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2011年11月11日 11:36
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平成19年度民具展 天然ニガリで豆腐をつくろう
8月25日に『天然ニガリで豆腐をつくろう』と題して行われた民具展の様子です。大須賀歴史民俗資料館の近くの海岸で取った海水からニガリをつくり、昔のミキサーである石臼で豆腐づくりをしました。 豆腐は大豆からできる豆乳を煮詰め、ニガリを混ぜることで豆乳が固まりだします。そこで今回は豆乳はもとより、塩とニガリができることを勉強しました。 ニガリは塩の製塩過程で発生します。そこで1から作るのは時間が掛かるためパワーポインターで塩およびニガリができる過程を説明しました。 ![]() ▲民具展の様子 日本では、人が生きていくために必要なミネラル分である塩分を、そのほとんどを海水から作っています。 塩辛い海水、でも塩分は3%程度しか含まれていません。これでは1リットルの海水から塩は30グラム程度しか取れず、時間や燃料が多く消費されてしまいます。 そこで、いったん濃い塩水(鹹水(かんすい))を作ってから、煮詰めて水分を飛ばす効率的な製塩方法に昔から知恵を働かせてきました。 今回は下図のように布を垂らし、布に海水が伝わって落ちる過程で水分を蒸発させる方法で、鹹水を作りあげました。 (参考:塩づくりとくらし【大竹 三郎著】・しずおかの文化86号) ![]() ▲鹹水の作り方 鹹水を煮詰めると、塩がしだいに結晶化してきます。さらに余分な水分を飛ばし、最後ドロドロになるまで煮詰めて塩を集めます。 この状態ではベタベタで食卓に並ぶ食塩とは別物ですので、布袋等で集めて塩に付いた水分を落とします。 この時、出てくる水分がニガリ(苦汁)です。舐めてみると文字通り苦いです^^; ![]() ▲豆腐作り1 さて、ここから本格的に豆腐づくりにかかります。作業は案内にしたがい作りました。一晩水につけ、水を吸収し枝豆の形になった大豆を細かく磨り潰します。ミキサーを使えば一瞬で終わる作業ですが、これは『民具展』ですので昔のミキサーである「石臼」を使いました。 小学生二人がかりでも、なかなか回らず、保護者の手を借りてもやっとでした。小学生のお母さん世代でも石臼を見たことがあるかたは珍しいらしく、石臼の重さに驚いていました。 ちなみに写真の石臼の隙間から見える泡状のものが、磨り潰された大豆(生呉)になります。 ![]() ▲豆腐作り2 吹きこぼれなどに注意しながらゆっくり混ぜながら、生呉をほんのり甘い香りがするまで、煮立てます。煮た呉を絞り袋に移し、豆乳を絞り出します。この時が大変熱く火傷の注意が必要です。この時は軍手をし、さらにビニール手袋をしましたが、熱くてなかなか絞りきれませんでした。 ただし、熱いうちに絞らないと豆乳はでませんので小学生のみなさんには精一杯がんばってもらいました。 ![]() ▲豆腐作り3 豆乳を絞り出したら、早速煮詰めます。みんなが持ってるのは温度計。豆乳を固めるニガリを入れるタイミングは温度です。 熱くては早く固まり過ぎてボソボソで硬い豆腐ができ、低くては固まらずビチョビチョの豆腐になってしまいます。 ここでは80度してから、火を止めゆっくりとかき混ぜながらニガリを加えていきました。 ![]() ▲豆腐作り4 どろっと固まりだした豆乳を、木綿を敷いた穴を開けた器にこぼします。そして重しをのせ、固まった豆乳から水をぬきます。この豆腐を押し固める過程で木綿で包み、木綿の模様がつくから木綿豆腐なんです。 ※ちなみに絹ごしは絹で包んでいるわけじゃありません。 後片付けをしながら、30分程度水抜きを続け豆腐が固まったら、豆腐についたニガリを抜くため水にさらします。写真は器から水へ移す緊張の一瞬です。 ![]() ▲豆腐作り5 見事完成♪ うっすら木綿の模様が豆腐に残り、初めてにしては上々のできあがりです。市販の豆腐のような真四角には出来ませんが、味は濃厚でニガリにより甘味も際だちました。 この豆腐は晩ご飯で召し上がってくれたみたいです。 ![]() ▲豆腐の完成 湯豆腐、すき焼き、おみそ汁、冷や奴などなど日本食には身近な豆腐。でも作り方といったら、わからない人も多いでしょう。今回、地元の海水からニガリを1から作っていく過程を学びました。 小学生の皆さんには、昔のミキサーである石臼の体験などを通して一味違った豆腐づくりを勉強していただきました。 豆腐の作り方H19 minguten.pdf |
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