この1月13日、『帝国の慰安婦』を執筆した朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授に対し彼女の著作の一部が慰安婦被害者の名誉を傷つけた…との理由でソウル東部地裁が9,000万ウオン(約885万円)の支払いを命じたそうです。
私は報道を見ただけです(判決文を読めるわけがない)ので、断定的なことは言えませんが、やはり韓国の裁判は変です。
『判決は、1993年の河野官房長官談話(河野談話)[註1]や、1996年の国連人権委員会の「クマラスワミ報告」などを根拠とし、元慰安婦の「強制連行」を認定。「自発的な売春」や「日本軍と同志的な関係にあった」などの記載が「虚偽の事実を示し、原告の名誉と人格権を侵害した」と指摘した。』…と紹介されています。
河野談話では日本軍が慰安婦を強制連行した…などは認めていません。河野洋平自体が、色々調査したが、軍による直接連行は白馬事件[註2]以外には見つからなかった…と云っているようです。それで軍による直接連行についての記載についての韓国の請求を拒否し、韓国の要求に妥協できる限界として「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」とだけ入れた…とされています。
河野官房長官は軍による強制拉致の有無に関して利害関係を有するから政治的発言の可能性が高く、日本の意見としてなら兎も角、事実関係の証拠としては的確ではない筈で、被告人の代理人はそのことを主張するべきだし、その主張にも拘わらず裁判官が事実関係の検証をしないで談話のみを強制拉致の証拠とて認定したのなら、韓国に於ける裁判所の判断の論理性に疑問を持ちます。
当時は朝鮮からも募集人数の何倍もの入隊希望が集まり、朴現大統領の父親;朴正煕元大統領もそれに応募しました。満州軍第8師団参謀にまで上り詰め、1945年7月に中尉に昇進した…という時代のことです。朝鮮の人達も日本に対する愛国心に燃えていたことがうかがわれます。 勿論教授は控訴するそうですから。頑張って欲しいものです。裁判所が問題なのか、教授が依頼した弁護人の戦略に問題があったのか、私には判りませんが。
http://e-jan.kakegawa-net.jp/blog/blog.php?key=825486
【註1】 河野官房長官談話
今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。
【註2】 白馬事件
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