「がんばる人」が「がんばっていると思う人」を紹介し、その紹介された人がさらに「がんばっていると思う人」を紹介し……、というように次々に掛川のがんばる人の輪をつなげていくシリーズ「掛川がんばる人の輪」。
学習塾「名学館掛川校」を運営する松下一徳さんに紹介されたのは、ガンダムの模型(ガンプラ)づくりに凝っている斉藤久晴さんです!
ガンダムにハマる。ものづくり産業の底力! ~斉藤久晴(さいとう ひさはる)さん (駅前)~ガンダムのプラモデルを「ガンプラ」というそうですね(笑)。1980年にガンプラが誕生して30年。東静岡駅に等身大のガンダムが展示されたり、世間はガンダムで盛り上がっていますね。オタクのように思われてきたガンダムやプラモデルづくりですが、東静岡のホビーフェアが好評だったり、ガンダム芸人の土田晃が出てきたり、だんだん市民権を得てきたなあと感じますね(笑)。
斎藤さんは38歳。なぜ「ガンプラ」にハマったのか(笑)、お聞かせ下さい。小学校2年生のとき、プラモデル好きの友だちがいて、「じゃあ、僕も作ってみようかな」というのが始まりです。当時は模型づくりの得意な子は、一目置かれていましたからね。
大人になるにつれ離れていったのですが、12年ほど前、「大人向けに1万円のプラモデルが発売された!」と新聞だったか雑誌だったかの記事で読み、興味がわきました。子どもの時には300円のプラモデルさえ、おこづかいを貯めないと買えなかったけれど、その時は働いていたし、結婚もしていなかったので、ある程度、自由にお金が使えたんです(笑)。それで、25年ぶりに作ってみました。

驚きました。「今のプラモデルって、こんなにすごいの!」と。60分の1スケールでしたが、30年のあいだの日本のものづくりの技術の進化はすごいと思いました。
例えば、30年前、ガンダムの頭の部分は2つのパーツでできていて、それをパチッと組み合わせるだけでしたが、今は頭だけでも20以上のパーツを組み合わせるんです。複雑な形が表現でき、繊細な動きもできるようになりました。パッケージもブルーの背景にアルファベットのロゴだけが書かれ、カッコよかった~。バンダイの企業努力だと思います。大人の心理をきっちりつかんで、自分はそれにまんまとハマってしまったんだと思いますね(笑)。
プラモデルづくりの楽しさって、何なのでしょう?模型づくりって、パーツを削って隙間を埋めて、精巧に作るのが醍醐味って人もいれば、作って並べておくのが好きな人もいる。動かして遊ぶことに面白さを感じる人もいます。僕の場合は、何も考えずに作る時間、そのプロセスが好なんです。たくさんのパーツがありますから、一つ一つ組み立てて、出来上がったときにはけっこうな達成感があります。「こう楽しめ」と言われないで、自由に楽しめるのがプラモデルづくりの面白さなのかもしれません。
ガンダムのプラモデルは、接着剤を使わなくても、パーツ同士を合わせるだけで簡単に組み立てられるということですが…。そうなんです! ガンプラのすごいところは、設計図を見れば誰でも作れるところにあるんです。接着剤を付けたり、パーツをはずす前に色を塗ったりしなくていいので、器用な人でなくても楽しめるんです。パッと作って動かして楽しむのも良し、精巧に作って自分なりにアレンジするも良し、僕のように作る時間を楽しむのも良し。簡単だからこそ、いろいろな楽しみ方を選択できる、そんな面白さがあるんです。
日々、プラモデルづくりをされているんですか?いえいえ(笑)。僕の場合、空いている少しの時間を見つけてちょこちょこやっている程度です。半年くらいやらないときもあれば、毎日やるときもある。お酒を飲んだり、車を洗ったりするのと同じように、楽しみの一つとしてプラモデルづくりがあるという感じですね。
ご家族の反応は(笑)?娘が2人なので、あまり興味を示さないですね。奥さんも呆れているし(笑)。家族で東静岡にガンダムを見に行きましたが、上の子(9歳)など、「もう、お父さんにはつきあいたくない」と(笑)。
僕はJC(掛川青年会議所)の会員なのですが、JCの活動を通じて、また自分の子どもを見て、子どもの遊び方が変わったなあと感じます。特に男の子。出来上がったもので遊ぶので、壊れたとき、もう捨てるしかなくなっている。
でも、プラモデルづくりは自分で作ることを楽しめて、作ったあとも遊べて、もし壊れても自分で直そうとすることができます。設計図を見ながら出来上がりを想像したり、自分なりにアレンジもできるから、創造性を養うのにもいいと思うんですけどね。プラモデルづくりにハマる言い訳かな(笑)。
斉藤さんは、普段はどんなお仕事をされているんですか?環境関連商品の販売、施工、取り付け等をしている商社をやっています。エコ給湯や太陽光発電の提案や販売ですね。工場への人材派遣も行っています。
掛川という土地は、日本のものづくり産業を支える工場がたくさんありますが、日本の基幹産業を支える人材を送り出す仕事もしています。
掛川、そして静岡県はものづくり産業のまちでもあるんですねよ。ええ。プラモデルにしても、バンダイやタミヤの工場が静岡にあり、全国の9割が静岡で作られているといわれています。世界的に見ても、日本のプラモデルは精度が高く、世界に誇れる産業なんです。そうしたものづくりを支えるのが、そして次の世代の人材となるのが、きっとプラモデルを作る子どもたちなんですよ(笑)。
とにかく、大人も子どもも楽しめます! プラモデルの箱を開けてびっくりすると思いますよ。
自由に自分なりの楽しみ方ができるプラモデルづくりの面白さを、飲み会の席とか、ヘンな目で見られないで、もっと普通に話ができるようになるといいなあと思いますね(笑)。

取材レポート:いいじゃん掛川編集局/河住雅子