梅雨に入り鳥の声も少なくなってきました。そんな時期でも河原で元気にさえずる鳥がいます。メジロより小さなセッカと言う鳥です。この鳥は小さいうえに色が茶色で地味なので目立ちにくいのですが、鳴き声でいることがすぐわかる鳥です。体に割に大きな声で昇る時は「ヒッヒッヒッ」と鳴き下がる時は「ジャッジャジャ」とジグザグに飛びながら鳴き続けます。長野県の調査では、1時間に平均12.9回も鳴きながら飛びまわったそうです。どうしてセッカはこんなにせっかちでまめったいのでしょうか。
いえいえこのセッカのオス鳴くだけはまめですが、決して働き者ではありません。巣作りも途中まで作ると後はメスに任せてやめてしまうし、ヒナがかえっても育児は全くしません。それではオスはなにをしているのでしょう。メスが巣作りの仕上げをし、卵を抱いてヒナを育てている間、縄張り内をせっかちに鳴いて回りながら、別のメスを誘って途中まで作った巣に誘っているのです。ある調査では一度に8羽のメスを縄張り内に囲ったという記録がありました。