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2014年04月08日(火) 
いいか、離婚という言葉、これいけないよ。
  あと離れる、切れる、別れる、この手の言葉は一切使わない。
                  第22作『男はつらいよ 噂の寅次郎』から
 寅さんは、悩んでいる人を気づかい、傷つかないように、気配りする人です。ところが、時々、とんでもない方向に向いてしまうことがあります。
 第22作『噂の寅次郎』は、離婚に悩んでいる夫と別居中の早苗(大原麗子)が、とらやの従業員となるお話です。その早苗が、苦渋の決断をして離婚届を出してきた日のことです。自分が望んだこととはいえ、喪失感も大きく、悲しみにくれる早苗。
 寅さんは、家族を集めて、彼女への気づかいをするように言います。そこで「離婚」を想起させる言葉を禁じるのです。「離れる、切れる」は一切厳禁。「言うな」と言われると、つい口にしてしまうのが人情で、それが大きな笑いになっていくのです。
 これは、落語の「松竹梅」「たらちね」などでもおなじみの「忌み言葉」による笑いのバリエーションです。婚礼の席で「帰る」「戻る」は言っていけないという、あれです。ぼくは「禁句の笑い」と名付け、文化放送のラジオ「みんなの寅さん」でも何度か特集をさせて頂きました。
 第2作『続男はつらいよ』では、実母(ミヤコ蝶々)がイメージとは違い、傷ついた寅さんを皆が気づかい、博が「母」を連想させる言葉を禁句にします。しかし、当の博が地雷を踏んでしまい、結局は禁句のオンパレード。茶の間のテレビからは、駄目押しで「おかあさん」とお味噌のCMが流れます。
 さて「噂の寅次郎」では、さくらの「雨、上がったわね。雲が切れたみたい」に始まって、タコ社長が「♪逃げた女房にゃ~」と一節太郎さんの「浪曲子守唄」を歌って、寅さんの配慮は台無しになります。
 でも早苗は、その寅さんの過剰ともいえる気づかいに感激します。その夜、茶の間で、「明るい話題はないか」という話になったとき、早苗が明るく手を挙げ「私の人生で寅さんに会えたっていうこと」と答えます。寅さんは有頂天です。
 一人で悩んでいた早苗は、寅さん一家と楽しく過ごすことで、心の重い雲が切れて、晴れた気持ちになったのでしょう。なんと「私、寅さん好きよ」とまで言ってしまいます。家族は、寅さんにとって、これこそ「禁句」だと思ったに違いありません。
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 誤字脱字写し間違いあります。

閲覧数844 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/04/08 11:49
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