神奈川新聞 2013年1月29日付 朝刊 【田奈レンジャー参上】 横浜・田奈高 コスプレ先生!?大活躍 「俺たちが学校を面白くしてやろうじゃないか」。熱い正義感に燃えるヒーローが、県立田奈高校(横浜市青葉区)に現れた!その名も田奈レンジャー。カラフルな衣装に身を包み、コントやダンスで生徒たちを魅了。低迷していた行事の参加率は瞬く間にアップしたという。 (遠藤 綾乃) 「教員じゃないですからね、わたしたち」。口火を切るなり赤レンジャーが念を押した。あくまでヒーロー。正体を明かさない。彼らの活動を代弁するのが若手教員たちという設定だ。 「田奈レンジャーが初めて登場したのは、2007年6月1日の体育祭。「それまで行事に参加する生徒は6,7割位だったんですよ」。当時を知る赤と青が振り返る。「授業に関係ない」「面白くない」・・・。そんな声がちらほら聞こえていた。「面白くないなら面白くしてやろうじゃないか」。若手教員らの熱い正義感に火が付いた。 体育祭午後一番の部活対抗リレーの場面。「位置に付いて、よーい・・ドン!」のピストル音とともに、木陰に隠れれいた緑レンジャーがコースへと躍り出た。周囲が騒然とする中、見事な走りでバトンをつなぎ1位でゴールイン。鮮烈なデビューを飾った。笑いに包まれる校庭。しかし「さすがに勝っちゃ駄目だろう」と、後で管理職にいさめられたという。 手応えがあった。続く文化祭後夜祭りでは、体育館のステージ上でコントや切れのあるダンスを披露。早退する生徒は、次の年からいなくなった。行事ごとの登場はそれ以来定番となった。 当初は「ふざけすぎでは」などと保護者からクレームもあったという。しかし当時の教頭ら管理職が背中を押した。少しずつ認められ、面談で保護者から「田奈レンジャーのことを子どもに聞きました」と言はれるまでになった。 悪役も含め、現在7人。本職で担任や部活動を受け持つため、レンジャーの練習を始めるのは夜から。若い先生が着任するするたび“入隊”の勧誘も欠かさない。年季の入った衣装には、ほころびやセロハンテープでの補強も目立つ。 3年の井上由美さんと向山亜砂美さんは「皆に愛される存在」と自校のヒーローを誇る。「担任の先生がたぶん赤役なんですが、絶対認めないんです」。だから生徒たちも「気付いていないふりをして、いつも楽しみにしているんです」 「生徒が楽しく学校生活を送るために、先生が疲れていては駄目。楽しまなくては」とレンジャーたち。きょうも鍛錬に余念がない。 〈読者投稿〉 面白くないなら「俺たちが学校を面白くしてやろうじゃないか」と正義感に燃える若き教員たち“田奈レンジャー参上”の記事。2007年の体育祭での鮮烈デビュー。「位置に着いて、よーい・・ドン!」のピストル音とともに、木陰に隠れていた緑レンジャーがコースに躍り出て見事な走りでバトンをつなぎ1位でゴールイン。笑いに包まれる校庭の情景が目に浮かび思わずニンマリ・・・。行事ごとの登場はそれ以来定番になったという。 「ふざけすぎでは」との保護者からのクレームにも教頭ら管理職が背中を押してくれたというのもうれしい。 いじめ問題が取りざたされている今、楽しい学校ニュースに心がほっこり温かくなった。 ほころびやセロファンテープで補強した年季の入った衣装のコスプレ先生!?たちに私も会ってみたくなった大寒の朝だった。 町田栄子さん 66歳 神奈川県 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |