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2014年03月24日(月) 
  にんげん、金があるからたって、決して幸せとは言えないよ。
             第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』から
「男はつらいよ」シリーズは、「人間の幸福について」をテーマにした映画です。山田洋次監督はデビュー作『二階の他人』(1961年)から、最新作『小さいおうち』(2014年)まで、82作の映画を撮り続けていますが、そのすべてが、「家族」を題材にしています。
 ハナ肇さんの喜劇『馬鹿まるだし』(64年)でも、倍賞千恵子さんのミステリー『霧の旗』(65年)でも、吉永小百合さんの『母べえ』(2008年)でも、すべて「家族の幸せについて」というテーマが通底しています。
 寅さんは、出会った人に、必ずといっていいほど「幸せになれよ」と声をかけます。人の幸福を考えることが、寅さんの幸福でもある、ということは、この本でも書いてきました。
 寅さんの「幸福論」とも言うべきことばは、シリーズの中に、それこそ数多くちりばめられています。今回のことばは、第13作『寅次郎恋やつれ』で再登場した、マドンナ歌子(吉永小百合)が、友人と再会してきた夜の、とらやの茶の間の会話です。
 何不自由ない生活をしているのに、友人たちは、愚痴ばかりこぼしている。では、「一体、何が幸福なんだろう」と皆で話をしていると、寅さんが「人間、金があるからって、決して幸せとは言えないよ」とタコ社長に言うのです。お金とはあまり縁のない寅さんだけに、実感がこもっています。
 そこから、それぞれの幸福論が展開されます。おばちゃんは「ないよりある人の方が幸せ」と言い、博は「幸福という問題を金につなげて考えるのは正しくない」と話します。そこで「仕事や愛情についてどれだ満足し、充実しているか?」と寅さんに聞きます。
 寅さんは、歌子の前で「愛情」と言われて照れますが、博は、男女間だけでなく、家族の愛情の充実が幸福の尺度だと言いたかったのです。直感で本質を理解している寅さんと、理屈を言葉にする博。そのことでワイワイと話し合う一家。
 この茶の間のひとときは、何より寅さんと家族、マドンナの「幸せな瞬間」であり、観客にとっても「幸せな時間」でもあるのです。
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閲覧数694 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/03/24 12:06
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