まち本!の「雑貨屋さんという仕事 ~松浦さやかさん(高御所・アンジュール)~」
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雑貨屋さんという仕事 ~松浦さやかさん(高御所・アンジュール)~
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2010年10月21日 09:26
雑貨屋さんという仕事
雑貨屋アンジュール 松浦さやかさん(高御所)

「雑貨屋さんになりたい」
「自宅でお店を開きたい」
そうした夢を持つ女性は多い。
しかし実際には、「資金面の問題」「店舗を見つけられない」「ノウハウを知らない」「踏み出す勇気がない」といった理由から、店をオープンするまでに至らない人が多いのも現実だ。
高御所で「雑貨屋アンジュール」を経営する松浦さやかさんは、2000年に自宅兼雑貨屋をスタートさせ11年目を迎える。
雑貨屋のこと、好きなものに対する想いなどを語っていただいた。

■最初はカフェ、そしてこだわりの雑貨屋へ

高校生の頃から喫茶店をやりたいと思っていました。でも、だからといって喫茶店さんでアルバイトをするとか、資金を貯めるとか、起業に向けての勉強をするとか、そうした積極的な動きは全然してこなかったんです(笑)。
そんな「のんびりした夢」が実現に向けて動き出したのは、結婚して家を建てると決まったとき。
「家を建てるなら、絶対、家の一角に自分の店がある家にしたい!」
強くそう思い、主張したんです。

最初はカフェのイメージでした。小さなカフェの一角に、好きな器を飾っておけるスペースもあるといいな~、という感じ。でも実際、コーヒーの仕入れ方も器の仕入れ方も全然知らない。まったくこわいもの知らずだったと思います(笑)。

オープン当初は、自分がなんとかできる予算で商品を集めました。たしか10万円くらいだったかな。主婦の私にしてみれば、10万円の買い物は「たくさん買い込んだ!」気分。でも、実際店に並べてみると「え? これだけ?」ってくらい少ないんです。
でもまあ、とにかくやってみようと。その後は、少し売れたら少し仕入れ……の繰り返しです。たくさん仕入れられないから、好きなモノをこだわって選びました。今も決して「豊富な品揃え」とは言えませんが、自分では「雑貨屋さんらしくなってきたな~」と思います(笑)。




■好きなものを、集めるのが好き

私はパンが好きで、器が好きなんです。パンでいえば、自分で作るのが好き、お取り寄せも好き、買い物に行くのも好き。
でもあるとき、その中で買い物に行くのが一番好きなんだと気づいたんです。自分のイメージ通りのものを探すのが好きなんだなあと。

例えば、300店舗が出店するクラフトフェアがあったとします。300ブースあるうち、全部見て回って好みのブースは5店舗くらい。ときにはゼロのことも。意外と自分にピッタリ合うものを探すのは大変なんです。
逆に見つけられたときの嬉しさは宝物を見つけた気分!
そんな具合に窯元に行き、ピッタリのものが見つかったときは嬉しくて……。すっかりハマりました(笑)。
それから器の買い付けが楽しくなり、雑貨のスペースが大きくなっていったんです。



■情報発信は素直がいちばん

1999年12月に家を建て、2000年5月がオープンです。子どもたちにお金がかかるようになり、「のんきに趣味でやってる場合ではなく、本気でやりたいな」と思い始めた矢先、3人目を妊娠していることに気づきました(笑)。
とはいえ、そのぼちぼち進んでいた時期に、ホームページの作成を覚えたり情報収集ができたと思っています。

2004年頃、ちょうどブログでの情報発信が一般的になりつつある頃ですが、器のネット販売を始めました。
面白いのは、お店として公(おおやけ)の情報を出すんだというプレッシャーから固い文章だった頃はアクセス数が伸びなかったのが、自分らしく気楽に素直に書けばいいんだと切り替えてからアクセス数が増えてきたこと。アクセス数の増加と比例して、浜松や藤枝からも買いに来てくれる人が増えました。
ブログを読んでくれている方は、私の好みも知っていて、出会ったとたん共感している者同士の「本音の話!」ができるのが面白いと思いました。インターネットの力ですね。

■つながりが、つながりを生んでくれる

雑貨屋さんは優雅に見えるかもしれないけれど、実際、かなりハードです(笑)。うちは水木金の昼間だけの営業ですが、土日も含めてずっと仕事をしている感じ。でも、それを苦にしない自分がいる。夜中まで仕事をしても苦痛じゃない自分がいる。「私、この仕事、好きかも」と気づきました。

今度で8回目を迎えるコトコト市は、目の前のこと、与えられたこと、出会ったことを大切にしているうちにつながった感じです。自分の意志とは関係なく、どんどん動き出しているのを感じます。
もともと私は、「組織に勤められない」と思っていたからこそ一人でお店を始めたのですが、決して一人でやっているのではないのだと、5年目くらいでようやく気づきしました(笑)。一人だからこそ、いろんな人とのつながりで成り立っているのだと。



■雑貨屋さんを目指す人に

「雑貨屋をやりたい」「カフェをやりたい」という人がいたら、「やってほしい~」と勧めています(笑)。やってみた先にどんな世界が広がっているかわからないし、やってみなくちゃ、自分ができるかどうかもわからない。
ただ、収入の面だけでやりたいというならやめた方がいいかも。普通にパートで稼いだ方が稼げます(笑)。

私の場合、30代の何にも知らない「こわいもの知らず」だったからできたのかもしれません。何かをしようとアクションを起こしたわけではなく、そのときの想い、勢い、タイミングを大切にしたらこうなったという感じですね。資金を集めて、事業計画書を書くとか、そんなふうに段階を踏んでいくタイプではないから(笑)。

こうして思い返してみると、かなり無鉄砲ですね。だから、できたのかも(笑)。


原田晴子 フリーボウル

晴子さんの器は独特な色合いが大好き。

石川哲夫 耐熱鍋

インスタントラーメンを作ってそのまま食卓に。
実用的でいて、オシャレです。

加藤かずみ リム付のお皿
 
磁器なのに陶器のように味があるうつわ。
さらさらの質感と透明感のある乳白色が魅力。



雑貨屋アンジュール
掛川市高御所1198-1
[OPEN] 水・木・金曜 10時30分~16時30分 月1回土曜 10時~17時

「店長の雑記帳」
http://unjour.motto-egao.com/


第8回コトコト市
日時 10月31日(日) 雨天決行 10時~15時
会場 法多山(袋井市)
http://kotokotoichi.blog91.fc2.com/

取材レポート:いいじゃん掛川編集局/河住雅子

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Re: 雑貨屋さんという仕事 ~松浦さやかさん(高御所・アンジュール)~
【返信元】 雑貨屋さんという仕事 ~松浦さやかさん(高御所・アンジュール)~
2010年10月21日 12:21
雑貨屋さんはもちろんですが、同じ触手をもった人たちがさやかさんの元に吸い寄せられている感じがします。
お客さんがいないときでも、その気配がうかがえるところが彼女の店のすごさですね。

小鷹長者