農業特派員情報の「鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)」
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鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)
【閲覧数】1,098
2009年05月14日 14:34
掛川でも、アライグマによる獣害が予測されてきた。
静岡市では既にアライグマによる獣害が問題となっている。
日本農業新聞の13(水)にアライグマによる鳥獣害対策が掲載されたので紹介したい。
<本文より>
 アライグマは北米原産の動物で、日本に入ってきたのは比較的新しい。ペットとして飼育されていたものが逃げ出したり、捨てられたりして野生化した。ハクビシンに引き続き、埼玉県農林総台研究センター茶業特産研究所の古谷益朗・中山間営農担当部長に、被書状況と対策を紹介してもらう。

書き込み数は2件です。
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Re: 鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)
【返信元】 鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)
2009年05月22日 13:19
<餌と寝場所撤去を>
 アライグマはどこにでもおり、農作物被害が増え続けている。対策は最初に、「アライグマの存在と問題意識」を地域で共通認識として持つことだ。増加スピードが速い動物なので、安全な場所であれば定着し、どんどん増える。地域の目が同じ方向に向かわなければ被害は減らない。
 対策の第1は、自分の畑をしっかりと守ることだ。アライグマは登ることが得意なので、通常の柵では簡単に突破されてしまうが、電気ショックには弱く、電気柵での対策が有効だ。ハクビシンと同様に、ネットと支柱上部に張る電線を組み合わせた「白楽くん」を利用すれば、侵入を防ぐことができる。
 作物が被害を受けることは、餌を与えることと同じだ。地域全体でしっかり畑を守ることが重要になる。また、集落内の生ごみも餌となっている事実がある。農作物だけでなく、集落全体で餌をなくす努力が必要だ。
 次に、アライグマが繁殖場所に利用する建物に入れなくすることだ。集落を点検すると、人の出入りが少ない建物が多く存在することに気づく。これらの建物が利用されていたら、知らない間に繁殖場所を提供していたことになる。増やしてしまってから対処するのではなく、増やさないことが重要だ。
 餌をなくし、寝場所や繁殖場所をなくせば、地域に生活する頭数は自然に減ってくるはずだ。しかし、既に大きな被害が発生し多くの存在が認められる地域では、適切な個体管理も必要になる。実施に当たっては外来生物法に基づく防除計画を作成し、計画的に効率良く行うことが望ましい。
 しばしば、個体管理だけで問題を解決しようとする動きがある。しかし、これだけで成功した例はない。餌や出産場所をなくすことと、バランスよく総合的に実施することがアライグマ問題解決の近道と考える。
Re: 鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)
【返信元】 鳥獣害対策 アライグマ編(日本農業新聞)
2009年05月14日 14:49
<甘い物好む雑食性>
 研修会などでアライグマの話をすると必ず、「そんなにいるんですか」「かわいいのに、そんなに悪いんですか」などの質問が出る。回答はいつもこうだ。「そうです。どこにでもいると思ってください。あなたの家の裏、いや、家の中にすんでいるかもしれません。見た目のかわいらしさにだまされてはいけない。本当は怖い動物です」
 もともと日本にいなかったアライグマは、外来生物法で「外来動物」に指定され、対策も行われているが、速いスピードで頭数が増えている。外観はタヌキと似ているが、顔の黒いアイマスクと尾のしまが特徴だ。尾を見ることができれば見間違うことはない。
 成獣の大きさは60㌢~100㌢で、雄の大きな個体では体重が10㌔を超える。雑食性で何でも食べるが、甘い物を特に好む傾向がある。果樹や果菜類などの農作物が大きな被害を受けるのはこのためだ。
 行動は主に夜間だが、昼間も活動しないわけではない。調査で歩いていると、昼間もよく出合う。出産は3~5月で、家屋などの建物や樹洞、ほかの動物が掘った穴などで行われる。子どもの数は平均で4頭、最多で6頭。生まれた子はほとんどが順調に成長し、早いものでは8月には親と変わらないくらいまでになる。そして、親に連れられて秋遅くの子別れの時期まで食べる方法を学び、畑を荒らし続ける。
 アライグマはどこにでもいる。1頭見掛けた時には、既に複数が隠れていると考えた方がよい。そして、性成熟が早く繁殖能力が高い動物なので、対策が後手に回ると膨大な費用や労力が掛かる。手遅れになる前に、早めの対策が必要だ。