あ~!面白い!思わず笑っちゃいました。
情けには厚いが、決して他者とはなれ合わない寅さんの基本姿勢が
ストーリーを面白おかしくしているんですね!
「男はつらいよ」はテレビで観ましたが
昔の事だから、もう内容は忘れてしまいましたので新鮮な気持ちで読ませて
頂きました(*^_^*)
ありがとう!
おまえと俺とは別の人間なんだぞ。 早え話がだ、俺が芋食って、 おまえの尻からプッと屁が出るか! 第1作「男はつらいよ」から 寅さんは16歳のときに、父親と大げんかして、プィと家出して20年、故郷柴又に帰ってきませんでした。その間、どんなふうに生きてきたのかは映画では描かれていません。しかし、寅さんの言動、旅先で見せるふとしたしぐさ、人への接し方から、その人生の旅で身につけたポリシーをうかがい知ることができます。 例えば、第1作『男はつらいよ』で、妹・さくらに恋をした諏訪博(前田吟)と寅さんが、江戸川の河川敷に置かれた屋形船のなかで、一騎打ちをするシーンがあります。 博は「大学も出ていない職工にはさくらさんを嫁にやれないって言うのか!」と寅さんに激しく抗議します。さらに、寅さんに好きな人がいて、その人の兄から「大学出じゃないから妹はやれない」と言われたらどうするのか、とも詰め寄ります。 博の理屈はもっともです。相手の気持ちになって考えてほしいと、寅さんに伝えているだけですから。しかし寅さんは「おまえと同じ気持ちになってたまるかい!」と反論します。 俺は俺、おまえはおまえ。いくら親しくても、別な人間だというのは、長い渡世のなかで寅さんが身につけてきた感覚だと思います。 そこで出たのが「俺が芋食って、おまえの尻からプッと屁が出るか」という名ぜりふです。この渥美清さんの歯切れのいい名調子で、観客はどっと笑います。情けには厚いが、決して他者とはなれ合わない寅さんの基本姿勢がうかがえます。 このあと寅さんは「人間は、理屈じゃ動かないんだよ」と言い切りますが、これはすべてにおける寅さんのセオリーです。困っている人がいたら、自分が何かできることはないかと、とりあえず動いてしまう。それが寅さんの情です。 それは理屈ではないのです。 ところで「お芋」を基準にしているのも寅さんらしいです。長旅から帰ってきた寅さんを迎えてくれるのは、おばちゃん(三崎千恵子)が作ってくれる「お芋の煮っ転がし」です。食卓に並ぶ、おばちゃんの料理は故郷のおふくろの味なのでしょう。「お芋」は理屈なんかじゃない、寅さんのソウルフードなのです。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |