我が家を建て直して半年が過ぎた。 「我が家を建て直したい…」女房殿が呟いたこの一言から、我が家のイエタテ物語が始まった。最初は単なる夢物語、それを現実のものにしてしまった女房殿の思い(執念)には改めて驚かされた。 で、最初は何ヶ所かのマイホームセンターに行ったり、工務店に行ったりしてた。 そして最近仕事先の近くで個人宅の基礎を作ってる(コンクリート打設)ところに出くわした。眺めていたら施工は以前俺たち夫婦が訪問した事のある工務店だった。この工務店、平成以後業績を伸ばした地元の会社で最近は道路際にもPR看板をよく見かける。 今回この工務店のホームページを覗いて驚いたのが、制震ダンパーを標準装備してる事を高らかに謳っていて、そのダンパーは今回建て直した我が家にも装着した住友ゴム製のミライエだった。 おいおい、この工務店いつから制震ダンパーを標準装備したんだよ、それもミライエを…。 俺たち夫婦がこの工務店を訪問したのはおおよそ2年前、その時には建て直す家には制震ダンパーを装着する事を決めていて、その旨も事前にメールで伝えてあった。 出迎えてくれた担当者は、会うなり如何に我が社は家造りに対して真面目に取り組んでいるかを力説してたのが印象的だった。まぁこの工務店に限らず『我が社は不真面目です』なんて言う奴は居ないんで聞き流したけどね。なのでこちらからは最初に制震ダンパーの話をした。勿論担当者も事前にメールを読んでいて、俺たち夫婦に制震ダンパーの実物を見せてくれた。 「これがウチが使ってる物です」 担当者が見せてくれた制震ダンパーは、付け焼き刃で勉強した僕が、数あるダンパーの中で最初にリストから外したタイプの物だった…。 「えっ?これを使ってるんですかぁ…」 「僕が使いたいのはこれなんですよね」暫しの沈黙の後にスマホの画像を見せながら僕が提案したのが、上にも書いた住友ゴムのミライエという名の制震ダンパーだった。 残念ながらこの担当者はミライエを知らなかったようで、今あなたが手にしてるダンパーが如何に拙いか、そしてミライエが如何に優れているかを、担当者相手に滔々と力説する俺が居た。 でも「じゃ、後で(ミライエを)調べておきますね」で済まされちゃったのにはショックだった。思った事は直ぐ顔に出てしまう俺を見て、担当者も拙いと思ったんだろう、慌てて「どんなダンパーでも対応できますから安心してください」な〜んて言ってたけど。 この工務店とはその後も完成見学会等に行ったりしてたけど、結局女房殿の「装備も良くて素晴らしい、子育て世代なら十分だよね。でも私たちみたいな終の住処として選ぶにはこれと言った個性(特徴)が無い」との一言でその後の縁は無かった。 制震ダンパーは特に熊本地震以降注目された様で、今ではこの工務店と同じく多くのハウスメーカーが『我が社は制震ダンパーを標準装備で地震に強い!』って高らかに謳ってる。 そんなのを見るにつけ『俺の考え方は間違って無かったじゃん!』ってニヤニヤしてる、と同時にこの工務店がミライエを標準装備としたきっかけは俺だよね、って勝手に解釈してる。 |