『その伍・報刻のルール』 さてそれぞれの時刻はどのように呼んでいたのでしょうか?
「延喜式」「陰陽寮」の記載からみると、古くは12支名だけで表わしていたようです。
「子の刻」と言えば、現在の真夜中の0時を中心とした2時間(23時~1時)を表し、順次丑、寅、卯・・・と進み、午の刻と言えば現在の昼12時を中心とした2時間でした。
江戸時代には、これら12支と合わせて九つ・八ツ・七ツ・六ツ・五ツ・四ツ、と数字による呼び方が普及して来ました。
数字呼称はこの6つしかなかったので、昼と夜にそれぞれ同じ時刻数字が当てられました。
この6つの数字が、報刻の打刻回数の基本ともなります。
ではなぜ9つから始まるのでしょうか?
陰陽道では奇数を陽数(縁起の良い数字)、偶数を陰数と呼んで忌み嫌っていました。
その陽数の最大である9を尊重して、これを夜の真ん中(子の刻)と日中の真ん中(正午)に当て、順次その倍数の十の位を省略して打って行きました。
9×1=9 →9回
9×2=18 →8回
9×3=27 →7回
9×4=36 →6回
9×5=45 →5回
9×6=54 →4回
即ち打刻回数は減ったように見えますが、実際は幸運な数字は増えて行くのです。
これらを下の表に整理してみました。
| 呼び方 | 時刻(午前) | 打刻回数 | 呼び方 | 時刻(午後) | 打刻回数 |
| 子(9ツ) | 0時 | 9回 | 午(9ツ) | 12時 | 9回 |
| 丑(8ツ) | 2時 | 8回 | 未(8ツ) | 14時 | 8回 |
| 寅(7ツ) | 4時 | 7回 | 申(7ツ) | 16時 | 7回 |
| 卯(6ツ) | 6時 | 6回 | 酉(6ツ) | 18時 | 6回 |
| 辰(5ツ) | 8時 | 5回 | 戌(5ツ) | 20時 | 5回 |
| 巳(4ツ) | 10時 | 4回 | 亥(4ツ) | 22時 | 4回 |
これらの打刻をする前に「捨て打ち」をしました、「今から叩くぞ!」という予令です。
例えば江戸に近い地域では「ドーン・・ドン・ドン」(3回)、関西の予令はたった一つだったとも言われています。
江戸城では“明け六ツの太鼓”で大門が開き、“暮れ六つの太鼓”で閉じるという決まりがありましたが、地方によってそのルールは異なるようです。
『次回へ続く!』