eじゃん郷土新聞の「2月のいいじゃん掛川編集局コーナー【まちの元気はみんなの元気の積み重ね〈7〉】」
「2月のいいじゃん掛川編集局コーナー【まちの元気はみんなの元気の積み重ね〈7〉】」の書込一覧です。
新着返信
返信がありません
QRコード
2月のいいじゃん掛川編集局コーナー【まちの元気はみんなの元気の積み重ね〈7〉】
【閲覧数】706
2012年04月09日 10:49
平成23年8月から郷土新聞上で、いいじゃん掛川編集局と連携した「eじゃん掛川コーナー」が始まりました。
郷土新聞に掲載した記事をそのまま紹介します。

【2012年2月10日号】
まちの元気はみんなの元気の積み重ね〈7〉
文化財を身近に感じるとき


市の有形文化財と聞くと、自分とは関係ないものという印象がありませんか? 歴史や文化に興味のある人、建築好きな人、観光に訪れる人が見に行くところというイメージがあり、私自身、自分の暮らすまちの文化財を特に身近に感じることはありませんでした。ところが、掛川市竹の丸に足を運ぶようになって、その意識が一変しました。
竹の丸は、掛川城下で葛布問屋「松屋」を営んでいた松本家の屋敷跡です。ここで年末恒例の「大掃除イベント」があるのですが、大掃除をイベントにしてしまうのが面白いなあと思い、取材も兼ねて参加したのが3年前。それ以降、このイベントが毎年の楽しみになりました。
大掃除では、庭を掃く人、廊下を雑巾がけする人、茶がらで畳掃除をする人、新聞紙を使って窓拭きをする人など、たくさんの人が関わります。手を動かしていると、パタパタと立ち働く人の気配が屋敷中に満ちてきて、私はそのとき葛布問屋の女中さんになったような気持ちになりました。自分とはかけ離れた存在だった明治36年築の木造建築が、暮らしのすぐそばに感じられた瞬間でした。
先人たちが残してくれた文化財。文化とは人の暮らしや営みそのものだとしたら、大切に保存することプラス、関わり、手にふれ、身近に感じることも、文化財を守り育てることなのかもしれません。そうした機会を創ることは、管理する側にとってはとても気を遣う大変なことです。でもあえて「市民みんなできれいにしようよ」とイベントに仕立てるところに、心意気のようなものを感じ、これこそ「市民団体が文化財を指定管理すること」の意味の一つなのではと思ったのです。
文化財との関わり方は人さまざま。でも、先人たちの残してくれたものを身近に感じる時間や空間が暮らしのすぐ隣にあることは、なんだかとても心豊かになるものです。(河住雅子)


返信書き込みはありません。