フィルムとモノクロにこだわり、進化を続けるフォトグラファー
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2010年07月06日 13:26
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フィルムとモノクロにこだわり、進化を続ける
フォトグラファー 名波桃子さん (大渕) ■フィルムカメラの面白さにハマる 常葉学園大学造形学部卒業の第一期生である。 大学時代、目指すものを絞っていく中でデザイン関連に進み、その中で写真を学ぶ授業があった。それが写真との出会いだった。 ハマった。フィルムカメラは撮ることから始まって写真ができるまで、1から10まですべて自分の手でできる。現像する時間は「よし!」という本気の覚悟がいるし、時間もお金もかかる。でも、暗室にこもり作業をする中で、絵が浮かび上がってくるときのスリル、ドキドキ感がたまらなかった。自分の部屋をリフォームして暗室にしたくらい(笑)。 カメラは父の一眼レフを借りた。私が生まれる前から父が使っていたものだ。父のお下がりは、そのまま現役で私の道具になっている。 ■なぜモノクロの世界にこだわるのか 白と黒の世界はごまかしがきかないから惹かれる。色でごまかせないから、撮りたいものがはっきりしないと撮れない。 モノクロの写真を撮っていたら、目の前の世界が白と黒で見えるようになった(笑)。 撮りたいものに出会ったとき、足が止まる。うずいて、ひたすら撮っている。写真は一瞬を切り取る。その被写体を見て自分の心が動き、自分の心が高ぶったその一瞬を残せるのがいい。 「ちっちゃな文化展」で写真を出展したのをきっかけに、撮るものが「人」に向かっているように思う。一対一で撮るので、とても難しい。心が通い合わないと、いい表情をしてもらえないから。その人と私の間にある何かが取り払われたとき、いいものが撮れるのだと思う。 ■「ちっちゃな文化展」から新たなつながりへ 縁あって遠州横須賀に嫁いできた。「ちっちゃな文化展」は昨年で5回目。 1年目、そこで出会った人たちを撮ったことが人と人のつながりを意識するきっかけになった。2年目以降、前年に撮った人々の写真がその年の出展作品となった。「1年前の自分に会える」がテーマにもなった。 「ちっちゃな文化展」は一般の民家や軒先が会場となる。その場所に行き、その年のテーマを決め、どのように空間を演出するか考える。作品の展示法、見せ方によって、いつも新鮮な視点を与えられるようしたいと心がけている。額もその部屋も、空間のすべてが作品だと思っているから。 昨年は、シルバー塗料を塗った木片に写真を貼り、ドミノのように並べた。3年前は、ホームセンターで買った木を古木に見えるようにバーナーで焼き、やすりで削って仕上げ、額を作った。 「ちっちゃな文化展」だけでなく、レストランやギャラリーなどで展示するとき、作品制作の前に下見をしてイメージをつくっている。 ■フォトグラファーという仕事と、これからの私 写真を通じて、自分らしさを表現したい。自分ではまだよくわからないが、第三者は「あなたらしい」といってくれるようになった。 今、フォトグラファーとしてバリバリに仕事をしているわけではないけれど、私の写真を気に入ってくれて、撮ってほしいと思ってくれた人とのつながりを大切にする、そうした仕事のスタイルを取っている。つながりは、私の写真の大きなテーマでもある。写真を媒体に、つながっていくことが私の写真だ。 これからも、「つながり」を大切にできることをしていきたい。 それは写真だけでなく、絵を描いたり、造形をしたり、空間の中で何かを創り上げていくことなのだと思う。インスタレーション(空間表現)をやっていきたいし、それは私の場合「空間の中でつながっていく」と言い換えることができるかもしれない。 私の写真を「こんなふうに見てほしい」というのはない。受け取り方は様々でいい。自由に読み取ってほしいし、私の表現からどんどん想像してほしい。それが逆に、私の刺激にもなる。私では思いつかなかったことだから。 そうしてすべてはつながっていく。そうした「つながり」を大事にして、今後も頑張っていきます。 momoconanami スローライフ http://ameblo.jp/momoco73/ [取材レポート:いいじゃん掛川編集局/河住雅子] |
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Re: フィルムとモノクロにこだわり、進化を続けるフォトグラファー
【返信元】 フィルムとモノクロにこだわり、進化を続けるフォトグラファー
2010年07月07日 04:05
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一ファンです。
私は最早自分で現像・プリント設備を持ちませんが、銀塩モノクロの世界に少しだけ足を残しております。名波さんのような作品はとても撮れませんが。 今後のご活躍に期待いたします。 |
Re: フィルムとモノクロにこだわり、進化を続けるフォトグラファー
【返信元】 フィルムとモノクロにこだわり、進化を続けるフォトグラファー
2010年07月07日 01:08
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作品を楽しみにしています。
これからも、心にかんじた瞬間、見せてください。 |
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