|
私のお婆ちゃんが静岡市立病院に脳血栓で入院し、その病床で聞いた話です。もう、かれこれ80年近く前の牛妻。今のようにアスファルトで舗装されていない小石ばかりのあぜ道を、彼女は毎日わらじで学校に通いました。何キロもある悪路を歩くと、わらじというのはたった2日で駄目になってしまうそうです!!そのため彼女のお父さんは毎晩せっせとわらじを編んでくれました。その姿を祖母は今でもはっきりと覚えているそうです。 父が夜なべをして編んだワラジはとても大切なので、雨がひどい日は鞄にしまい、はだしで帰ることもしばしばでした。そんな冬のある雨の日、はだしで歩いて帰ることがよっぽど辛かったのでしょう。そばを通った馬力(ばりき)と呼ばれる馬車の荷台に彼女はこっそり乗り込みました。しかし子どものすることです。すぐにバレて彼女は馬力から下ろされてしまいました。羨ましそうに馬力の背中を眺めていると、おや?馬が何かを落としていきましたよ。 とてもとても寒い冬の日なんです。落としたての、あったかで、ほかほかの糞。彼女にとっては幸運以外の何ものでもありません。急いで駆け寄りその糞をはだしでえいっと踏んづけました(笑)それはもう、何にもまさる至福の瞬間!?だったそうです(笑) 今となっては味わえない命のあたたかさ。馬の糞にも宿ってたんですね。 |