NPOプレゼント講座2013の「【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から」
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【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
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第1回NPOプレゼント講座のテーマは「地域とともに暮らす活動から」です。
講師の皆さんの印象的な言葉をレポートします!

【1】レクチャー
講師:東遠地区生活支援センター 相談支援専門員 鈴木克則 氏

障がい児者の地域生活支援



■障がい児福祉の動向(抜粋)
1979年(昭和54年)養護学校義務化
 それまでは、障がいを持つ子どもは学校に行かなくていい、の状態が続いていた。だから、40歳以上の障がいを持つ人は、学校に行ったことがない人がいる。日本は遅れている状況。
2000年(平成12年) 介護保険制度(福祉分野における契約制度の導入)
2003年(平成15年) 支援費制度(障がい分野での契約制度導入)
 この世界にも、ようやく契約制度が入った。
2005年(平成17年) 発達障害支援法
2006年(平成18年) 障がい者自立支援法(応益負担、日割制等の導入)、国連「障害者権利条約」(私たちのことを、私たち抜きで決めないで)
 障害者の権利を守っていこうという動きが始まった。天下の悪法といわれた。障がいの重い人ほど負担が置くなり、使えない状況になった。
2010年(平成22年) 国と自立支援法違憲訴訟 弁護団との「基本合意」
 日本国憲法の法律違反になるのではないかということに対して、国が「違憲」だと認めた。その後、改正の動きになった。



■東遠学園組合の構成
森町、掛川市、菊川市、御前崎市の3市1町=「東遠地域」
東遠地域の人口 約21万人
手帳所持者(平成24年 3市1町の合計)
・身体障がい者手帳  7,098人
・療育手帳(知的)  1,499人
・保健福祉手帳(精神) 756人

年間600件ほどの相談を受ける中、手帳を持っていない人も多いので、実際はもっと支援が必要なのではないかと感じる。

■ライフステージと東遠学園組合の事業
【乳幼児期】こども発達センターめばえ、こども発達センターみなみめばえ
【学齢期】東遠学園児童部
【成人期】東遠学園青年部、島川ホーム

■基本理念
組合構成市町で暮らし、発達支援や障がい福祉を必要とする人たちに対して、ライフステージを通じて豊かな育ちを支え、健康で安心ある施設支援や、充実した地域生活支援に努め、地域の自動福祉、障がい児・者福祉の発展を目指す。

■運営方針
①適切、且つ良質な支援
②支援の一貫性と継続性、機関連携
③職員の研鑽
④組合としての役割
東遠学園組合は、障がい児・者福祉に特化した地方自治行政の一部を担っている。特に乳児期、児童期の支援を主な役割とし、発達支援、家族支援、さらに関係機関との連携の中核的な役割を担う。また、構成市町の支援バランスの調整を図り、公平性のある支援に努める。

■実際のサービス
・外出支援サービス
(行動支援、移動支援)
土日に映画に行くとか、浜松に買い物に行くとか、プールに行くとか、土日の要望が多いため、現在、回数等の制限があるのが実情。
・訪問支援サービス
(居住介護、訪問支援)
・お預かりサービス
(支援センター内で一時的に預かるレスバイト、放課後等デイサービス)

■相談事業
・各市町、県から委託
・電話、来所相談だけでなく、家庭訪問、地域の学校訪問、福祉事務所等の訪問、手続きの同行、書類作成支援、障がい特性に応じたアセスメントや支援の検討等も行う。
・相談件数は、平成24年度は227人(内新規相談は122人)
・年代別では学齢期と20代が多い。



■啓蒙・研修事業
・保護者向け研修会
・一般、支援者向け講習会
・当事者の集まりの場
・各種研修会への講師派遣



■各種会議
・東遠地域自立支援協議会
・中東遠圏域実利支援協議会
・3市1町各市要保護児童ネットワーク会議
・特別支援教育 専門家チーム会議

■地域における居住支援のニーズ
・地域での暮らしの安心感の担保
・親元からの自立を希望するものに対する支援
・病院・施設からの退所・退院等、地域以降の推進
・医療的ケア、行動障害支援等、専門的な対応を必要とするものへの支援
・医療の連携等、地域資源の活用
・夜間も利用可能なサービス、緊急対応体制
・障がい特性に応じた施設整備

■ニーズから求められる機能の分類
・相談(地域以降、親元からの自立)
・体験の機会・場(一人暮らし、グループホーム等)
・緊急時の受け入れ・対応(ショートステイの利便性・対応力向上等)
・専門性(人材の確保・養成・連携)

■まとめ
今後、障がいの者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、上記のような機能をさらに強化していく必要がある。その際、相談支援を中心として、学校からの卒業、就職、親元からの独立等、生活環境が変化する節目を見据えた中長期的視点に立った継続した支援が必要である。


【2】事例紹介①
講師:袋井特別支援学校磐田見付分校 特別支援教育コーディネーター 小島秀子 氏

地域の力を借りて地域で働く ~働く人を育てるために~



■袋井市特別支援学校 磐田見付分校
平成22年4月開校
軽度の知的障害の生徒を対象に職業教育の充実を図っている
高等部普通化(1学年9人×2学級18人、計54人)
通学範囲は、磐田市、袋井市、掛川市北部(旧掛川市)、森町
基本方針 学校で学ぶ 地域で学ぶ
教育目標は「職業自立」で100%の企業就労を目指す
※平成24年度は100%達成

■就職が決まるまで
一般の高校では、企業からの【求人票】に、学校から【応募】し、【採用試験】を行い、【内定通知】で【就職決定」となる。
特別支援学校では、【現場実習】そのものが【採用試験】となる。現場実習を重ねながら、働く力の土台となる部分の評価をしてもらう。企業側には「まず3ヶ月やらせてください」とお願いしている。評価ランクがAまでいっても断られることもあるが、そのときは潔くあきらめる。可能性のあるところでD実習から



■障がい者雇用に関する社会の目
・立ち仕事は難しいだろう
・危なくてさせられない
・自分で通勤できないだろう
・一日続けて働けないだろう
・ついて指導できない
・障がい者雇用で失敗している

■「働く力」を大事にする教育
普通の高校生に勉強は負けてもいい、でも、
【安全な通勤】【休まず勤務】【健康な心身】【誠実な勤務態度】【好ましいマナー】【好ましいコミュニケーション】【自己管理】【8時間の立ち仕事と体力】【作業遂行力と持続力】【危険察知と安全な作業】【あいさつ、身だしなみ】【正確性と生産性】など
は、絶対負けないという教育を行っている。

実際の働く姿が、後輩の道をひらくと考えている。だから、大事なのは「離職をさせてはいけない」ということ。



■社会の教育
障がいを持っていても、社会で生きていることが大事。本物の場で本物の教育をすることが大事であり、社会の力なくして社会自立はありえない。

障がいには「見える障がい」と「見えない障がい」がある。どこが弱いのかがわかれば、理解しようと人の心は動く。

健常者が「一人一人みんな違う」ように、障がい者も「一人一人みんな違う」。
「特別支援教育」という発想ではなく、「一人一人の困難性への教育支援」へ。
特別な人だから、特別なことをしてあげなくてはいけないのではない。すべての人に必要なこと。

自立とは、持っている力を100%発揮すること。支援は最小限で。

ナチュラルサポートは、自然な支援が自然にできること。すべての人がナチュラルサポートができるといい。そのためにも、知り、感じることが大切。そうしてはじめて行動することができる。

障がいの有無に関わらず、人として当たり前のことを、正しいことを正しく。社会で生きる土台となる「愛される人」に育てることが大切。




【3】事例紹介②】
講師:「ピチャカマジカ」代表 白畑礼子 氏

障がい児の余暇活動支援



■ピチャカマジカとは
スペイン語でドラえもんのポケットという意味。

■していきたいこと
障がい児は毎日の中で生きにくい経験をしている。スーパーで冷たい目で見られたり、「しつけがなってない」と思われたり、学校でも友だちと関わりをもてなかったり。
親も、小さい時期につながりを持ちたくて子育て支援センターなどに行っても、つらい経験をする。壁にぶつかることが多いから、壁を作ったり必死になってしまう親もいる。
なんとか、地域とつながり、楽しめるもの、打ち込めるもの、支えになるものを持ってもらいたい。
専門家や地域の人の力を借りながら、いろいろな体験、当たり前の体験をしてもらいたい。

■さまざまなワークショップを実施
・月見の里探検(壊れても大丈夫なカメラで写真を撮る)
  ※ふだんしゃべらない子が「こんなものを見ていたんだ」と写真を通して知ることができた。
・ゼリーで遊ぼう
・ハンバーグ&ピザを作ろう
・元気に身体を動かそう
・額づくり
・お話をデザインしよう
・あかりを作ろう! あかりをともそう!
・たいこで遊ぼう
・パラシュートを作って飛ばそう!
・化学実験遊び
  ※学校ではまずやらせてもらえない理科の実験。「人工イクラを作る」「色を分解する」「スライムづくり」など
・街歩き
  ※駿遠線の跡地を歩く、街歩きと地図づくり、自分たちが普段通っている道の素晴らしさを再発見。



■ワークショップの感想
こんないい笑顔を見たことがなかった、という親の声。
一緒に活動することで、障がいを持つ子も持たない子も、仲良くなる。



■今後の活動の予定
・平成23年度は袋井市協働まちづくり事業として「なんでもやってみよう!」を実施したが、今年は回数を減らして、自分たちでできる範囲で行っている。
・こうした活動を中東遠のほかの団体とも連携したり、交流できたらいい。今回の事例紹介で、新たな出会いができ、他地域のたくさんの人と知り合いたい。

■活動の様子を見てください
◎ブログ「なんでもやってみよう」は こちら

◎ユーチューブ
YouTubeのページの【検索】に「なんでもやってみよう」を入力すると、ピチャカマジカの様々な活動の様子を見ることができます。
動画は300本以上アップ。みんなでCMを作ったり、料理の様子をアップしたりしています。

書き込み数は3件です。
[ 日付順 ] [ 投稿者順 ]
Re: 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
【返信元】 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
2013年12月04日 15:07
レポートを担当した河住です。
白畑さん、鈴木さん、コメントありがとうございます! (*^^)v
小島さんからもお礼のメールをいただきました。

講師の3先生方のお話は、私などこうした場に身を置いたことがなかったので、とても勉強になりました。そして、「福祉」や「障がい」に関わる人たちの温かさと強さと明るさを感じました。画像で紹介された子どもたちの笑顔も素敵でしたし、福祉行政がどのように進められてきたのかの流れもわかりました。

このようなお話を聞く機会をいただいて、本当にありがとうございました!
Re: 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
【返信元】 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
2013年12月04日 11:12
お世話になりました。
東遠地区生活支援センターの鈴木です。
研修をするといろいろな人たちとの出会いがあり、お話しする中で考え方の幅が広がる気がします。このような機会を作っていただいたことに感謝です。。。

東遠学園組合にもホームページあります!
相談部の広報もアップしています。活動紹介や研修の開催情報等も載せていますので、お立ち寄りくださいませ!!!

http://toengakuen.jp/index.php?id=18
Re: 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
【返信元】 【第3回レポート】地域とともに暮らす活動から
2013年12月03日 13:21
先日はありがとうございました。
ピチャカマジカの白畑です。
準備不足で、活動紹介がうまく出来ませんでしたが、
大勢の皆様にお話を聞いていただくことができて、
大変感謝しております。

実際にブログを見に来てくださった方もいらっしゃって、
本当にありがとうございました。しばらく更新できて
いませんが、近いうちに更新しますm(__)m

お麸の唐揚げの動画です。よかったらご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=rFpF4jeNPdg&feat…VP2yeSrmxQ

↑こちらはまとめ動画ですが、こちら↓は油でお麸を揚げている動画です。
http://www.youtube.com/watch?v=ryApA4AXzSw

 
 
…すみません。これから小学校の参観会です。
こちらの日記も更新したいです。出来たら
今夜か明日ぐらいにまで、ふりかえりをしたいです。

最後になりましたが、このたびはとても素晴らしい機会を
くださって、本当にありがとうございました。

すみません。また後ほど~m(__)m