農業特派員情報の「有害鳥獣対策のお勉強」
「有害鳥獣対策のお勉強」の書込一覧です。
有害鳥獣対策のお勉強
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2008年12月01日 17:33
日本農業新聞に掲載された、有害鳥獣対策について掲載します。
著者プロフィル
江口祐輔(えぐち ゆうすけ) 1969年、神奈川県生まれ。
麻布大学大学院卒
農水省中国農業試験場(現・近畿中国四国農業研究センター)の研究員、麻布大講師などを経て現職。

書き込み数は17件です。
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Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年03月19日 16:46
【鳥獣被害対策研究集会】
3月13日に平成20年度静岡県鳥獣被害対策研究集会が、藤枝エミナースで県内の市町村、JA、住民を対象に開催されました。
①情勢報告「静岡県における農作物鳥獣被害対策の取り組み」講師:県農林業局農業振興室職員
②事例報告「島根県美郷町の獣害対策と資源化の取り組み」講師:島根県邑智郡美郷町職員
③事例報告「青空サロンから人が変わる、地域が変わる」講師:島根県美郷町吾郷地域婦人会婦人会長
④事例報告「有害鳥獣と地域振興の両立を目指して」講師:長野県大鹿村観光協会会長
と4つの事例について講義を受け、情報情報交換を行った。
 ・獣害被害に悩む市町村はどこも、捕獲について猟友会だのみが多いこと。
・猟友会だのみだけでなく、自分の農地は自分で守ることを本気で考えなければ、対策にはならないこと。
・美郷町は猟友会だのみでなく、住民駆除隊を組織し有害鳥獣を資源化したこと。
・住民駆除隊を組織したことで、住民が結束して畑を守り、販売施設(青空サロン)までできてしまったこと。
・有害鳥獣を逆手に取って、ジビエ料理として売り出したこと。
獣害被害に悩まされる当市にとっても、とても参考になった集会でした。
この中で獣害被害対策の資料も配付され(JA静岡中央会作成)、今後の地元での勉強会にも役立ちます。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年03月13日 10:40
Terpsipphoneさん、投稿ありがとうございます。
一概に野生動物ばかりが悪いわけではないこと、自然を理解し、生活から見直すことが対策の第一歩だと思います。
耕作放棄した田畑や山林に手を入れ、荒れなくすることが、生物の生息環境を守り災害を防いでいます。
周りに迷惑をかけないよう、自分の所有する土地はしっかり管理しましょう。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年03月13日 08:19
野生鳥獣の被害防止に対して、具体的な方法を提示されていて参考になります。野生鳥獣の被害は、しいて言えば私たちの人間の生活が招いて部分もあるので、「どちらが悪い」論にならずに有効な対策を採ってゆくことが大切だと思います。
ハクビシンについては、江戸・明治期には確実な記録は無いので比較的新しい時期に日本に入ってきた外来生物とされています。
八高山には、1990年代からすでに鹿のカワハギの痕はありましたので、一般の人の目に触れるようになったのでしたら、個体数が増えているのですね。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年03月12日 12:24
【ハクビシン】
先日農家から、「ハクビシンが出てきて困る。何か良い対策は無いか。」と聞かれた。
こんな記事を見つけたので、参考にしてほしい。
 なお、ハクビシンは前足をかけて登って行くため、イノシシと同様に電柵で対応できる。
電柵の下線をちょっと低めの地上15cm程度に張り、通り道に邪魔になり前足をかけるように結線すると効果がある。
駅南の森林果樹公園(担当:都市整備課公園緑地係21-1150)でも実施しており、実際に効果を上げている。
結線の仕方についても実地に見学できるので、是非施設をご利用ください。

余談ですが・・・
昔話のぶんぶくちゃまが(分福茶釜)は狸が主人公です。しかし、狸は高いところも、まして綱渡りもできません。
しかし、ハクビシン(白鼻芯)は木登りもできるし綱渡りもします。
もともとハクビシンは日本には生息せず、かなり昔に外来種として日本に入ったそうです。どのくらい前かは定かではありませんが、外来生物種に登録されていないので相当の昔ってことですよね。
ですから、その昔、ぶんぶくちゃまがの作者は狸とハクビシンを見間違えたという説があります。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年01月16日 11:18
【シカ 第2回(1/13)】
 農水省は「野生鳥獣被害防止マニュアル」を発行し、その内容をホームページにも載せる。対策として、被害防除と個体数管理、生息地管理を総合的に進める必要性を強調している。
▽被害防除
 被害防除では、野生鳥獣を農地に「侵入させない」「近づけない」「追い払う」ことが重要であり、シカでは防護柵の設置が最も一般的だ。防護柵の仕様は、すでに紹介されたイノシシの場合と基本的に同じ。シカは2㍍近い障害物を越えることができる上、柵に対して潜り込もうとするので、十分に下止めすることが重要になる。柵に返しをつけることも有効だ。
 ネット柵は、目合い15㌢ではネットにシカが絡まって柵が壊れてしまう恐れがあるため、目合いは10㌢以下にすることが望ましい。
▽個体数管理
 シカの繁殖は一夫多妻型であるため、雄を捕獲しても繁殖率に影響しない。個体数を管理するためには雌ジカを重点的に捕獲することが重要だ。大規模な越冬群ができる北日本では、誘導柵を設けて大最捕獲をしている例もある。
▽生息地管理
 シカを無用に誘引せず、シカが増える温床を放置しないことが重要になる。イノシシで紹介したように、畑に収穫残さ(くず野菜)を残したり、山際に捨てたりしないことのほか、稲刈り後の「ひこばえ」を生やさないことなども有効だ。集落から離れた牧草地もシカの餌場となり、栄養価の高い牧草はシカがさらに増える温床ともなるため、防護柵で囲う必要がある。
(この項おわり)
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年01月16日 11:05
【シカ 第1回(1/6)】
 被書面積が鳥獣害の中で最も大きいシカ。被害は農業だけでなく森林にまで及ぶため、広範な対策が必要だ。シカの生態と有効な対策について、森林総合研究所野生動物研究領域長の小泉透さんに解説してもらう。
     ◇
 2007年度のシカによる農作物被害面積は3万5000㌶、被害金額は46億8000万円(農水省調べ)。被害金額はイノシシに及ばないが、被害面積ではイノシシの2.5倍だ。
 シカは、イノシシや猿と異なり、主な生息場所である森林にも大きな被害をもたらしている。植栽されて5年程度の若い造林地では、杉やヒノキの枝や葉が金べられて「盆栽」のようになり、15年生を過ぎた林では採食や雄ジカの角こすりにより樹皮がはがされ、傷口から侵入した腐朽菌による材質の劣化が問題となっている。
 被害は自然林や国立公園などの自然保護区へも拡大している。北海道東部ではシカの好むハルニレやオヒョウが急激に減少。栃木県日光市では高山植物のシラネアオイがシカの採食で一時、絶滅にひんした。同様の問題は、南アルプスの標高2000㍍を超える高山帯でも起きている。東京都の奥多摩地域では林床植生が消失し、水源涵養(かんよう)林の一部で大規模な斜面崩壊が発生している。
 シカ害は産業振興上の妨げというだけではなく、国土保全や水資源の確保という点でも対対策が要る。山頂から山ろくに至る一体的な管理は、神奈川県丹沢地域など具体的事例は限られているが、これからのシカ管理に必要な考え方だ。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2009年01月16日 10:03
【シカの害】
先日、黒俣在住のSさんが来庁してくれた。
要件は、地元の人から「黒俣の奥山沢から白光山への林道沿いの木に、熊が引っ掻いたような傷があるから、調べてほしい。見てきたところ、シカが皮を剥いだ跡だった。」とのことだった。
いよいよシカも始まったか、という思いで気が重くなる。
そうしたところ、こんな記事を見つけたので、情報提供しようと思う。

日本農業新聞に掲載された、有害鳥獣対策について掲載します。
著者プロフィル
小泉透(こいずみ とおる)1957年、宮城県生まれ。
北海道大学大学院農学研究科博士後期課程修了。
森林総研関西支所主任研究員、同九州支所鳥獣研究室長を経て現職。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月24日 10:11
【イノシシ 第6回(12/23)】
 イノシシがサツマイモやドングリを食べることはよく知られているが、「草」を食べることはあまり知られていない。場所によっては、冬の食物のほとんどが牧草ということもある。牧草は消化しやすく、栄養価が高いので、餌の乏しい冬にはイノシシにとって良質の餌となる。
 イタリアンライグラスの牧草地で調べたところ、冬は牧草地全体の6割、春先は4割がイノシシに食べられていた。冬でも青々としている牧草地はイノシシの格好の餌場と化す。
だが、牧草地全体を一様に食害するので、農家にとって食べられていることか分かりにくく、被害を見過ごしてしまうこともある。
 そこで、イノシシか草を食べられないように、小さな囲いを置くだけで被害の有無を簡単に確認できる。もし被害を確認した場合は、電気柵などで牧草地を囲うことが必要だ。
 耕作放棄地を管理する目的で牛の放牧が各地で行われているが、冬も放牧を続けるために牧草を導入する地域がある。しかし、何の対策もせずに牧草を導入するということは、集落にイノシシの冬の餌場を作ることになりかねない。
 その結果、集落に来るイノシシの数が増えれば、ほかの農作物への被害も深刻化する。イノシシの農地侵入抑制効果を期待して耕作放棄地に牛を放す場合には、牧草の導入はむしろ逆効果になる可能性がある。もし牧草を導入するなら、きちんと電気柵で囲ってイノシシの餌場にしないことが大事だ。
(農研機構・近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム主任研究員・上田弘則)
これでこの項は終了です。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月16日 17:17
【イノシシ 第5回(12/16)】
<地域で総合的対策を>
 イノシシの駆除は、これまでに述べてきた対策のサポートと考えるべきだ。駆除だけに頼って被害を防ぐのは難しく、駆除数の増加が農作物被害量の減少に反映されていない。被害を減らすことが目的であれば、駆除頭数を増やすのではなく、被害を引き起こす個体を駆除すればいい。
 この方法では、被害痕跡から加害個体の状況(頭数、幼齢個体の有無など)を把握した上で、捕獲する必要がある。
そのため、きめ細かい対応が必要になるが、山奥のイノシシ100頭よりも畑に出てくる10頭を捕獲する方が被害を減らせる。

有害駆除は、比較的田畑や集落に近いところで行うことになるので、人身事故を起こす可能性のある手負いのイノシシをつくらないために、箱わなによる捕獲が適している。猟犬や銃器を用いる場台は、イノシシを山奥へ追い上げる形で駆除する必要がある。
 イノシシの雄は単独で生活し、雌は数頭の雌とその子どもからなる群れで生活する。したがって箱わなやおりで雌1頭だけを捕獲した場、周囲で見ていた群れの仲間が捕獲方法を学習してしまうので注意が必要だ。
 これまで述べてきたように、イノシシが集落に侵入しにくい環境を整備することが防護柵の効果を長持ちさせる。
 そして効果的に田畑を囲うことが、腹をすかせたイノシシを捕獲おりに誘導する最高の手助けになる。イノシシの行動を考え、駆除だけに頼らず、地域で総台的な対策に取り組む必要がある。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月10日 12:03
【イノシシ 第4回(12/9)】
<「がいし(碍子)」柱の外側に>
前回に続き、イノシシの行動を考慮に入れ、田畑を囲う対策を紹介する。
①電気柵設置のポイント
電気柵は幾つかの”約東事”を守った時に、初めて効果が発揮される。イノシシは体毛のある部位で電気柵に触れても、ほとんどショックを感じない。このため敏感な鼻先に触れさせる必要がある。体格を考慮すると、電線を地面から20㌢間隔で2段か3段張るのが正しい。
凹凸の地面では、一定間隔で支柱を設置すると所々にイノシシが通り抜けられる大きなすき間ができる。このため、電線を常に地面から同じ高さにすることを最優先にして支柱を追加する。
また、支柱と電線を結び付けるがいしける「がいし」が内側(作物側)に向けて設置してあると、イノシシは電線に全く触れることなく支柱を押し倒すことが可能だ。
がいしを外側(イノシシ側)に設置すると、イノシシは支柱に触りながら電線に触れる確率が高くなる。
イノシシが電気の通りにくい舗装道路上に立っていると、電気柵に触れてもショックを受けない。前脚だけでも電気が通り抜けやすい土の上に乗るように、舗装道路から50㌢以上離して支柱を設置するとよい。
②トタン柵設置のポイント
トタン同士をつなげる時に、重なり部分を10㌢確保することが重要だ。重なり部分が短い場合やすき間があると、イノシシの絶好の侵入チャンスとなる。
また、トタンと地面の間に5㌢程度のすき間ができるとイノシシはすき間に鼻を入れ、トタンを持ち上げてしまう。地面をならしてから設置するなどの工夫が必要だ。トタンで作物を囲い、その周囲30㌢から50㌢の所に電気柵を設置するなど、障害物に奥行きを持たせた「組み合わせ柵」も効果が高い。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月10日 11:33
【イノシシ 番外編(12/4)】
イノシシは収穫後の稲のヒコバエを食べることは再々掲載しています。
ここでは、牧草地に現れるイノシシについて掲載しています。
イノシシは餌のない冬場に稲科の雑草を多く食べている反面、秋に多量に摂取するどんぐりなどの木の実をあまり食べていないことも分かってきました。イネ科やマメ科の牧草地を放置したままでは、イノシシの格好の餌場を作ったことになる事も指摘しています。
皆さんは、道路工事に併せて崩落防止目的でのり面に種子を吹き付けることはしっていますか?これもまた、冬の餌場を作っていることになります。
秋に道路脇の草刈りをします。すると、冬の餌の無い時期に青々とした、イノシシにとってのご馳走があるわけです。
つまり、自分たちでイノシシの餌付けをしているんです。
イノシシ対策は行政、地域が一体で取り組まなければいけない問題です。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月02日 21:06
あら・・
私も亥年です・・・・・
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月02日 15:18
私も亥年です(^^)
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月02日 12:11
亥年生まれの人間にとっては、複雑な話ですね。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月02日 11:57
【イノシシ 第3回(12/2)】
<柵上部を折り曲げ>
 イノシシは1㍍以上の高さを助走しないで跳び越えることができるが、本来は障書物を跳び越えることより、くぐり抜けることを好む。
 従って柵を設置する時は、あまり高さにとちわれないことも防除のこつだ。また、山側だけを囲って道路側や河川側を囲わないと、道路や川を平気で渡る、ずうずうしいイノシシをつくり出す。対策は2つある。
①ワイヤメッシュ柵設置のポイント
 ワイヤメッシュは扱いやすい素材だが、田畑を直接囲うと中の作物が見えるので、あきらめきれずに跳び越える個体が多くなる。そこで高さ1㍍、幅2㍍のワイヤメッシュの上部30㌢をイノシシ側(外側)へ20度程度折り曲げてやると、イノシシの跳躍行動を制御できる。
 柵の外側か内側にトタンや遮光ネットなどを張り、中の作物を見えにくくすれば、さらに効果を上げる。
②ネット柵設置のポイント
 ネットは外側へ斜めに投置すると効果的だ。しかし、風が吹いたりイノシシが触ったりすると、真下に垂れ下がってしまう。また、雑草が伸びてネットが地面から浮き上がることもある。
 そこで、ハウスの支柱用パイプなど筒状の廃材を短く切り、そこにひもを通してつなげたおもり(奈良県果樹振興センター考案)をネットのすそに取り付けると良い。
 重しに大きな石を置く例をよく見かけるが、イノシシは石を鼻で転がし、ミミズや昆虫などの餌を探す習性があるので注意が必要だ。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月01日 17:35
【イノシシ 第2回(11/27)】
<見通し利く環境に>
 イノシシなどの野生動物は、農作物だけを狙って集落に侵入しているわけではない。彼らはおいしい餌があればどんな場所でもよい。イノシシの活動時間は、1日のうち6、7時間程度で、起きている時間のほとんどを餌探しに費やす。長時間、石を転がし、土を掘り、少しずつ餌を口にして、やっと空腹を満たすのだ。
 しかし集落内を見回すと、放置されたくず野菜や誰も収種しない果樹、山際に捨てられた大量の種芋など、餌になるものが存在する。これではイノシシに限らず、野生動物にとって短時間で満腹になる最高の餌場を人間が提供していることになる。
 イノシシは食べると人間が怒る餌、食べても人間が怒らない餌を区別できない。このため、野生動物の餌となってしまうものを集落内から徐々になくしていく必要がある。具体的には、柵の外に果樹の枝を出さない、熟して落ちた果実を放置しないなど、イノシシを集落内に近づける要因を少しでも排除した環境づくりが必要だ。
 田畑周辺や集落内の茂みの管理も重要だ。被害現場ではイノシシが柵を大胆に破壊したり、柵の周辺に大きな穴を作ったりすることがある。体が隠れるほどの茂みがあることも多い。イノシシは本来臆病(おくびょう)で、茂みに身を隠すことが好きな動物だ。
 このため、見通しの良い環境をつくって集落へ侵入しにくくすれば、例え田畑に近づいても警戒心をあおることができる。イノシシは柵の侵入方法を考えることができなくなり、柵の効果が持続する。
Re: 有害鳥獣対策のお勉強
【返信元】 有害鳥獣対策のお勉強
2008年12月01日 17:35
【イノシシ(全4回) 第1回(11/18)】
<餌ない所には来ない>
 過疎・高齢化が進む農村では年間を通して鳥獣被書が多発し、農家を悩ませる。被害軽減には、鳥獣の生態を知った上で対策を練ることが肝心だ。今回はイノシシ編として、農研機構・近畿中国四国慶業研究センター鳥獣害研究チーム主任研究員の江口祐輔氏に生態と対策を解説してもらう。(4回掲載)
 イノシシは1回の出産で平均4、5頭生まれる。子どもは、褐色の体に白またはベージュ色のしま模様が入る。実はこの模様、背中は直線的だが、脇腹やお尻は”まだら”になることが多い。しま模様は3ヵ月齢ごろから次第に消えていく。イノシシは発達したきばを持ち、雄は3歳程度で口の外側にきばが出てくるが、雌は短く、口の外側に出ないのが特徴だ。雄は10カ月齢ほどで睾丸(こうがん)が目立つようになる。
ただ、このようにイノシシの情報を知っていても、現場で行う被害対策には役立たない。よく、行政機関などから「今年の被警金額は○千万円」「柵を○○キロ設地した」「○万○千頭を捕獲した」などの情報が発表されるが、やはりこのような情報も役に立たない。
 本来は「どれだけイノシシの被害が減ったか」「どれだけ作物を収穫できたか」が重要だ。役に立たない情報より、「イノシシ(野生動物)は居心地が良い場所でも、餌がなければやって来ない」という鉄則を知っておく方がはるかに役に立つ。
 次回から、被弩対策と考え方をイノシシの行醐を踏まえて紹介する。