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2014年03月21日(金) 
  ああ、やっぱり家がいちばんいいや。
           第12作『男はつらいよ 私の寅さん』から
 第28作『寅次郎紙風船』での大分県夜明けの駅前旅館で、寅さんは相部屋となった愛子(岸本加世子)にフーテンの寅と名乗ります。「どうしてフーテンていうの?」と聞かれ「故郷を捨てた男だからよ」と二枚目を気取ります。
 その「故郷を捨てた男」のはずの寅さんが、旅先でいつも想うのは、妹・さくらのこと、そして家族が住む柴又のことです。
 第9作『柴又慕情』でも、福井県の茶店で「絶えて久しく帰らねぇなあ」と三十年も柴又に帰っていないようなそぶりを見せます。このときは、同じ店にいた歌子(吉永小百合)たちのOL三人組を意識して、格好をつけただけなのですが。
その実、寅さんは一作品ごとに二度ずつきちんと帰ってきます。それを言行不一致というのは、野暮というもの。家族とけんかをして家を出た寅さんは、「二度と故郷には帰らない」決意をしているのです。
 旅の人生を続ける寅さんは、「帰ろうか、帰るまいか」の迷いがあるのですが、結局、望郷の念やまず、柴又に帰ってくるのです。
 そのときに、しみじみ「ああ、やっぱり家がいちばんいいや」と思うのです。
 第9作『柴又慕情』で、下宿を借りようとした寅さんが理想を語るアリアがあります。「親切なおかみの一人もいて」「さくらってのはその下宿の娘だけどね」と、結局は「わが家がいちばん」ということなのです。ここで流れるのがイングランド民謡「埴生の宿」です。
 この曲の英題は“Home! Sweet! Home!”(我が家は楽し)です。
 「お家がいちばん」は、世界中で愛されているライマン・フランク・ボームの童話「オズの魔法使い」のテーマでもあります。主人公の少女ドロシーは家を遠く離れて冒険をするのですが、そこでしみじみ思うのが、叔父と叔母の待つカンザスの「我が家」のことです。
 寅さんの望郷の念も、また同じです。寅さんの「我が家」は、故郷の柴又で自分を案じているさくらたち「家族」そのものです。「男はつらいよ」が愛されているのは、誰しも大切にしている「家族」と「故郷」を想う物語だからなのです。
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閲覧数799 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/03/21 11:58
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