赤川 学 の「子どもが減って何が悪いか!」を読みました。いい本ですが看板に偽りあり…です。子どもが減ってもいい…とはどこにも書いていないからです。また少子化防止に有効と思われる提案もありません。
著者は現在行われている少子化を防止する施策について、実データーの解析に基づいて疑問を呈しています。リサーチ リテラシー によって 調査方法や分析方法が誤っているもの、あるいは分析者や発信者によるミスリードをチェックしようとするものです。
そうして少子化防止についての過去の多くのレーポートに於けるデーターの集め方や解析結果解釈について否定的です。
データーを見直す…と云うことは、その結果としてレポートに賛成・反対どちらになろうとも、自分の意見を主張する人は見習って欲しい態度だと思いま す。統計解析を囓った私には説得性があります。(「統計でウソをつく方法」といったような本がよく出ていますが、いいかげんなデーターに騙されないように することが重要です。)
話が横にそれましたが、本論に戻します。
【本の要旨】 ① 女性の就業率の高い国ほど、出生率も高い。;反対。サンプルに使った国数が少なく、しかも偏っている。
②男女共同参画;その必要性は認めるが、少子化防止には無効。
③夫の家事負担によって子どもが増やせるか;既存のデーターからは増やせない。むしろ逆である。
④出産補助金や子育て補助金を増額すること;(産む/産まない)の自由を侵すことになる。(これはデーターはない。著者の意見でしかない。私は著者に反対)
⑤出生率の低下への寄与は、結婚した男女の出生率低下よりも結婚しない男女が増えたことの寄与が2倍大きい。
後半はデータなしで著者の意見が主体となり、紹介は割愛します。
【私の感想】;
④に関し。産む/産みたくない は個人の自由意思によることは当然であって、行政が強制するべきではないことは当然である。
ただ「産みたいが産めない(経済的理由で)」人を支援して産めるようにすることは、自由を妨げるどころか自由な行動に対する障害を除去することになる と考えます。支援が大きすぎて、産みたくない人が、多額の支援によって儲かりそうだから産むことにするか…と考える人が出てくると問題だろうが。儲かるよ うではダメである。
ただ、子どもを 作ることに対する支援に使われる税金は産みたくない人からも徴収されていることが差別のようで少し気になるが、産みたくない人が高齢になった時に、産みた い人が産んだ子どもが産まなかった人の年金や保険料の支えになることになるのだから、損する…とは必ずしも云えないように思います。
既に子どもを二人以上育てている人がもう一人産んでも経済的な負担が全く増えない程度であっていい…と私は思っています。
我々が若いころは多くの人が見合い結婚だったと思います。子育てを終えて余裕が出てきた人が見合い写真を持って相手として相応しいと思われる適齢期の いる家庭をよく訪問していました。我が兄弟は3人とも見合い結婚でした。私は見合いを12回やりましたが、話は何件来たのやら。
現在の有閑マダムは昔の有閑マダムを見習ってほしい。独身でいること、仕事に専念することを決めたわけでもないのに、結婚相談所に行く程の積極性のない人達が結婚するように誘導してほしい。
国の施策としては夫の収入を増やして生活を豊かにする。妻はが専業主婦として家事に時間がタップリ使えるような状態にすることを考える(女性のキャリ アー云々は今は考えない)。自然豊かな地域に広い屋敷をたてて住む。子どもを保育園や学童保育に教育目的で入れるのはいいとしても、入れなくても十分に手 をかけることのできる時間的余裕が持てるようにして欲しい。妻と夫を入れ替えてもいいが、出産時の休暇の点から、入れ替えは子育てを終えてからの方がいい ように思います。
(私の意見を支持するデーターを探す能力が私にないのが残念ですが。)
子どもが独立して手が離れたら、昔の如く有閑マダムとして月下氷人をやってほしい。
午後、道を歩いているとあちこちで子ども達の遊ぶ声が聞こえる…、そのような街になってほしいものです。子どもの声がうるさい…と嫌う人もいるようですが、私には理解困難です。
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