市民記者コーナーの「天浜線の登録文化財(その三)」
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天浜線の登録文化財(その三)
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2011年11月28日 11:49
今日のご紹介は、"天竜二俣駅"と関連施設の合計10件です。

天竜浜名湖鉄道の路線は、掛川駅から浜名湖の北部を通り東海道本線新所原駅までの67.7kmを結んでいますが、天竜二俣駅は、掛川駅から15駅目、26.2kmの位置にあり、旧国鉄二俣線時代からも中心駅でしたから、ここに今回、国登録有形文化財に指定された関連施設がたくさんあります。

今日ご紹介する十の施設のうち最初は、「天竜二俣駅の本屋およびプラットホーム」等の3件です。

駅舎「本屋」はこれまで紹介してきた桜木駅などと同様に、木造平屋建て、切妻づくりの様相からなり、待合室は広く天井は船底天井と呼ばれる解放感漂う高い天井です。そして上りと下りのプラットホームおよびそれぞれのホームの上屋がともに指定されていますが、上下ともほぼ同じつくりでした。

(左から天竜二俣駅本屋、上りホーム、下りホーム、中央から見た両ホーム)

次は、文化財の中でも注目の"転車台"で。駅の東100mほどの所に位置し、むかし、蒸気機関車の進行方向を転換させるために設置されたもの。鉄製で直径18m。転車台は、蒸気機関車が走っていたころは、掛川駅、天竜二俣駅、金指駅及び豊橋駅で使用されていましたが、現在はここだけ。車両に乗り転車台を回転させる体験イベントが時々開催されています。

(転車台に入る車両、回転中の転車台、運転席から見た転車台)

続いての注目は"扇型車庫"です。木造平屋建ての鉄板スレート葺きの屋根。転車台を利用して狭い場所に多くの車両を収容できます。以前は6両分ありましたが、現在は4両収容の車庫となっていて、中で車両の保守点検もできる。木造で、転車台と共に現役で使用されているのは非常に珍しいという。


(扇型車庫全景、車両が入庫の風景、車庫内の様子。)

このほかに5件の登録文化財がありますが、蒸気機関車時代に使用されたいたものが多く、①高架貯水槽。②揚水機室。③井戸。④運転区浴場および⑤運転区事務室(建物)で、①~③は、蒸気機関車への水の補給が主な役割と思われます。④の浴場では機関士等が、機関車の吐く石炭で汚れた体を洗い流したのでしょうか。5件目は木造2階建ての運転区の事務室でした。2階も広く70周年のイベントでも一般に開放されていました。(撮影できなかった①~③の施設の画像は天浜線の資料をコピーしました。)

(高架水槽、揚水機室、井戸、浴場、運転区事務室)


以上10件が本社のある天竜二俣駅関連の登録文化財です。
二俣線が開通したのが、昭和15年6月。この時の駅名は、「遠江二俣」でした。
そして今、1日74本軍転され、列車走行距離は1日で述べ3,152kmに及ぶという天浜線です。文化財を見ながらローカル鉄道の旅をしてみませんか。
(一部、天竜浜名湖鉄道の資料による専門用語が含まれています)

取材・撮影 市民記者(by Ann)〔23〕

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