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2015年12月15日(火) 

朴裕河の「帝国の慰安婦」を読みつつあります。

 

   単なる読み物ではなく、すべての記載についての引用源をきっちりリストアップしており、一種の論文とも言えるでしょう。

 

   朴裕河はその責任問題を構造的な強制性と物理的な強制性に分けています。


   慰安所を必要と考え、業者に募集を依頼したことのシステムを作ったことの責任は当然に日本軍にある…としています。一方、法律に違反してして強制連行した民間業者の責任…としています。

 

    多くは一般募集で行われているが、誘惑されたり親から売られたりして業者により集められた例が一部にあることに対し、多くの場合業者は刑罰に処してい る(当時の新聞記事を引用)が、見逃しもしくは黙認した例もあることに対する責任は軍に負わせています。また軍による直接の強制連行がないとも云えない… としていますが、その実例は掴んでいないようです。

 

    私も韓国の元慰安婦だった人達の主張するような軍による強制連行が実際にあった…との証拠の存在を聞いたことがなく、否定的な証拠は幾つか聞いている ので、納得しています。秦郁彦の「慰安婦と戦場の性」には、東南アジアでは軍による現地女性の強制連行はあった…と記載されていたように記憶しますが。

 

    兵隊達の慰安婦との関わりはかなりの場合において単なる性欲の対象ではなく、精神的な慰安を求める例も多かったようです。千田 夏光の「従軍慰安婦」や森崎 和江の「からゆきさん」から引用しています。慰安婦の方でも兵隊を慰安することで、国のために戦う兵隊を支援する…という銃後にものの国への奉仕的な行動 も結構あったとか。韓国や台湾出身の慰安婦は準日本人であり、現地の慰安婦とは相違したようです。

 

   韓国での風評を聞いて痛んだ心が、そうだろう…とやすらぎます。
もっと読み続けよう。

 

 

韓国のソウル東部地検が朴裕河を起訴
http://www.asahi.com/articles/ASHCM347THCMUHBI00Y.html
http://mainichi.jp/articles/20151121/k00/00m/070/17…00c?inb=ra

 

本人記者会見
http://www.sankei.com/world/news/151202/wor15120200…29-n1.html

 

   韓国学者による検察への抗議声明 http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/26/park-yuha-c…59272.html

 

   河野洋平・村山 富市を含む日本の識者も非難
http://www.sankei.com/politics/news/151126/plt15112…31-n1.html

 

   さすがの朝日新聞も今回は韓国検察を非難しています。産経新聞、毎日新聞は当然でしょうね。


 

朝日新聞社説
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12078719.html…amp;rm=150

 

朝日新聞のアカウントを持っていない人の為に、記事を貼り付けます。

………………

(社説)歴史観の訴追 韓国の自由の危機だ
2015年11月21日05時00分

 

   韓国の検察が、同国で出版された「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河(パクユハ)・世宗大教授を在宅起訴した。旧日本軍将兵らの性の相手をさせられた女性たちに対する名誉毀損(きそん)の罪に問うている。

 

   起訴内容は、元慰安婦らの告訴をそのまま認めた。著書には「朝鮮人慰安婦と日本軍は基本的に同志的関係にあった」ログイン前の続きといった表現などがあるが、検察はこれらを「虚偽の事実」にあたると断じている。

 

   また、言論や出版、学問の自由は憲法が保障する基本的権利だとしながらも、元慰安婦らの「人格権などを侵害し、学問の自由を逸脱した」と起訴理由をあげている。

 

   慰安婦問題をめぐり、当事者や支援者にさまざまな意見があるのはわかる。だが、史実の正否は検察当局が判断を下すべきものではない。ましてや歴史の解釈や表現をめぐる学問の自由な営みを公権力が罰するのは、きわめて危険なことである。

 

   朴さんが著書で論じている趣旨は、帝国主義が抱える女性抑圧の構造的な問題である。さらに、同志的関係にならざるをえないような状況に追い込んだ当時の日本の責任を厳しく追及してもいる。

 

   韓国ではこれまでも日本の過去の問題が関係する事案では、法律論よりも国民感情に流されるかのような捜査や判決があった。今回の判断の背景に、そんな要素は働かなかったか。

 

   この本をめぐっては元慰安婦らの仮処分申請を受け、裁判所も、一部を削除しなければ出版を認めない決定をしている。

 

   確かに慰安婦問題については実際の総数など、まだ不明な部分も多い。一方で、被害者の韓国人女性たちが90年代初めに名乗り出始めて以降、日韓を中心に研究が進み、徐々に慰安婦問題の実態がわかってきた。

 

   同時に明らかになったのは、慰安婦といっても、実に多様なケースがあったということだ。朴さんの著書はまさにその多様な側面に焦点をあてたが、韓国で広く語られる「純真で無垢(むく)な少女」という被害者像と必ずしも一致するわけではない。

 

   だからといって、研究者が成果を発表するたびに刑事事件で起訴されていたのでは学問は成り立たない。学説や発見、解釈は互いに検証し、批判や反論をし合うことで、研究が進展したり、淘汰(とうた)されたりするものだ。

 

   異論の封殺は、自由に対する挑戦である。今回の問題は朴さん個人にとどまらない。韓国メディアは起訴を大きく報じていないが、自由を守る声が広がることを願ってやまない。

 

.


閲覧数564 カテゴリ日記 コメント1 投稿日時2015/12/15 09:47
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コメント(1)
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  • 2024/04/17 19:11
    aniketさん
    hy
    次項有
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