私の事務所は、東名掛川インターからエコパに向かう県道の北側にあります。最近近所の人からイノシシの目撃情報があったのですが、全て県道の南の小笠山沿いでした。ところが15時頃一休みして外を見ると、前の畑に体長1m程のイノシシが歩いています。あわてて事務所にあったコンパクトデジカメで写真を撮っていると、橋を渡って隣の家に入ってゆきます。家の前では子供たちが知らずに遊んでいるので、あわてて走って行くと、イノシシは山に逃げて行きました。あいにく一眼レフカメラが手元になかったのが悔やまれるとともに、このような開けたところに平気で昼間出てくるようになったことに心配を覚えました。確かにイノシシは自然の動物ですが、このような大型の哺乳類の数が増えると、作物の被害だけでなく自然環境への影響も心配されるからです。
イノシシがたくさんいるところの山を歩いていると、山の中はあちこちが掘り返され、植物が枯れてなくなっている所をたくさん見かけます。
昨年、市内の鳥獣保護区の指定期限が来て、解除の方向で話が進められたのに対して、「保護団体」の人たちが、反対したことがありました。確かに鳥獣保護区は野生鳥獣の保護を進めるための一つの制度ですが、要するに野生鳥獣の捕獲を禁止するだけの法律です。生物の多様性の観点から見ると、はたしてイノシシを今のまま放置しておいて多様性が守られるか大きな疑問です。地元の人たちが農林業を営むことにより健全な多様性が守られてゆくこともあるので、もう少し保護団体の人たちも、地元人たちの実情に耳を傾け、一緒に問題を解決する姿勢がないと、自然保護も理解されなくなると心配です。