トランプ大統領はツイッターや電話、演説などでその攻撃が本気かどうか相手に判らない相手を攻撃して、相手をタジタジとさせています。脅された相手は、身の安全のために大統領の希望する方向に妥協することが多いようです。
フォードは工場のメキシコ移動計画を中止しました。トヨタは今後5年間に米国で100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると正式に表明しました。
攻撃されなかったソフトバンクも自ら尻尾を振って大統領のご機嫌を取りに行き、米国への投資を約束しました。
外交上も脅しは種々やっていますが、まだ成功はしていないように記憶します。
トランプ氏は、予測不能で、長年にわたる国際規範に敬意を払わないという自らの評判を利用し、相手をおじけづかせて譲歩するよううまく追い込んでいます。
彼のやり方はニクソン大統領のマッドマンセオリーと呼ばれているのだそうです。
何を仕出かすかわからない、敵を殺すためには自分も死んでしまうような破滅的戦略をとるかもしれない危険極まりない相手に対しては、合理的な戦略も立てようがなく、結果として様子見の弱腰の対処をせざるを得なくなってしまいます。狂人理論は相手に対して、こんな状況を作り出し、有利に事を運ぼうといういう目論みです。この戦略はキッシンジャーによって、ニクソンに伝授され、実際にこれに基づいてカンボジア爆撃を行ったともいわれているそうです。
連邦地方裁判所でボブ・ファーガソン州司法長官に負けて大統領は裁判官と裁判所を攻撃し、連邦控訴裁判所の控訴しました。リベラル派裁判官2名、保守派裁判官1名の全員が控訴却下に賛成しました。
聞けば、政権側は裁判所が要求した、取り返しのつかない損害を避けるために仮処分の決定の取り消しが必要だということの証明を提供しておらず、大統領令にある7か国の人がアメリカ国内でテロを起こしたという証拠も示していないのだそうです。
マッドマンセオリーは場合によっては有効かもしれませんが、やるべき事をやっていないと、無理でしょうね。
マスコミによると、安倍首相は大統領の罠に嵌まった…との意見と、先刻ご承知のマッドマンセオリーに旨く対応している…との意見の二つに分かれているようですね。
多くの結果が出てくればわかるでしょうが。
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