そうそう、今年は椎茸のオーナー制度をはじめたんだ。30区画があっという間にいっぱいになった。
今はグランドゴルフ場も整備をしているんだ。砂を買ってね。明日は三笠地区老人会の皆さんが来てくれて、グラウンドゴルフの大会をするんだよ。142名の参加だってよお。



142名ですか！　どんどんいろいろなことができるようになって、「いいとこ」度が上がってきますね（笑）。

今日の「秋の味覚を楽しむ会」も197名だよ。夏のバーベキューの170人より多いんでびっくりしちゃったよ（笑）。地域の人もいれば、以前のイベントに参加してくれた人もいる。椎茸オーナーの人もいるよ。自分のほだ木を見に来てくれているんだ。

　

ほら。あっちで、お千代連の踊りが始まったよ。



大勢の人が飲んだり食べたりしゃべったりしている。地域の人も、そうでない人も。そうして、掛川城主だった山内一豊の妻千代にちなんで付けられた、地元の女性グループの踊りを見ている。さっきは、地元のおじさんが手品の芸を披露していた。軽妙な音楽のリズムに合わせて……。
有名なシンガーもバンドもマジシャンも誰も来ないけど、小さな地域の中の小さな広場には笑顔があふれていた。ローカルなこと、小さなことは素晴らしいな、とふと思った。中山さんがはじめられたこの広場は、なんて大きいんだろうと。

今日は本当にありがとうございました！

いやいや。

そういったあと、中山さんはぽつりとつぶやいた。
「自分の体が動かなくなったとき、なんとか受け継いでやってくれる人が出てきてくれるといいなあ……」

さて、そんな伊太郎さんが次に紹介してくれたのは……。
次回もお楽しみに！

いいとこ広場
http://www4.tokai.or.jp/yoshio-n/

2枚目の写真、伊太郎さんの笑顔が最高ですね！
夏と秋は『いいとこ広場』にいつもおじゃましてます。
漁協の理事もされていて、超多忙なのに
伊太郎さんと話すときは、笑顔が絶えません。
会うたび、こちらも朗らかな気持ちになりますね。