まち本!の「掛川がんばる人の輪[細野厚さん編]」
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掛川がんばる人の輪[細野厚さん編]
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2009年12月28日 11:29
■[シリーズ]掛川がんばる人の輪

果樹園を開園したい!
細野厚さん(大和田)

「がんばる人」が「がんばっていると思う人」を紹介し、その紹介された人が、さらに「がんばっていると思う人」を紹介し……、というように次々に掛川のがんばる人の輪をつなげていくシリーズ「掛川がんばる人の輪」。
大和田の投網名人お二人から紹介されたのは……。
「ほら、あの人がでっかい梨を作っている人だに」
夢に向かって農業を始められ、電気工事業兼業の「あっちゃん農場」細野厚さんを訪ねました。

それにしても、本当に大きな梨ですね~!

「かおり」という品種だよ。直径15センチ、1.3キロくらいあるかな。きめが細かくて、しゃきしゃきと歯ごたえがあるのが特徴だ。糖度は16度くらい、シャーベットにしてもおいしいよ。この梨は、食べる人の好みで食べごろを決められるのがいいね。冷蔵庫で2ヶ月くらいは大丈夫だからね。




電気工事のお仕事をされているんですよね? 梨づくりのきっかけは?

電気工事の仕事は夜も昼もなくてね。二晩くらい寝ないで仕事をすることもしょっちゅうだったんだ。でも、こういう働き方はいつまでもできるもんじゃない。45歳のとき、父親が亡くなったのをきっかけに「果樹園をやろう」と思ったんだ。



どうして果樹園だったんでしょう?

バラエティに富んだ果樹園をやりたいと思ったんだ。この「かおり」は県内ではまだ誰も栽培していなくてね、人のやっていないことをやりたいと思ったからかな(笑)。
荒地を2年かけてきれいにした。そして、1年おいてここに180本の梨の木を植えた。梨は実をつけるまでに6年かかるんだ。去年ようやく実をつけてね。去年は200個から300個くらいできたかな。今年はさらに梨らしくなって、それが本当に嬉しいんだ。今は秋の堆肥を入れている最中だ。正月には剪定だな。
ほら、こっちの枝に2つある。これはいい実になるよ。「いい実になれ」と、祈るような気持ちで受粉させるんだ。



祈るような気持ち……、この果樹園を見ていると、そのときの気持ちが少しわかるような気がしますね。
果物づくりはどんなふうに勉強されたんですか?

磐田市の果樹研究家の指導を受けたり、あと、茨城の農家まで見に行ったりしたなあ。おばちゃんが一人で200個の大きな梨を作っているんだ。
まあ、研究や勉強もしたけど、現場でやっていくうちにわかっていくもんだと感じているよ。まだまだ素人だけどね。
ほら、人と一緒で威勢のいい木もあれば弱い木もある。のんびりしているのもあるしね。植えてみないとわからない。やっていくうちに、だんだんわかるようになる。ようやくここまで来た、という感じだ。



本当に広い梨畑ですね。まわりの景色も素晴らしいくて気持ちがいいですね。

さ来年には観光農園をしたいなあと思っている。この大和田の風景といっしょに楽しんでもらいたい。
ここまで来るのにがんこお金がかかっちゃって……(笑)。まわりからは「そんなに投資をして大丈夫かい」と心配されるけど、まあ、やるしかないね。大和田の、そして掛川の、名物にしたいと思っているんだ。
そうそう。3月20日頃にもう一度、来てごらん。梨の花が満開でとてもきれいだよ。小さな真っ白い花をつける。来年が、本当に楽しみなんだ。



梨のつぼみを愛おしそうに見つめる細野さん。電気工事のお仕事から、まったく違う分野に踏み出して8年。コツコツと手を入れ、目をかけ、荒地は梨畑に変わった。大和田ののんびりした風景の中に、しっくりとなじんでいる。
「祈るような気持ちで受粉させる」と言った細野さんのまなざしが印象的だった。

きっとこんなふうに多くの人の手によって、この里山の風景は守られている。大和田も、その他の地区も。
梨の花が満開の時期に、もう一度、伺います!

さあ、その細野さんが紹介してくれたのは……。
次回もお楽しみに!

※細野さんは、果房が世界一大きいとされるぶどう「ネヘレスコール」の栽培も手がけている。



[取材レポート:河住雅子]


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