倉真温泉のバス停付近の畑に植えられているフジバカマの花に、アサギマダラが30頭ほど蜜を吸いに訪れていました。茶色と白の模様の翅を広げると12㎝ほどの美しいチョウです。このチョウは海を渡る蝶として良く知られていて、沖縄や九州の島で春に羽化したチョウは、北上して夏には本州の高原で卵を産み新しい世代を育てます。そして秋にはその新しい世代が親の生まれ故郷を目指して移動をします。標識を付けた調査によればその距離2000㎞以上を移動した個体もあったそうです。なぜこのチョウがこのような移動をするかはよく分かっていないようですが、幼虫で越冬するこのチョウにとって、冬の本州の高原は厳しすぎるのではないでしょうか。冬も温暖な小笠山では、幼虫の食草になるキジョランがたくさん生えていて、2月頃に葉の裏を見ると黄色と黒のまだら模様の幼虫を見つけることができます。このチョウの名前は、翅の白い部分が翅を動かすと浅葱色(緑がかった薄い青色)になることから付いたと言われています。池波正太郎をはじめとした時代小説に凝っている私にとっては、浅葱色の裏地を付けた羽織は野暮な田舎侍の代名詞。ところが茶色の翅の中に浅葱色をまとって時々見せるアサギマダラは、なかなかモダンな粋なセンスの持ち主です。