掛川がんばる人の輪[海野倫世さん編] 【閲覧数】892
2011年04月08日 14:29
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「がんばる人」が「がんばっていると思う人」を紹介し、その紹介された人がさらに「がんばっている人」を紹介し……、というように次々に掛川のがんばる人の輪をつなげていくシリーズ「掛川がんばる人の輪」。前回のがんばる人、ブライダルハウス「カレン」代表取締役の林敏史さんから紹介されたのは、美容室「スタジオJOY」の海野倫世さんです!
10年後の自分をイメージして、今日できる事と明日の事だけ考える 海野倫世(うんの みちよ)さん (有限会社スタジオジョイ 取締役) ■美容師への道 私が職業を選ぼうとした時代、「女の子は高校を卒業したら地元の金融機関などに入り、何年かして結婚退職するのがステータス」ともいえる時代でした。私自身、商業高校に通っていて、両親も「銀行などの固い職業につくこと」を望んでいました。 でも、簿記をやっても燃えないわけです(笑)。貸借対照表とか小切手の切り方とか、つまらない(笑)。「1+1」が絶対「2」でなければいけない世界は、自分流のスパイスを入れる余地がありません。とはいえ、その一方でピタッと合ったときの気持ちよさや、マイナスがプラスに転じる面白さも感じていました。数字の裏側の世界、経過の部分を知りたいという想いがあったのかもしれません。それでいて、自分の色が付けられる世界は何だろうと。 調べたり考えたりするうちに、自分の興味がデザインや料理など「イメージしたり」「作ったり」する仕事に向いていることに気づきました。その中で「美容師」の仕事に興味を持ち、両親を説得して「半年間だけ」という期限付きで美容師の世界に飛び込むことになりました。 ![]() 当時、静岡で一番厳しいといわれていた徒弟制度の美容室に住み込みで働き始めました。すると、三か月くらいで手が荒れ、爪がとれ、それこそ怪獣のような手になってしまいました。 それでも、仕事はとても面白かった。まだシャンプーしかさせてもらえなかったけれど、お客さまに「あなたのシャンプーは気持ちがいい」と言ってもらえることがものすごく嬉しくて……。私が触った人が喜んでくれる。それはかけがえのない喜びでした。もっと喜んでもらいたい、そのための努力は惜しまない、そう思うようになりました。 とはいえ、あまりに手の状態がひどくて、美容室から実家に「これでは使い物にならないから、娘さんを引き取りに来て下さい」と連絡がいったんです。 ■23歳で起業。自分でやるしかないという想い 静岡の美容院をやめ、東京の病院でまず手の治療に専念しました。でも、少し良くなるとやりたくなるわけです(笑)。それで、アルバイトをしながら美容学校に行き、横浜の美容院に就職しながら自分がこれからどうするのか考えました。 起業を考えたのは、いくつかのサロンで働く中で「美容師の仕事は好きだけど、美容室の経営には納得できないものがある」と、自分なりに感じていたからです。どんぶり勘定というか、そういう部分が嫌で……(笑)。 その頃、静岡の実家が藤枝に越しました。両親は何とか新居に落ち着かせたいらしく、私も藤枝での生活を決心し、就職先を探すことになりました。どうせ知らない土地です。履歴書を持って、思い切って金谷の峠をはじめて越え、掛川に来てみました。いくつかの店を見て回ったとき、ある骨組みの店舗が気になり、そこの2階の窓から外を見た時、「あ、この風景、見たことある!」と瞬間的に思いました。デジャブですね。「私はこの風景を見ながら働くのだ」と運命みたいなものを感じたのです。でもそこは骨組みだけの店舗、誰かが立ち上げなければなりません。で、そのとき持っていた2千円を手付金で渡して(笑)、お金を借りに銀行に行きました。かなりの時間、座り込んで粘りました(笑)。23歳、ただ情熱があるだけの小娘でしたね。 ![]() その店ではいろいろな苦労をしました。商業高校で学んだ「数字」の裏側の世界を突き付けられたような7年間でもありました。そのときの苦労、そして住み込み時代の苦労があったから、今があるのだともいえますね。 そうそう、住み込みをしていたとき、当番制ではじめてお料理をするようになったわけです。親元にいて甘えていましたから、お米のとぎかたも、水に戻すとワカメが増えることも知らなくて、「なべごとワカメ~!」なんてこともありました。ちなみに今は、わりと料理は得意なんですよ(笑)。 本当に、その頃があったから「今」があるんですね。 ■キーワードは「感謝」と「前向き」 肴町での7年間が過ぎ、16年前に下垂木に店を移しました。ぎりぎりの移転だったため、とにかく安くと、事務所仕立てに鏡といすを置いたようなスタートでした。3年後、5年後と、少しずつ床を張り替えたり、家具を変えたりしていきましたが、付けたし付けたしで、だんだんバランスが悪くなり、ごちゃごちゃな印象の店になっていたので、思い切って全面リフォームをすることにしました。 リニューアルオープンは3月17日(金)、キーワードは「感謝」と「前向き」です。肴町の店の頃からずっと来てくれるお客さまもいらっしゃいますし、そうした方たちに支えられて今があるわけですから、お客さまが綺麗になるために来る場所は、やっぱり綺麗でありたいと思いました。そして、「感謝」をこめて、綺麗に年齢を重ねるお客さまに「前向き」な気持ちになっていただけるよう、お店自身も綺麗にしようと……。「大人のシンデレラ城」のような、高級感のある落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりしていただきたいと思っています。「私、この美容室に行っているのよ」と胸を張ってもらえると嬉しいですね。 ![]() 店のリフォームとともに考えているのは、スタッフと一緒に「おもてなしの心」を追求するということです。私たちはプロなのだから、美容師としての技術があるのは当たり前で、それ以上のプラスアルファの付加価値をお客さまに感じていただきたいと思っています。 ![]() とはいえ、人はどんなにやりたいことがあっても、みんな同じ365日しかありません。朝、気持ちよく起きて、今日やるべきことを一生懸命やって、10年後の自分をイメージして明日のことを考える。それだけで十分なのかなとも思っています。ずっと危なっかしく生きてきたから、今は少し落ち着いて行動しなくちゃいけないのかもしれません(笑)。走ろうとすると、周囲が止めてくれるようにもなりましたしね(笑)。 大切なこの空間を、共感できる仲間とともに、何が大事かを伝えながらみんなで守り、今日そして明日を生きていきたいと思います。 スタジオJOY http://www.studiojoy.jp/index.html 取材レポート:いいじゃん掛川編集局/河住雅子 |
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