「グッグッグッ」岩の間からアズマヒキガエルの鳴き声が聞こえはじめました。気の早い奴は地面から寝ぼけ眼ではい出ているのもいます。アズマヒキガエルは、地面の温度が6℃になると冬眠を中断して、付近の沼や池に集まり集団で産卵をします。この産卵に集まる数は、多い所では100匹を超え、オスもメスも団子状にひと塊りになって産卵するので、「ガマ合戦」と呼ばれています。この時は普段はぶつぶつでざらついた肌をしたオスは、滑らかな肌になり、前足の内側にはメスの抱きついても離れにくいように小さなこぶまで出来ます。それまでして気合を入れて現れた産卵場も、産卵が始まると訳も分からなくなって、目の前に来たカエルならオスでもメスでも構わず抱きつきます。産卵期間は短く、一晩経てば夢から覚めたようにそれぞれがおとなしくぼちぼちと山の中に戻って行きます。なんで俺は昨日あんなにのぼせたのかなという顔をして。