しばらくやんでいたホオジロの鳴き声が聞かれるようになりました。巣つくり、産卵、抱卵が終わって雛が孵ったので、オスがまたなわばりを宣言するさえずりをするようになりました。
春先のメスを呼ぶさえずりと違って一節しか歌わないし、迫力がいまひとつです。ホオジロのさえずりは「一筆啓上仕り候」と表現されます。これを「聞きなし」と言います。
この聞きなしにも方言があって遠州地方では、ホオジロのさえずりは「チンチロイチツボニシュマケタ」と聞こえると祖母から言われたことがあります。
森の石松が出た遠州地方だけに「ツボに入れて振ったサイコロ博打で2朱負けてしまった」と言うことだと思います。その続きがあって、「5文もらって元にした」と言います。春先のホオジロだったら勢いがあって、2朱くらい負けてももう一度お金を借りて(博打を)続ける元気があるかもしれませんが、巣を作って雛が孵って、これから子育てをしなくてはいけない今のホオジロのオスは、そんな元気はないので一筆啓上仕り候の一節だけの歌になっています。