まち本!の「子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~」
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子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~
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2011年08月09日 09:22
子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む
~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~

くるみ幼稚園の絵画講師として、長年、子どもたちと接してきた渋垂秀夫さん。
1995年、阪神淡路大震災が起こったとき、子どもたちに遊びの場を提供しようと、リュックに造形素材を詰め込んで現地に向かった。そこで感じたのは、子どもたちが欲しているものは「もの」ではなく「心地よい空間」だということだった。
そこから、渋垂さんの「心地よい空間」づくりが始まった。
1997年、掛川市千羽の里山に「Agora子ども美術工場」を開設。現在も、子どもたちの創造力を自由に広げられる「場」を展開中だ。
「このせわしない時代の中で、子どもたちを育むスピードをもっと緩やかにしたいなあと思っていました。ゆったりとした空間、時間の中で、枠にははめ込むことなく、伸び伸びと創造性を広げてほしい。ここが、そんな場になればと思っています」



取材に伺ったのは8月はじめ。
だまっていると、セミの鳴き声だけが聞こえる。その日、Agora子ども美術工場に来ていたのは、高校生が3人。みんな黙々と自分の作品に向き合っている。
「ここは変化がないようで、すごい変化があるところ。何もないのに実はある。ものすごく刺激的。こうした場所で、一日一日積み重ねていくような実感の中で、一人ひとりのペースで自分の中から生まれるものを創り出してほしいと思いました。枠にはめるものもなく、しがらみもない。いろいろな実験もできる。この空間で自由に創造性を広げてほしいですね」



真っ白なキャンパスに向かい、何かを描きはじめようとしてる女生徒。「学校や家で描くのとは違う?」の質問に、「ここは一人になれる。集中できるから」との返事。周囲にほかの生徒がいようと、それぞれが自分の世界に入り込んでいけるのだろうと感じる。



ここには15年間の蓄積がそのままある。
「これらは、子どもたちがアイデアをピンナップしたもの。ここでは『設計図』と呼んでいます。ファイルにしてしまい込まないで、こうやって重ねていっているんです」



「これは、ここでいちばん危ない道具『電動糸のこ』です。小学校1年生のとき、一緒についてやり方を教えます。そのときの『こわい』という感覚を大切にしています。『こわい』というと、『カッコ悪い』『弱虫』というイメージがありますが、私はこの『こわい』という感覚が、人間が生き抜き、創造性が生まれるものになっていると思うのです。歴史も文化も、そうやって生まれてきた……。ここでは『こわいことは決してカッコ悪くはないんだよ。それはあなたの大事な感覚だよ』と教えています」



このAgora子ども美術工場は、年間を通じたプログラムも用意しているが、自分の中で生まれてきたものがあればそれを優先して作品制作に取り組んでいるという。現在、静岡から磐田、3歳から18歳までの子どもたちがここに通う。

そして今回、「“KAMEの翼”プロジェクト」として、若者のはばたきを支援する10年プロジェクトをスタートさせた。2020年までに1000人の大人たちが10人の若い創造者のはばたきを支えるプロジェクトで、中原浩大氏や日比野克彦氏も選考などに関わっている。
そのプレイベントとして、Agoraの子どもたちとゆかりのある若い制作者の作品を見ることができる。
ちょうどこの日、土井由紀子さんと大塚朝子さんが作品の制作中だった。
そして、石巻、女川の被災地に入り、1ヶ月にわたりボランティア活動をした原田俊太郎さんも、期間中に展示する写真展の準備をしていた。彼はロボット工学を学ぶ若者だ。





「Agora子ども美術工場のこと、“KAMEの翼”プロジェクトに興味のある方は、ぜひこの機会にここを訪れていただければと思います」と渋垂さん。
「創造する力」を身近に感じた取材となった。



■Agora子ども美術工場''
http://web.thn.jp/agora/

■Agoraの子どもたち / 2010.01~''
http://agora-sibu.blogspot.com/

■“KAMEの翼”プロジェクト公式ブログ''
http://kamenotsubasa.blogspot.com/

【プレイベントスケジュール】
8月12日(金)~8月28日(日)原田俊太郎“Golden Slumbers”女川・石巻の100日後 11時~19時
8月13日(土)高橋、土井、大塚、原田の公開フリートーキング 13時~15時(定員50名)
8月14日(日)サポーター・制作者交流会/"テラコッタ制作会10時~16時(材料、焼成代1000円)
9月1日(木)~9月30日(金)作品展示 11時~19時


【お問い合わせ】
Agora子ども美術工場
〒436-0008 掛川市千羽1679 
TEL 0537-27-1428
E-mail  agoraart@thn.ne.jp

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Re: 子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~
【返信元】 子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~
2012年08月06日 13:27
先日アゴラキャンプに参加しました。子供は、大喜びです。旅行いっているより楽しいと。。。また、参加している子供もいきいきしてました。
ずっと続けて欲しいです。。
Re: 子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~
【返信元】 子どもたちの創造性を「里山空間」でゆったり育む ~渋垂秀夫さん(Agora 子ども美術工場)~
2011年12月09日 16:01
高齢者生きがい活動拠点事業事務局 桑野です。  (たまり~な)

連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。

24年度の予定に組み込まれておりますので、どうぞよろしくお願いします。