■バックナンバー
■外部ブログリンク
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://e-jan.kakegawa-net.jp/blog/index.php?key=43488&ps=2
■最近の書き込み
書き込み数は20件です。 [ 1 2 ]
2018年12月19日(水) 
フアニとロンガ その2 そのような村のひとつに、ギィは暮らしていた。 気の良い若者で、有能な農夫だった。妻にとっては尽くし甲斐のある夫であり、優しい父親でもあった。 そして、村に生まれ育ったほとんどの農夫と同様、木こりや大工の仕事もすれば狩りもした。 その日、ギィは森へ狩りに出かけた。 森で狩りをする者は決まり事を守る。簡単な決まり事である。獲物に欲はかかず、陽のあるうちに家路につく。 たとえ肥えたシカを見つけて追ったとしても、陽の光が届かぬほど暗い森の奥深くまでには足を踏み入れない。 そこは野獣の領域なのだから。 さて、ギィは腕の良い猟師でもあった。 早々と数羽のウサギとキジを仕留め、帰りの支度を始めた時、目の前の茂みがカサカサと音を立てた。 とっさに弓矢を構えて近づいてみると、そこには奇妙な生き物の姿があった。ふさふさとした尻尾を体に巻きつけてうずくまっているその動物は、人間を見ても怖れず逃げもせず、なぜかめそめそと泣いている。 ギィにはそれが野獣の仔であることが分かった。 野獣を自分の目で見たことがあるわけではない。最後のシーズンからすでに彼の年齢よりずっと長い年月が過ぎていた。 しかし野獣の外観については細部に至るまで聞き知っており、一致する特徴を、その生き物は備えていたのである。 ギィの祖父は野獣の最後の目撃者だった。 祖父は子供時代、あの恐ろしい夏至の宵に、戸板のゆるんだ窓を破り幼い妹をさらってゆく野獣を「返せ、返せ!」と追いかけようもむなしく親たちに引き留められたという。 その時は、やはり取り戻そうと立ち向かった男衆二人が命を落とした。 祖父は晩年に至るまでその話を繰り返し語った。 ギィの父も、それを息子に語り継いだ。 「野獣たちの身の丈は人間の二倍ほどもあった。毛むくじゃらの体は邪悪な暗黒の色をして嫌な臭いを放ち、額には悪魔のしるしの角が、背中は棘のある鱗に覆われ、鋭い牙と禍々しい鉤爪を長く伸ばしていた。その目はオオカミよりも冷酷な銀色に光っていた」 今、ギィの足もとにいるそれは、聞いた話よりもずいぶん小さくて、小型のヤマネコくらいの大きさしかなかったし、背負っている獲物のウサギほどにも匂わない。体毛は黒いどころかミルクのような白色で、ところどころに砂色と麦わら色の混じった模様が散っているだけである。 だが、その額には小さな角があった。ふわふわとした被毛の下に、後頭部から尾の先までひとすじに連なる堅い鱗が背骨を保護している。口元には牙が覗き、ふっくらした足先には鋭い鉤爪を隠し持っているのが見てとれた。 成長した個体になれば、祖父が言った通りの恐ろしい武器になりそうだった。 しかし・・・ギィは首をひねった。なぜいま、ここに子供などいるのだろう? 「だが、いずれにしろこいつが奴らの仲間であることに間違いはない」ギィは思った。 「ここで殺してしまえば、村の災いを先延ばしにできるだろう」 ギィは矢を引き絞り、野獣の仔の眉間を間近に狙った。 野獣の仔は射手を見上げた。丸い顔にきょとんとした幼い目。瞳は明るく柔らかな色合いをしている。 ギィは唐突に幼い娘を思い起こした。 小さなフアニ。生まれた時、あまりに小さいので不安になった。健康に育ってくれるものかどうか確信が持てず、懸念が妻のユェンにうつらないよう気を配らねばならなかった 。目の色も髪の色も薄く、発育も遅かったが、ようやくつかまり立ちが出来るようになったと思うと、あっという間に歩き始め、言葉も理解するようになった。 今朝も出かけるギィの後を追って来たので、抱き上げて早く帰ると約束した。 ユェンの腕で『バイバイ』をする姿は、たとえようもなく愛らしかった。 ギィは弓をおろした。 幼いものを殺す気が失せていた。 だが、野獣を見つけておいて野放しにするなど、後々を考えれば危険極まりないことである。 そもそもこのような出会いに選択肢は多くない。さらに言えば、ギィは慎重な男ではあったけれども、時として子供っぽい冒険心が優位に立つ場合があった。 「こいつを飼い慣らせるものだろうか・・・?」 ギィは一番小さなウサギを取り出して、野獣の仔の鼻先に差し出した。 「俺についてくるなら御馳走をやろう」 ところが野獣の仔は、喰いついてくるどころか後じさり、「ご冗談を」とでも言いたげに死んだウサギを見おろしただけである。 そして、気になるのはもっと違った物だとでも言うように、ギィの服の匂いを嗅ごうと鼻をひくひくさせている。 「何が欲しいんだ?」ギィに思い当たるのは、腰に下げた鞄くらいだった。鞄の中には軽食用に平たいパンが入っている。まさかと思いながらも与えてみると、前足で受け取って嬉しそうにかじり始めた。 「肉嫌いの野獣とは、おかしな奴だな・・・さあ、パンなら家にまだあるぞ!」 こうしてギィは、野獣の仔を家に連れ帰った。 「ギィ、あなた、どうかしてるわ」妻は言った。 ちょうど台所で娘に離乳食を食べさせていたところである。 普段は穏やかな性格で、まれに思い付きで行動する傾向のある夫に振り回されることもなかったが、これには驚きのあまり次の言葉もなくしていた。 「大丈夫だよ、ユェン、こいつはおとなしい。何か食べる物を・・・」 ギィが言い終える前に、野獣の仔はまっすぐフアニのそばに行き、鼻づらを押し付けて匂いを嗅ぎ始めた。 それはちょうど、ユェンが咄嗟に立ち上がったせいで赤ん坊が椅子から転げ落ちそうになるところを支えて椅子に戻したかっこうになった。 フアニはこの珍客にたいそう喜び、小さな手でふわふわした被毛をなでたり叩いたり、ぎょっとして引き離そうとする親の腕にイヤイヤをして、今度は自分の食べていた粥のスプーンを野獣の口に押し込む始末である。 「まんまよ!まんま!」 野獣の仔はされるがまま、むしろ嬉しそうに残りの離乳食を飲み込んでしまった。 「まあ、呆れた」食事を終えた幼児と幼獣が、そのまま互いにもたれ合って居眠りを始めると、ユェンはようやく感想を述べた。 「でも、やっぱり危険だと思うわ、ギィ」 「心配いらないよ」ギィはささやいた。 「怪しい気配を見せたら、すぐに殺すつもりだ」 そしてその夜、娘を寝床に入れた後で、ギィは野獣の仔の首にそっと縄をつけ、反対側の端を石の柱に結わえた 。野獣の仔はうっすらと目を開けたものの、とりたて嫌がるふうでもなく、穏やかなため息をひとつついて再び眠りに落ちた。 翌朝、フアニは目覚めると真っ先に野獣の仔のそばへ行った。 何やら片言で話しかけては面倒を見ようとする。まるで弟が出来たかのような可愛がりようであるが、実際のところ面倒を見ているのは野獣の仔の方で、幼いフアニがかまどや刃物などに近づかないよう上手に誘導して遊ばせている。 フアニが転んで泣き出しても、ユェンなら放っておくところを、さてはこの世の一大事とばかりに駆け寄ってなぐさめた。 噛みつくような素振りもなく、逃げ出そうともがくわけでもなく、そもそも赤ん坊のお守りをするためにこの家にやって来たかのような態度である。 ユェンにしてみれば、糸紡ぎや機織りなど、日々の仕事がはかどると言えなくもなかった。 ギィとユェンは、この奇妙な生き物を注意深く見守っていた。 しかし、彼らが危惧するようなことは何も起こらなかった。 野獣の仔は手間のかからない生き物だった。 餌に関しては他の家畜ほどにも気を使わない。 ユェンが試しに与えた野菜くずや芋の切れ端を有難そうに押し戴いて食べ、フアニの粥の食べ残しやギィが投げてよこすリンゴなどは御馳走の部類である。 それでもギィは用心のため、自分が戸外に出ている時と眠る時は野獣の仔を繋いだままにしておいた。 野獣の仔が自由に動き回れるのは台所の土間だけに限られていたが、至極当然の事として受け入れているようである。 夜になってフアニを寝かせつけた後は、かまどの前で丸くなる。 ユェンがそっと窺うと、どこか満ち足りたような寝顔を見せていた。 ユェンは夫にささやいた。 「もしかしたら、森に独りぼっちでいたのが寂しかったのかも知れないわ」 そんなふうに考えたら、始末せざるを得なくなった場合に心が鈍るだろうな・・・ そう思いながらギィは眠りについた。                  次回へ続く
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/19 11:08
2018年12月18日(火) 
今年最後のバドミントン。なんか 下手なりに充実してた! また来年も頑張りましょう! というわけで しばらくの間、文芸部に徹することにします。 カテゴリー的には「旅猫書房」です。 とりあえず、表紙です。 フアニとロンガ はじめに BSで京都大学の先生が、昔の農業について語っていた。トラクターの出現以来、貧富の差が拡大したらしい。なんとなく納得した。 その辺からこの物語を思いついたのかも?我ながら定かでない。 中国語を学んでいて『勇敢・yonggan』を、誤ってロンガンと記憶した。 勇敢さについて描きたいと思ったのだが、そもそもの出発点からして勘違いだ。 反省している。だが時すでに遅し、ロンガというキャラクターに愛着を抱いてしまった。 今更修正する気にはなれない。 冗長と思われる描写は割愛した。それでも長いと思うが、それも仕方がない。 ついでに言うと、ロンガのモデルは今、わたしの枕でイビキをかいています。 目次 フアニとロンガ            補足・秋に旅立つ人       ロンガとダレデモナイ                               以下 本編です フアニとロンガ 遠い昔のことである。 人里を遠く隔てる険しい岩山の洞窟などには、たいてい野獣が棲んでいた。 彼らは現世と冥界のはざまにあって、どちらにも戻れぬ呪われた魔物と呼ばれ、恐れられていた。 野獣たちは森の奥深く、獣道さえ途絶えがちな暗闇に紛れ潜み、時としてシカやイノシシを捕らまえて食べた。そして、より頻繁には人間を、先を急ぐあまりか宿賃を惜しんだのか、いずれにしろ夜の道に迷った愚かな旅人を襲って食べた。 しかし、人が野獣を恐れるのは、それだけが理由ではない。 野獣の本当の好物は人間の子供なのだ。中でも三歳から五歳までくらいの幼児が最も美味で滋養も豊富であるらしい。 とはいえ、彼ら野獣としても年がら年中人間の子供を食べていたわけではない。 野獣にも繁殖期というものがあり、繁殖のためには最良の栄養源が必要となる。そのシーズンに人間の幼児を生きたまま食べなければ、良い子孫を得られないとされているのだ。 だから彼らは食べごろの子供をさらいに村へ下りて来る。 それは必ず夏至の宵で、不用心な家の子供が犠牲になる。 そのため辺境の村の家々はいずれも頑丈な造りで、村人たちは夏至が間近に迫るとまだ明るいうちに野良仕事を終わらせて戸締りをし、納屋だろうが家畜小屋だろうが裏口にも小窓にも、全てに分厚い扉を閉ざすのが習わしとなっていた。 まれに都会の役人がやって来ることもあったが、それももうずいぶん前のことだ。 たまたまその時期に作付け状況の視察に訪れた税吏は、人っ子ひとりいない田畑を見て憤慨した。 「この農繁期に何たる怠慢か。日暮れまで働きもせず、家屋にこもるとは!」 そう息巻いても、戸口を開けて返答する村人などない。近代思想にとり憑かれた小役人に事情を説明しようとして、かえって怒りを買ったのも昔の話である。 宵闇迫る道を、ぷりぷりしながら帰って行く役人とその部下たちの消息がどうなったか? 村の大人たちにはおおかたの想像がついたものだ。 やがていつの間にか、役人など訪れることもなくなった。 村は見捨てられた。置き去りにされた。 あるいは、ただ単に、忘れ去られた。
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/18 01:54
2018年12月17日(月) 
晩上好! 世界卓球 張本君もみま・ひなコンビも 頑張った! テレビ観戦だけど応援に力が入りましたわ 4ヶ月かかった物語が ようやく終わった! 走り書きしたイラストを表紙にしようと思ったら… パソコンがかわったので 操作がややこしくなった…(泣) おまけに 紙ベースの友人用に本編をプリントしていたら プリンターがオカシクなった〜! インクを換えても 黒が 反応しない〜 (泣) 仕方ないので、黒の比率の低い色を使い 数ページずつ手作業(x_x;) 疲れた… 全ページに挿し絵…多分無理 とりあえず もうじき連載します。 それでは、おやすみなさい。
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/17 01:06
2018年12月14日(金) 
晩上好! 今年も年末恒例のお取り寄せです! ♪房州人はクジラを食う 一晩中食いまくるぜ〜! とはいえ 割り箸は使いません。 一晩中食いまくるわけでもない。 けっこうお高いので、 盆暮れしか食べません。 やっぱり 懐かしく、味わい深い… ハクダイさん、ありがとう! いつまでも頑張ってね!
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/14 19:18
2018年12月05日(水) 
この際だから サプリを買ってみました。 なんかもう 膝が楽になった気がする〜
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/05 17:14
2018年12月03日(月) 
また膝が痛くなった (>_
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/03 23:41
2018年12月02日(日) 
ズボラなので いつもの深蒸し茶を切らして はや3日 ようやくいつもの大井製茶さんに行ったら たまたま今日は「詰め放題デー」だった やった〜!! いつものお値段で いつもの二倍! やっぱ お買い物はご近所が良いわ!
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/12/02 20:45
2018年11月30日(金) 
晩上好! 今日の午後は 我家的卓球部です。 袋井体育センターに行ってみました。 テーブルは常設されていて 気軽に練習できました! 午後めいっぱい使って 使用料金は一人50円! オットさんも ようやくやる気を出しました。 あ〜良かった また来週、頑張ります(^-^)
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/11/30 20:37
2018年11月29日(木) 
今夜は卓球部の忘年会 いっぱいやるらしいので バスに乗った 乗客はわたし一人でした〜
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/11/29 21:23
2018年11月26日(月) 
塩ラーメンを食べると 眠くなりませんか? わたしはなります… 気温が下がり過ぎないうちに換気扇の掃除をして ついに コタツを出しました! あれやこれやで 今夜はバドミントン部です ボロ負けです 家に帰ってPCの前に座ったとたん ブリちゃんが膝に乗って 動こうとしません 寂しかったのかな ゴメンね
…[続きを読む]( リンク先は、掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」の外のコンテンツになります)
外部ブログ  サンダーのママ 投稿日時2018/11/26 23:50
[ 1 2 ]
■プロフィール
サンダーのママさん
[一言]
■この日はどんな日
書き込みはありませんでした。
■最近のファイル
ファイルがありません。
■最近のコメント
コメントはありません。
■最近の書き込み