数年前の1月、私はとても焦っていた。私の元に一通のメールが届いて、ちいさな「コウタ君」が白血病、時間がない!というものだった。 時間がないというのは、親族にも骨髄バンクにもマッチする人(型の合う人)がいなくて骨髄移植が受けられない、マッチする人がバンクに登録するまでの時間(つまりいつになるかわからない)、待っていたら命を落としてしまう。 だから、だれでもいいから、いますぐ白血球の型を調べて、もしマッチしたら移植をしてほしいというメールだった。 まず、血液型。 赤血球にABO型の血液型があるように白血球にもHLAという型がある。 HLAの型はすごくたくさんあって、これはあなたと私はB型だから輸血できるっていうほど簡単にはあわない。 しかもひとり6つの型(この型を座という)をもっているから6つの座が全部合うなんて偶然としか言いようがないくらい。数万とおりの組み合わせがある。 親族でもなかなか合わないが、どこかに偶然合う人がいれば、それはむかーしむかーし、祖先がつながっていたかもしれないという。 つづく |