キリストの涙、イタリア語でラクリマ・クリスティーという名のワイン。 このワインはイタリアはカンパーニャ州ヴェスヴィオ火山の近くでつくられていて、こんな名前の由来があるそうだ。 むかし、神により天国から追放された大天使サタンが、天国の土地を一部盗んで逃げた。 サタンは、その盗んだ土地を地上に落としてしまい、その土地がのちにナポリになった。 ところがサタンが盗んだ土地に住んだ人々は、悪行の限りをつくした。天上からその様子を見ていたキリストは、悲しみのあまり涙をこぼした。 その涙が落ちた土地から、一本のブドウが生えてきて、素晴らしいワインを生み出すようになった。 この伝説が、ラクリマ・クリスティーというワインの由来だという。 この伝説にはさらに続きがある。19世紀にナポリを訪れた文豪ゲーテがラクリマ・クリスティーに出会い『キリストは何故ドイツに涙をこぼしてくれなかったのか』と言ったというものだ。 |